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自民人事で岸田首相の狡猾な本性ムキ出し “金庫番”は二階派から、幹事長代理1増で安倍派撹乱
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/329531
2023/09/23 日刊ゲンダイ
茂木幹事長と麻生副総裁をけん引してニンマリ（Ｃ）日刊ゲンダイ
首相になってやりたいことを「人事」と答えた岸田首相。就任2年、いよいよ狡猾な本性が剥き出しになってきた。
幹事長ら党7役などに続き、その他の自民党役員が22日の総務会で決定したのだが、「いろんな地雷が埋まっている。岸田さん、本当に人事が好きなんだな」と、自民党関係者が言う。
一番の注目は、党の資金を管理する「金庫番」の経理局長に二階派幹部の林幹雄元経産相を就けたことだ。これまで経理局長は幹事長と同じ茂木派から起用されていた。
「麻生副総裁−茂木幹事長ラインへの牽制でしょう。非主流派の二階派や菅前総理のラインも取り込むという党内向けメッセージになる。岸田総理は既に、二階−菅ラインに近い森山さんを総務会長にして取り込んでいますしね。総主流派体制を目指して政権基盤を盤石にする狙いもあるだろう。党のカネは幹事長が差配することになっているが、金庫を他派閥に握られるわけだから、茂木さんは苦虫を噛み潰したような顔になっているんじゃないか」（前出の自民党関係者）
岸田は小渕優子選対委員長の起用で、「ポスト岸田」に意欲を見せる茂木を封じる人事を行ったばかりだが、茂木にさらにもう一撃加えた形だ。
高市経済安保相への牽制も
岸田の最側近の木原誠二前官房副長官が、幹事長代理と政調会長特別補佐を兼務する異例の人事も、茂木と萩生田政調会長への牽制らしい。
「幹事長と政調会長の周辺情報が、すべて総理の耳に入ることになる。木原さんは言わば、『タレコミ係』『監視役』みたいなものです」（前出の自民党関係者）
いわゆる「5人衆」が牛耳っている安倍派の攪乱を狙ったとみられる人事もあった。幹事長代理のポストをこれまでよりひとつ増やして、安倍派の稲田朋美元防衛相を起用したのだ。筆頭副幹事長には安倍派の福田達夫元総務会長が就いた。
岸田は、最大派閥の安倍派に政権を支えてもらうため、バランスを考慮して5人衆全員を要職に留任させたが、それだけで満足していなかった。
「稲田さんは女性総理を目指している。福田さんは将来の派閥会長候補。岸田総理は、この2人を引き上げることで安倍派内をかき回そうとしているのだろう。稲田さんの登用は、総裁選出馬を諦めていない高市経済安保相への牽制にもなります」（安倍派関係者）
岸田は国連総会出席のためのニューヨーク外遊中も、外交そっちのけで人事に頭をめぐらしていたんじゃないか。権力亡者の高笑いが聞こえる。
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