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鈴木宗男参院議員の訪ロ騒動で露呈した「国際感覚の貧困」 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331422
2023/11/01 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
敵か味方か、白か黒か、あまりに幼稚な割り切り方(日本維新の会の〈左手前から〉馬場伸幸代表、藤田文武幹事長と面会する鈴木宗男参院議員)/(C)日刊ゲンダイ
鈴木宗男参議院議員が10月初めにロシアを訪問し、2人の外務次官や議会の外交通などと高度の意見交換をしてきたことについて、ネット上では「国賊」「売国奴」「ロシアのスパイ」といった非難が巻き起こり、それに煽られて同議員が属していた日本維新の会が彼を「除名処分」にしようとするという騒ぎになった。
結果的には鈴木が自ら離党するという形で収まったが、ここには敵か味方か、白か黒かのあまりに幼稚な割り切り方しかできないこの国の国際感覚の貧困が露呈していて、絶望せざるを得ない。
そういう問題点を指摘したのは、(1)10月16日発行の私が主宰するインサイダー誌の「鈴木宗男議員の訪露の何が悪いのか?」、(2)同日の東アジア共同体研究所提供のYouTube「UIチャンネル」における鈴木宗男VS鳩山由紀夫の対談──がたぶん最初で、続いて(3)「月刊日本」11月号の連載コラムで鈴木自身が「それでも私はロシアの友人であり続ける」と書き、さらに(4)「サンデー毎日」11月5日号では「いまこそ議員外交が必須」と題して田原総一朗と対談している。
これらを通じて、鈴木の言い分に直に耳を傾けて、ネットなどに惑わされずに自分の頭で物事の是非を判断していただきたいと思う。
この中で鈴木が提供している重要情報はいくつかあるが、1つだけ取り上げれば、ロシアとウクライナは昨年3月から4月9日にかけて停戦交渉を行い、ウクライナが出した和平案にロシアが賛成、署名しようとした矢先の15日、ウクライナ側がこれを取り下げてきたという話である。ロシア側の判断では、その背後には戦争を長期化させロシアの弱体化を図ろうとする米国の圧力があった。
これは、私の当時の分析とも合致していて、昨年2月24日のロシアのウクライナ侵攻直前まで仏独首脳が主導した戦争回避のシャトル外交があり、侵攻が始まってしまった直後にもまだウクライナとロシアの双方に早期停戦を模索する交渉があったが、ゼレンスキー=ウクライナ大統領にそれをさせなかったのは米国である。
その仏独外交もウ露交渉も焦点は同じで、ロシア系住民が多い東部諸州にロシア語使用を含めどれだけの自治権を与えるかだ。そこから目を背けたのではこの戦争に落としどころはないということを、鈴木は改めて我々に教えてくれたのである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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