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※紙面抜粋
※2023年9月22日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
加藤大臣(左)は就任早々炸裂、岸田首相は円安物価高にひたすら傍観(C)日刊ゲンダイ
「来週前半には経済対策の柱立てを指示する」
岸田首相が国連総会出席のために訪問していた米ニューヨークで、そうブチ上げた。10月中にも取りまとめ、財源を裏付ける補正予算案については「適切な時期に国会提出する」と発言。その規模を巡り、自民党内では「少なくとも15兆円、できれば20兆円」(世耕参院幹事長)などと景気のいい話が飛び交っているが、気になるのは岸田の現状認識である。
「日本経済が積極的に投資拡大を行う攻めの姿勢に変わりつつある」との見解を示し、10月には海外の投資家を日本に招き、「ジャパンウイーク」と称して政府の取り組みをアピールするという。
耳を疑うセリフだ。終わりなき物価高にあえぎ、「攻めの姿勢」どころか、「生活防衛」に走る庶民の暮らしなど、岸田の眼中にはないのだろう。この夏、連日の猛暑に高止まりの光熱費を気にして、エアコン使用を我慢した人々が、どれだけいることか。寝言は寝てから言って欲しい。
この間、円安がズンズン進み、20日はついに1ドル=148円台に突入。約10カ月ぶりの安値水準となった。ただでさえ高騰している輸入物価をさらに押し上げ、物価高に一層、拍車がかかりかねない。
岸田は円安物価高に押し潰される庶民の暮らしを尻目に、ひたすら傍観。8月には「さまざまな物価の状況も見ながら、経済対策を9月に考えたい」とか言っていたクセに、その「柱立て」をまとめるのは、10月にズレ込むわけだ。そこから補正を組めば、どんなに急いでも成立は11月になってしまう。
岸田は補正を審議する肝心の臨時国会の日程も明らかにしていない。召集は早くても10月16日ごろとみられるが、外遊の合間を縫って内閣改造・党役員人事を急いだわりには、ずいぶんとノンビリしたものである。
そういぶかしんでいたら、新大臣のスキャンダルが次から次へと出るわ出るわ。「政治とカネ」の問題は「ドリル優子」こと、小渕選対委員長だけではなかった。
政治資金を還流し一族の資産を形成
まずは加藤鮎子こども政策相だ。衆院当選3回、副大臣の経験もなく、44歳の若さで抜擢。岸田の目玉政策「次元の異なる少子化対策」を担う大役を託されたが、就任早々、醜聞炸裂だ。日刊ゲンダイの調べで不透明な政治資金の使い方が発覚した。
代表を務める資金管理団体が家賃名目で月額15万円の政治資金を実母に還流。その額は2021年までの5年間で計900万円に上る。事務所家賃を通じて政治資金を親族に還流する手口は、昨秋の臨時国会で辞任ドミノに追い込まれた寺田稔元総務相、秋葉賢也元復興相と全く一緒だ。
日刊ゲンダイは実母に払われた家賃に関し、地元不動産関係者から「周辺相場は6万〜9万円」「10万円を大幅に超える物件はそんなにない」との証言を得た。つまり、相場との差額が過分に実母の懐に入っている疑いもある。
この指摘に加藤は19日の会見で「市のメインストリートに近く、専有面積も390平方メートルと非常に広い物件だ」と説明。賃料が相場に照らして適正かどうかについては「資料をそろえようとしている」とし、「あらぬ誤解を受けないよう適切に対処していきたい」と言ってみせた。
しかし、物件自体がいわくつきだ。06年に父・紘一元幹事長の地元事務所が、右翼団体の男に放火され、全焼する事件が発生。その後、寄付を募って建てたのが問題の物件で、紘一氏の死後、加藤の実母が相続した。タダ同然で建てた物件に家賃名目で政治資金を流しているのだから、それこそ一族の資産形成、ファミリービジネスではないのか。
政治とカネ、旧統一教会、ウルトラ右翼…
加藤とは対照的に当選8回、71歳にして、ようやく初入閣を果たした土屋品子復興相には、今週発売の週刊新潮がロックオン。やはり「政治とカネ」の問題が浮上した。
新潮の記事によると、土屋の資金管理団体は11〜13年に、事務所所在地である埼玉・春日部市から離れた都内の不動産会社に家賃を支出。土屋は華道小笠原流の家元で、当時はフラワーアレンジメントの教室を都内で主宰していた。その家賃をあろうことか、政治資金で賄っていた疑いがある。典型的な公私混同だ。
さらに新潮は、土屋の公設第1秘書のベテラン女性が土屋の実家に住み込みで働いており、料理や掃除、高齢の実母の身の回りの世話までこなす「お手伝いさん」と指摘。彼女は土屋家の公私にわたるカネを管理する金庫番だというが、普段の仕事は家政婦同然だ。税金で給与が支給される公設秘書として、どれほどの勤務実態があるのか。血税を納める国民に説明すべきである。
「政治とカネの問題」を抱える新大臣は他にもいる。地方創生や万博担当として初入閣した自見英子参院議員は、やはり週刊新潮に22年の参院選で選挙運動用の動画作成を依頼した企業へ支払った多額の報酬を巡る公選法違反疑惑を報じられた。
岸田は今回の人事で党4役に小渕を据え、過去最多タイ5人の女性閣僚を起用し「女性登用」をアピール。低迷する内閣支持率の回復を狙ったのに不発に終わり、よりによって女性の新閣僚に次々と醜聞噴出とは、完全に裏目に出た格好だ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「新閣僚のうち、鈴木淳司総務相、盛山正仁文科相、伊藤信太郎環境相、木原稔防衛相の4人は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との接点を認め、さらに副大臣・政務官は実に計26人も教団と関係があった。とりわけ、来月にも教団に対する解散命令請求が検討される中、宗教法人を所管する文科省のトップに教団と接点のあった盛山氏を就けるのは常識外れです。これだけ相当に荒っぽい人事は岸田首相が国民をナメている証拠に他なりません」
追及は週刊誌ネタの域を出ないと高をくくり
今回の内閣改造で、岸田は来秋の党総裁選での再選戦略を最優先。保身と自己都合の「内向き」の人事に終始し、新大臣の顔ぶれは派閥順送り、滞貨一掃組ばかり。派閥均衡を重んじるあまり、人選は言われるがままで、女性大臣にしても頭数を揃えるのに汲々とし、ロクに身体検査もせずに入閣させたに違いない。
国民生活そっちのけで、臨時国会をなかなか開こうとしないのも、醜聞続出の新大臣に国会答弁対策をやらせるための時間稼ぎとすら思えてくる。
「岸田首相が保身に走るなら、もっとマトモな議員を閣僚に就けた方が、よっぽど総裁再選対策になるはず。そうしなかったのは野党の国会追及なんて、しょせん週刊誌ネタの域を出ないと高をくくり、たとえ大臣が辞任に追い込まれても『責任の所在は私にある』と言っておけば済まされるとでも思っているのでしょう。つくづく、国民生活は二の次で身勝手な首相です」(角谷浩一氏=前出)
これだけナメきった政権相手に野党は何もしないのか。臨時国会の召集を声高に求め、今から新大臣のスキャンダル追及に全力を注ぐべきである。政治評論家の本澤二郎氏はこう言った。
「岸田首相は国民生活など歯牙にもかけず、円安物価高を後押しする異次元緩和策を止めようとしない。そもそも、閣僚に女性を並べれば支持が集まると考えた時点で、国民を軽んじています。他にもウルトラ右翼の木原氏の防衛相起用など、ツッコミどころ満載の人事は野党にすれば絶好のチャンス。どの新大臣も答弁能力を不安視されており、国会で立ち往生するのは目に見えています。野党は何としても辞任ドミノに追い込み、フザケた政権を窮地に立たせなければいけません」
岸田が政権を維持する限り、国民は苦しめられっぱなし。国民生活を良くするには、岸田の退陣以外に道はない。
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