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岸田首相は“解散ヤルヤル詐欺”で自縄自縛…ついに出た「年内解散できなきゃ退陣」シナリオ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330214
2023/10/06 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
一寸先は闇(岸田首相)/(C)JMPA
永田町の「解散風」が吹きやまない。臨時国会が今月20日に召集されることになり「冒頭解散」はほぼなくなったが、総合経済対策を打ち出し、補正予算案成立後の「年内解散」の観測がくすぶる。だが、この支持率低迷で岸田首相は衆議院の解散を決断できるのかどうか。「解散ヤルヤル詐欺」の“愉快犯”が過ぎて、「年内に解散できなければ退陣」のシナリオまで出てきた。
◇ ◇ ◇
「解散権の威力はすさまじい」
今年6月の通常国会会期末に岸田首相は周囲にこうもらしたと、読売新聞が報じていた。
当時、岸田派幹部が「(内閣)不信任案が出たら、首相の性格からすると受けて立つ可能性もかなり高い」と発言するなど、岸田首相は国会最終盤まで解散をにおわせたため、自民党内は若手からベテランまでもが選挙準備に動き出し、選挙事務所の契約寸前に。岸田首相が慌ててストップをかけた経緯がある。
その成功体験で、岸田首相は今回も自ら解散風を煽っている。内閣改造後も臨時国会の召集日をなかなか決めなかった。10月中に経済対策をまとめるとしながら、その裏付けとなる補正予算案の提出については曖昧にして、先月29日まで言わなかった。さすがに、自民党内からも不満が噴出している。
「岸田首相は解散風を政権の求心力維持に使っている。この先も同じように使うつもりだろうが、やり過ぎると裏目に出て遠心力が働きかねない。自民党の情勢調査は『現状維持』だったというし、解散するなら年内しかない。岸田内閣の支持率に上がり目はないから、来年になったら、解散なんて打てなくなる。総裁再選はおろか、内閣総辞職で退陣に追い込まれるんじゃないか」(自民党ベテラン議員)
「現状維持」とされる自民党の情勢調査だが、いくつもの数字が飛び交い現有(261議席)から「3減」「10減」「30減」「41減」まである。単独過半数(233議席)を割り込む「30減」や最悪ケースの「41減」なら、選挙後の岸田退陣は必至だ。
官邸の執務室に引きこもり
岸田首相は解散を逡巡しているのか、「最近の総理は、官邸の執務室に引きこもって誰にも会わない」と官邸官僚がこぼしているらしい。
「解散カード」がいつまでも使えると思っていたら、景色が一変していた──。そんなところだろう。これだけ解散風を煽って、年内に解散しなければ、ジリ貧の岸田首相に用はない。自民党内は一気に岸田おろしに舵を切る。
「森山総務会長が講演で『税に関することは国民の審判を仰がなければならない』と発言したのは、年内解散に追い込むためなのか。二階元幹事長や菅前首相と組んで、岸田おろしを画策しようとしているんじゃないか」(自民党中堅)なんて臆測も出ている。
やり過ぎて自縄自縛。一寸先は闇だ。
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