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神宮外苑の樹木伐採計画に対する「3.5%の反対運動」を大手企業も見過ごすことはできない 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330142
2023/10/05 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
東京・神宮外苑周辺(C)共同通信社
英国で「シカモア・ギャップの木」と呼ばれていた一本の木が切られた。樹齢は数百年だった。
9月28日に突然、伐採され、16歳の少年が容疑者として警察に逮捕された。この事件を英メディアが報ずるのは当然として、米国のニューヨーク・タイムズ紙も「英国で愛された木が『破壊行為』で伐採される」と報じ、さらに欧州の「EURONEWS」や米テレビ局のCBS、ABCでも報じられた。
この木は映画「ロビン・フッド」に登場。「ロビン・フッドの木」としても親しまれた著名な木だったが、なぜ、これほど大きな反響を呼んだのかといえば、人々に愛されてきた木を伐採するのは「野蛮な行為」だからである。
ところが、今、日本では違うことが進行しつつある。東京・神宮外苑にある樹木の伐採問題のことだ。低木も含めて伐採が予定されている木の数は1本ではない。外苑のある新宿区内だけでおよそ3000本、高さ3メートル以上の743本の木が伐採対象となっている。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関イコモスの責任者はこの伐採計画について、「公園の土地を、再開発事業に回すという事例は知らない」「新たに植林をしても、100年かけて作られた現在の成熟した森とは同じものにはならない」と述べていた。おそらく、伐採を計画した日本の関係者は「野蛮な行為」だとの認識がないのだろう。
伐採計画は着々と進んでいるものの、その一方で、伐採反対の運動も盛り上がってきた。米国人のロッシェル・カップ氏は署名活動や行政訴訟を行い、最も活発に活動している一人である。音楽家の故・坂本龍一氏も「神宮外苑開発は中断を」と訴え、新しいうねりを生み出した。
こうした動きを受け、再開発の事業者である三井不動産は、樹木の伐採開始を2024年1月以降に延期する考えを明らかにした。
東洋経済誌はこの伐採問題に触れた記事の中で、「人口の3.5%を動員して成功しなかった運動はない」という、ハーバード大のエリカ・チェノウェス氏らの理論を紹介していた。たとえ大手企業であっても、「3.5%の反対運動」は見過ごすことはできないのである。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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