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※2023年11月20日 日刊ゲンダイ5面 紙面クリック拡大
小池都知事の学歴詐称を実名告発(上)カイロ大入学時期の決定的なウソ、本当は語学学校の初級コースに通学
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/332278
2023/11/20 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
本当にカイロ大学を卒業したのか(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ
エジプトを代表する名門「カイロ大学」を卒業したのは事実なのか──。
首都・東京のトップに君臨する小池百合子知事(71)の「学歴詐称」疑惑が持ち上がったのは、2020年5月に刊行されたノンフィクション「女帝 小池百合子」(石井妙子著、文藝春秋)がきっかけだった。1970年代当時、19歳だった小池知事とカイロで生活を共にしていた同居人の生々しい証言が話題となり、同書は20万部を超えるベストセラーとなった。
刊行から3年を経た今月8日、文庫化を機に単行本では「仮名」だった同居人が「実名」で登場。北原百代さん(82)がその人だ。日刊ゲンダイの取材に応じ、実名告発に踏み切った理由をこう語った。
ウヤムヤにしてはいけないと感じた
「3年前、単行本が出版された直後、複数メディアやネットの書き込みで『仮名では本当かどうか疑わしい』というコメントが目に入りました。国会議員や大臣、都知事を務める人が学歴を偽っていることに、私自身は大きな疑問を感じていて、相当な覚悟で証言したのですが……。大手メディアをはじめ、世間はそれほど大きな問題として捉えませんでした。旧ジャニーズ事務所の性加害問題では、被害者の方が実名告発することで社会問題となった。私も実名で証言しなければ、この問題はウヤムヤになってしまうと感じたのです」
小池知事は1993年衆院選に出馬した際の選挙公報に「カイロ大学文学部卒業」と記していたことが分かっている。カイロ大卒がウソなら、公職選挙法に問われかねない重大問題だ。
「世間では『どの学校を出ていたっていいじゃない』と受け止められているように思います。しかし、人口1400万人の東京都のトップのウソが、そのまま歴史に残ってしまっていいのでしょうか。証言すること自体に恐怖も感じましたが、サラッと流してはいけないと思ったのです」
「編入内定」を二人でお祝い
「相当な覚悟で証言した」と話す北原百代さん(下は、北原さんが母親に送った手紙)/(C)日刊ゲンダイ
決定的なウソは、カイロ大への入学時期だ。小池知事は著書「振り袖、ピラミッドを登る」で、入学時期を「1972年10月」としているが、北原さんは「それは事実と違う」と言う。
「語学留学でエジプトに行った私が百合子さんと同居を始めたのは72年5月ごろのこと。百合子さんは2カ月後くらいに突然パリに短期留学し、帰ってきたのが9月21日でした。私がアラビア語の勉強のため、外国人向けの語学学校に行きたいと告げると、百合子さんは『私も一緒に行く』と言った。ですから、10月は一緒に語学学校に通っていたのが事実です。それも、初級コースでした」
その後、小池知事は父親と旧知だった有力者のツテを頼り、「73年10月」から2年生としてカイロ大編入の内定を得たことを北原さんに明かしている。「1年生を免除してもらったの」と喜々として語っていたそうだ。北原さんは当時の様子を母親に送った手紙にこう記している。
〈百合子さんがカイロ大学に入学できることが決まったので、今日は二人で缶詰のお赤飯を食べてお祝いしました。本当に良かったです〉
手紙の日付は〈1972年11月29日〉である。10月に入学したはずの小池知事が、11月に「入学内定」のお祝いをするとは、どういうことなのか。整合性が取れていない。この一事だけでも、入学時期が虚偽なのは明らかなのではないか。 =つづく
(取材・文=小幡元太/日刊ゲンダイ)
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