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※2023年11月21日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2023年11月21日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
何をやっても不発の「嫌われ首相」/(C)日刊ゲンダイ
この週末も酷い数字だった。岸田内閣の支持率は大幅下落が当たり前になってきた。
読売新聞でも、先月から10ポイント下落の24%となり、ついに危険水域に転落。2012年の自民党の政権復帰後、初の2割台だ。読売調査でのこの厳しさには、自民重鎮が「底が抜けた感じがする。異常な数値だ」と驚きを隠せなかったそうだ。自民党内には「民主党に政権交代を許した麻生内閣末期に様相が似てきた」との懸念も浮上しているという。
毎日新聞の調査でも先月の25%から、今月は21%へと続落。経済政策もダメ、外交もダメ、何をやってもダメの“嫌われ首相”だけに、支持率10%台突入も近いのではないか。
もっとも岸田首相本人は「せっかく減税をやってやったのに」ってなもんで、自分のどこが悪いのか分かっていないようだ。20日も衆院本会議で所得税と住民税の「定額減税」について質問されると、「国民から見れば、新型コロナウイルス禍の際に納めた税金が戻ってくるという意味で『還元』そのものだ」と強弁。鈴木財務相が「税収増分は使ってしまって、還元する原資はない」と既に答弁しているのにもかかわらず頑迷なのである。
さすがにここまで世論の「岸田離れ」がクッキリしてくると、自民党内はざわつき「もはや来年9月の総裁選での岸田再選はない」が共通認識になりつつある。高市経済安保相や小泉進次郎元環境相らが勉強会を立ち上げるなど、ポスト岸田を狙うメンメンも蠢きだした。
いよいよ、岸田内閣総辞職はカウントダウンに入ってきたと言っていいが、しかし、だ。昨今の自民党の劣化を見るにつけ、岸田内閣退陣は一丁目一番地としても、今まで通りの自民党内でのポストたらい回しでいいのかどうか。
国民からのシグナル
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「民主主義という政治体制を維持するためには、1つの政党の独裁ではダメ。与党と野党が交代する仕組みが必要です。長く続く政権は腐敗する。09年から3年3カ月の野党暮らしを経て、今の自民党はとにかく政権を維持することしか頭にない。ここへきて自民党は道徳的にも問題が噴出し、国民の支持も最低です。『自民党よ、もう一度、下野を』という国民からのシグナルが発せられつつあります」
自民党は12年末に政権に復帰し、安倍、菅、岸田政権と11年続いてきたが、その間にこの国はめちゃめちゃになったと言っても過言ではない。
アベノミクスの異次元緩和による円安誘導政策で、すっかり安くて貧しい国に転落。集団的自衛権の行使容認という憲法破壊で、米国と一緒に戦争のできる国へとつくり替えられた。国際法違反の先制攻撃とみなされかねない敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を決め、戦後日本が国是としてきた専守防衛をなきものにしたのだ。
挙げ句の果てには、武器輸出のルール緩和も与党が密室で協議を進め、日本企業が外国企業から許可を得て生産している武器をライセンス元の国に輸出できる方向にしてしまった。輸出先の米国などがウクライナなど紛争当事国に供与する可能性も出てくる。日本の兵器が戦争で使用されるということだ。
国際紛争は武力で解決しないという戦後日本の誓いはどこへ行ってしまったのか。戦争国家への邁進は、多くの国民が望む日本の姿なのだろうか。
「安倍元首相の『戦後レジームからの脱却』は、日本をポスト戦後体制に持っていくことでした。戦争放棄の日本国憲法を潰すことが最大の目的だった。安倍氏がやり残した反撃能力の保有を岸田首相が決めたことで、先制攻撃ができる政治体制ができたわけです。そのうえ、岸田首相は反撃能力保有を含む防衛3文書を国会に諮ることなく決めてしまった。これは主権者国民を無視するクーデター。こんな独裁政治をこれ以上許していいのか。国民はしっかり考えなければいけません」(金子勝氏=前出)
「牢屋に入らなければ何をしてもいい」が蔓延
自民党はモラルの崩壊も著しい。「モリ・カケ・桜」の安倍元首相が長期に政権に君臨したことで、政治・行政に縁故主義や私物化が蔓延。「牢屋に入らなければ何をしてもいい」がまかり通るようになってしまった。
突然飛び出した東京五輪招致をめぐる石川県の馳知事の爆弾発言にも開いた口が塞がらない。馳が自民党の五輪招致推進本部長を務めていた当時、首相だった安倍から「五輪を必ず勝ち取れ。カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから」と促され、IOC委員に1冊20万円のアルバムを贈ったというのだ。
馳は大慌てで発言を撤回し、「事実誤認だった」として説明から逃げているが、機密費だって国民の税金だ。招致のためなら札びらをバラまき、IOCの倫理規定なんて関係ない、という自民党政権の体質がよく表れている。
鯛は頭から腐る。トップの順法意識が低いから、チルドレンも上に倣えだ。10月末に臨時国会が召集されてから副大臣・政務官が3人辞任したが、今度の岸田内閣の不祥事議員の程度の酷さといったらありゃしない。文科政務官のパパ活疑惑。法務副大臣の公選法違反。財務副大臣に至っては、度重なる税金滞納と4度の差し押さえという税金逃れの“確信犯”である。さらに、本人は否定しているが、セクハラ・パワハラが問題になっている防衛省の政務官に事務所スタッフへの性加害疑惑まで飛び出した。
元参院議員の平野貞夫氏はこう言った。
「辞任した3人の中でも致命的なのは、意図的な税金滞納で、資産を差し押さえられた神田財務副大臣です。憲法30条に国民は納税の義務があると書いてある。神田副大臣の行為は憲法違反ですよ。公務員の憲法順守義務にも違反する。副大臣辞任だけで済まず、国会議員を辞職すべきものです。そして、そんな人物を、徴税をつかさどる財務省の副大臣にした総理の任命責任は重大。この一件だけでも、岸田さんは総理を辞めるべきです。特に今は、定額減税に防衛増税と税制が国民の最大の関心事なのですから」
自民党内に広がる「政治とカネ」
自民の堕落はとどまるところを知らない。ここへきて、安倍派を筆頭に5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入約4000万円を政治資金収支報告書に記載していなかった裏金疑惑が火を噴いている。
東京地検特捜部が捜査に着手しており、20日の衆院本会議で立憲民主党議員が「自民党中に『政治とカネ』の問題が広がっている可能性がある」と言っていたが、本当にその通りだ。政権政党の巨大権限を誘い水に、相変わらずの政治と業界の癒着。補助金をつける見返りに、献金と票をもらう。
自民党は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の財産保全に関する立法にも及び腰。自公と国民民主党で共同提出する法案は、教団が不動産を処分する際に行政機関への事前通知を義務付けられるようにするというユルいものだ。自民党が統一教会と癒着したのも選挙目的だった。ほとぼりが冷めれば、というスケベ心でもあるのか。このように、自民党政権ではダメな理由は、挙げていけばきりがない。
「自民党の堕落は公明党と連立を組んだところから始まったとも言える。黙っていても確実な票が来るから、国民のための誠実な政策づくりに切磋琢磨しなくなった。国民の幸せ、健康、福祉を考えた真剣な議論がなくなった。いよいよ自民党は下野させなければダメ。そして、野党は自民党支持者すらも唸らせるような政策を出さなきゃいけない」(平野貞夫氏=前出)
岸田退陣は当然だが、首相を代えても国民愚弄の自民党政権が続くのであれば元の木阿弥。腐りきった自民党政治を終わらせなければ、この国は絶対に浮上できない。
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