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お得意の人事に溺れ、国民の支持失った3代目政治家の愚か 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/329657
2023/09/26 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
やっぱり大規模緩和の現状維持、インフレ解消遠のくばかり…(日銀の植田和男総裁)/(C)共同通信社
岸田首相は13日に内閣支持率低迷を克服するために内閣改造・党役員人事を行った。しかし結果は無残で、支持率はほとんど上がらなかった。
「人事好き」を公言する岸田首相は自らが今後の政局を優位に立ち回るための人事を優先した。来秋の総裁選での無風再選を狙い、ライバルを閣内や党役員に取り込んで、潰しにかかったのだ。
最大のライバルと目された茂木幹事長は続投だ。彼は「異次元の少子化対策」の財源を巡って「歳出削減」「保険料収入の活用」などとあれこれ主張していたが結局、確たる財源は見つからなかった。岸田首相はそんな無責任な人物をクビにせず、自己保身のために要職に残したのだった。
総務省の行政文書や放送法解釈変更問題でミソをつけた高市経済安保担当相の留任の狙いも見え透いている。イメージが悪いまま閣内にとどめ置けば、「ポスト岸田」の目はなくなるとの算段だろう。
マイナ保険証問題で国民の不評を買い、どう見ても失敗を続けている河野デジタル担当相も留任である。閣内に取り込み、延々と失敗の責任を河野大臣になすりつける腹積もりだ。これも、ライバル潰しに他ならない。
他方で、首相に次ぐ岸田派内の有力者・林芳正衆院議員は外相から外した。これは、党内最大派閥の安倍派への“気遣い”だろう。安倍元首相亡き後の地元選挙区では林議員は、安倍派と対立。中国との接点があるとされる林議員に嫌悪感を抱く安倍派の顔色をうかがい、閣外に放り出したということだろう。
肝心の政策はボロボロ
ライバル潰し、派閥均衡を優先した結果、肝心の政策はボロボロだ。
少子化対策の財源は今なお不透明なまま。安倍派の意向に従い大規模補正予算を組んでエネルギー補助金を積み増そうにも、倍増を決めた防衛費の財源捻出とバッティングして十分なケアはできない。
おまけに、大規模補正予算を組むために赤字国債を発行すれば、日銀は国債買い支えのために金融緩和を続けざるを得なくなる。実際に、22日に1ドル=148円まで円安が進行し、生鮮食品を除く消費者物価指数が3.1%に高止まりする中、日銀は金融緩和継続を決めた。このままでは円安は止まらず、インフレ解消は遠のくばかりだ。
この体たらくで支持率を回復させることができると思ったのだろうか。結局、岸田首相は“お得意”の人事に溺れて、肝心要の政策転換のチャンスをフイにしたということだ。自らの地位を守ろうとした結果、国民の支持を得る機会を失ってしまったのだ。
愚かな3代目政治家らしい振る舞いだと言わざるを得ない。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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