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1世帯たったの年2万円? 岸田首相のショボすぎる「所得税減税」…結局また“やるやる詐欺”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/331013
2023/10/24 日刊ゲンダイ
「所得減税」はもともと大風呂敷パフォーマンス(岸田首相と鈴木財務相=左、23日)/(C)日刊ゲンダイ
「成長による税収の増収分の一部を公正かつ適正に『還元』する」──。
23日午後、衆参両院の所信表明演説で、岸田首相は「税収の還元」を強調した。ところが、20日に与党に検討を指示した「所得税減税」には一切、触れずじまいだった。
「総理が20日に税収還元策の指示を表明したのは、22日投開票の衆参2補選の“選挙対策”の意味合いがあった。もともと、パフォーマンスでしかなかった『減税論』は、今後、後退していく可能性があります」(官邸事情通)
岸田首相の指示を受け、与党は所得税の一時的な減税と、低所得者への給付金支給を検討しているが、そもそも、実施するだけの財源はない。
昨年度の税収は71.1兆円に上り、決算剰余金は2.6兆円。しかし、剰余金の半分は財政法に基づき、国債償還に充て、残る半分は今後5年間で43兆円に増やす防衛費倍増の財源に充てる方針だ。岸田首相が掲げた所得税減税は、無理やり実施してもショボい内容に終わるのが関の山だ。
「総理が一度、指示を出してしまったから今さら引っ込めることはできず、何かしらやらざるを得ません。ただ、財源は見当たらない。財務省内では減税規模として『せいぜい数兆円』という声が上がっている。結局、2兆円、3兆円と全体の『枠』から決めることになるのではないか。その程度の減税額の恩恵を全世帯に行き渡らせるとすると、わずかな金額になってしまうでしょう。年収制限を設けて、対象を絞ることになるかもしれません」(霞が関関係者)
年2万円など目下の物価高では一瞬で消える
こんなに物価が高いのに、たった2万円でどうなる?(C)共同通信社
早速、公明党の山口代表が23日、所得税減税について、一律に金額を差し引く「定額減税」が望ましいとした上で、減税幅は「2万円超が目安になる」と話した。1世帯当たり、年2万円ちょいの所得減税とは、あまりにショボすぎる。
さすがにSNSでは《たった2万円所得税が減税されたところでどうやったら「今日より明日の暮らしが良くなる」と思えるの?》《国民を舐めてるね》といった声が上がっている。
実際、その程度の微々たる減税額になる可能性が高い。橋本龍太郎政権は1998年に、所得税と住民税の「特別減税」を実施。全体の減税規模は2兆円で、世帯主の所得税の減税額は年1万8000円、扶養家族は1人当たり9000円だった。夫婦と子ども2人の4人世帯の減税額は年間4万5000円。この程度の「還元」だとしたら、目下の物価高では一瞬で消えてしまうのは明らかだ。
岸田首相は23日の党役員会で、「過去2年の税収増を分かりやすく国民に税の形で還元すべきではないか」と発言。21、22年度の税収増分を合わせると、計12兆円を超える。12兆円分丸ごと「還元」してくれるのか。大風呂敷を広げながら、後から“下方修正”──が、岸田首相のお決まりのパターンだ。今回も“ヤルヤル詐欺”で終わりそう。国民は騙されない。
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