http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/166.html
Tweet |
・
ジャニーズ性加害、日本保守党、維新の会……日本の病は根の部分でつながっている【適菜収】
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/2351529/
2023.10.12 適菜 収 だから何度も言ったのに 第49回 BEST TiMES
ジャニーズはこれまで日本の芸能界のタブーだった。BBC放送の告発から始まったジャニー喜多川の性加害騒動は前代未聞の展開に。弱者を食い物にする悪党に忖度し、ビジネスと称してそのおこぼれにあずかってきたマスコミや政財界。その卑しい体質がようやく白日のもとに晒されている。その最中、見過ごせないのが維新のセクハラ事件の数々だ。マスコミはまた同じ過ちを繰り返すのか? 『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』(KKベストセラーズ)で、三島は日本の今をあまりにも正確に予測していたと語る著者適菜収氏の「だから何度も言ったのに」第49回。
ジャニーズ性加害問題で今後の会社運営に関し会見する東山紀之と井ノ原快彦(2023年10月2日)
■ジャニーズ事務所とTBSの関係
NHKは「ニュース7」で、同局のジャニーズJr.の音楽バラエティー「ザ少年倶楽部」に絡む事件を報道した。告発した30代男性によると、高校生だった2002年秋、同番組のダンス練習に参加。そこでジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川に声を掛けられ、休憩時間に個室トイレに連れて行かれ、性被害に遭ったとのこと。男性はアイドルになりたくて、その後も練習に参加。5回ほど被害を受けたが、数カ月後に行為を拒否したところ、事務所から呼ばれなくなった。これまで出てきた数々の内部告発の内容がすべて事実だとしたら、人類史上例がないような長期間にわたる児童連続レイプ事件である。たまりにたまっていたものが一気に出てきたようだが、これは水に流してはいけない問題である。
*
TBS系報道番組「報道特集」で、ジャニーズ事務所とTBSとの関係が検証された。日下部正樹キャスターは、喜多川の暴走に沈黙を続けてきたメディアとしての自戒を込め、「私たちは報道機関として当然持つべき弱い立場の人々に寄り添う思いと想像力を欠いていました」「さらに深刻なのは、この問題はTBSに限らず、沈黙を続けてきたテレビ局全体の問題だということです」と発言。
*
この構図は、日本社会全体を覆う問題でもある。メディアは権力者に忖度を続け、不正に目を瞑り、ビジネスを有利にすすめる。しまいには維新の会のようにメディアと結託したりする。日下部は「ジャニーズという巨大な帝国を育てたのは、間違いなくテレビ局です。勇気を持って声を上げた被害者の方々には、どんな言葉を尽くしても、お詫びのしようもありません」とも述べていたが、ジャニーズを維新の会に置き替えても、あてはまる。先日《「犯罪歴のある人間との付き合い」怪文書がバラまかれ…大阪維新の会・衆院議員候補に「黒い交際」疑惑》(FRIDAYデジタル)という記事があったが、「交際」どころか、維新関係者自体に「犯罪歴」があったりする。先日久しぶりに「哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃん」の番組に出演したが、「マスコミが報道を避けてきたもう一つの性加害問題」として維新の会についてまとめて話しておいた。大阪府議団代表の笹川理がパワハラやストーカーを続け、大きな問題になったが、笹川に押し倒された女性は、性的暴行を受けたとして大阪府警に被害届を提出、受理されている。
*
「日本維新の会」の馬場伸幸
セクハラや性加害は、維新の一丁目一番地である。詳細は番組で述べたが、阿川佐和子に向かって「阿川さん、僕は一回で妊娠させる自信ありますよ!」と言ったり、女子中学生を「ただでは済まさない」と脅したり、女子高生3人にチンポを見せて逮捕されたり、国後島で「女を買いたい」と騒ぎ出したり……。変な政党はいろいろあるが、維新の根幹にあるのは、女性差別、女性蔑視であり、昭和のキーセン観光、アジアに女を買いに行くようなオッサンの古臭いメンタリティーである。メディアがジャニーズの問題について真摯に反省するというなら、現在進行中の維新の会による性加害問題をきちんと検証すべきだ。
百田尚樹
■ジャニーズタブーと作家タブー
喜多川が増長した理由はテレビメディアが「ジャニーズタブー」を恐れてきたからだろう。喜多川を批判すればジャニーズ事務所と仕事ができなくなると。それと同じように出版界には「作家タブー」が存在する。売れている作家を抱えている出版社では、そこが出している雑誌や本などでその作家を批判することはできないことがある。具体的に言えば、私は自著や記事で百田尚樹を批判すると、その部分は削除してほしいと編集者から依頼が来たりする。
*
百田の言葉は絶望的に軽い。日本保守党なる新党をたちあげたそうだが、保守の対極にある安倍晋三を礼讃していた時点で、保守思想を理解しているとは思えない。ネットでも指摘されていたが、「私はリベラルでも保守でもないわ」「言うとくが、私は自ら保守と名乗ったことはない」「敢えて言えば保守でもない」などと繰り返しておきながら、それを指摘されると、「いつ保守じゃないと言った?」とキレる。こういう変なエセ保守みたいなものが定期的に湧いてくるのは、わが国においては近代の構造がほとんど理解されていないからである。だから近代理念を警戒する姿勢としての保守もまたほとんど理解されていない。福沢諭吉は「保守の文字は復古の義に解すべからず」とも言ったが、保守と復古の区別もついていないチンパンジーが集まっているのが、自称保守向けのカルト月刊誌である。
*
百田による“事故本”『日本国紀』は、わが国の歴史を歪め、泥を塗ってきた。事実誤認や無断引用の嵐。織田信長は「一向一揆鎮圧の際も女性や子供を含む2万人を皆殺しにしている。これは日本の歴史上かつてない大虐殺である」と述べる一方で、「日本の歴史には、大虐殺もなければ宗教による悲惨な争いもない」。フランシスコ・ザビエルとルイス・フロイスを間違えていた件に関しては「どっちにしても外人や」。この類のエセ保守、ビジウヨの最大の特徴は日本語、および日本を心底バカにしているところにある。
*
百田は「僕の若い頃、ビジネスホテルには100円入れるとエロビデオが見れる機械があった。その100円を入れる穴に針金を突っ込んで上手く操作すると、タダで見れた。だから出張に行くときは針金は必需品だった」とツイートしていたが、社会のルールを守ることができない人間は、政治に関わるべきではない。
*
今回、ジャニー喜多川の悪事が追及されるようになったのは、イギリスの公共放送「BBC」が邦題「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」と題するドキュメンタリーを放送したからである。つまり、国内に自浄作用はない。一番の問題は、目の前にある腐った現実を直視せず、メディアがつくりあげた生温かい世界の中で暮らしている人たちなのかもしれない。福沢諭吉は「国の貧弱は必ずしも政体のいたすところにあらず。その罪、多くは国民の不徳にあり」とも言った。
文:適菜収
適菜 収 てきな おさむ
1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、清水忠史との共著『日本共産党政権奪取の条件』(KKベストセラーズ)など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。https://foomii.com/00171
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK292掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK292掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。