http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/786.html
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https://www.bbc.com/japanese/66862636
あのBBCも権力に阿る点では、日本のメディアと大差は無かったということなのか。
そんな残念な記事を取り上げる。
BBC NEWSの記者は、権力に阿ることなく、日本では埋もれてしまっていたジャニー喜多川の性犯罪を掘り起こし、「噂」を「事実」として白日の下に晒した。
そのことで、見て見ぬふりをされ、泣き寝入りを余儀なくされていた被害者の救済に、わずかながらも希望の光が差しつつある。
今後、さらなる事実が明かされ、被害者の数も想像を絶するものになるのだろう。
被害者のプライバシーを保護しつつ、全ての被害者が平等に救済され、それぞれの社会復帰が叶うよう、メディアの支援も必要だ。
同時に、ジャニーズ事務所の関係者、タレント、そしてテレビ局他のメディアを含めて、これまで「見て見ぬふり」をし、自らの保身に走った者については、その不作為は加害にも等しく、相応の社会的制裁を受けてもらわねばならないだろう。
そのことが、忌まわしい犯罪の再発防止にも繋がっていく。
それが、60年もの間、権力を振りかざし、犯罪を重ねた男の忌わしい行為を見て見ぬふりをし、被害者を増やしてしまったメディア、そして関係者の、せめてもの罪滅ぼしではないか。
今後「見て見ぬふり」の卑怯から決別しようとすれば、当然、他の事務所の「少年たち」のみならず、「少女たち」が、同様に被害に会い、食い物にされていないか、「噂」レベルで埋没している事案を掘り起こし、救い出す行動が伴ってくるに違いない。
真のジャーナリズムの力を見せられた思いだった。
しかし、それは勘違いだったかもしれない。
その同じBBC NEWS の記事とは思えない記事を目にした。
以下に記事の抜粋を記す。
中国の税関当局は18日、8月に日本から輸入した水産物の総額が前年同月比67.6%減の1億4902万元(約30億2000万円)だったと発表した。日本は先月24日に、東京電力福島第一原発にたまる処理水を太平洋に放出する作業を開始し、中国はこれに反発している。・・・
・・・アジア最大の経済大国である中国は昨年、日本から総額約844億円の水産物を輸入していた。
・・・中国への輸出は急激に落ち込んだ。
福島第一原発では2011年3月の東日本大震災以降、原子炉の冷却に使用された134万立方メートルの水が処理され、ためられてきた。これまでに1000基以上のタンクが満杯になっていた。
日本は先月24日に海洋放出を始めた。放出完了には、30年程度という長い年月がかかると見込まれている。中国は同日午後、日本の水産物の輸入を全面的に禁止すると発表した。
当時、日本とその周辺地域の漁業団体も、海洋放出による生活への影響について懸念を表明していた。
処理水の安全性は
日本は処理水は安全だとしており、多くの科学者もこれに同意している。国際原子力機関(IAEA)は2年にわたる評価の末、処理水の放出が人や環境に与える影響は「無視できる程度」だとして放出計画を承認している。
東電は福島原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)でろ過し、トリチウムと炭素14以外のほとんどの放射性物質を、許容できる安全基準まで減らしている。
日本政府は、中国やフランスの原発からも同様の廃水放出が行われていると強調している。
東電は放出開始から約1カ月は毎日10カ所で海水を採取し、翌日に分析結果を公表する方針。さらにその後も、分析を続けていく方針という。
これまでの報告では、福島原発周辺の海水からは、検出可能な濃度の放射性物質は確認されていないことが示されている。
投石やいたずら電話
中国はこの放出に強く抗議している。こうした中、青島市の日本人学校に石が投げつけられる出来事があった。放出をめぐる偽情報も出回っている。・・・
・・・東電は、処理水放出により風評被害が発生した場合、「統計データなどを活用して、対象地域における風評被害の有無を確認し、適切に賠償」するとしている。
日本政府は、岸田首相が福島県産の刺身を食べて、「おいしい」と言う動画を公開し、安全性を示そうとしている。小泉進次郎元環境相は南相馬市の海岸を訪れ、サーフィンをして福島の海は安全だとアピールした。
エコノミストたちは、日本から中国への輸出は自動車と機械が中心だと指摘。水産物の輸出の落ち込みが日本経済全体に大きな影響を与える可能性は低いとしている。
記事の抜粋は以上。
一読して感じることは、「政府の投げ込み記事」ではないかとの疑念だ。
記事の内容に独自取材の印象は無く、一つ一つ「裏取り」している気配も感じない。
際立つのは「・・・中国はこれに反発している。」等に見られる言葉使いのいやらしさ。
「反発」とは・・・反抗してうけつけないこと。
直感的に、虚勢を張る者の「上から目線」を感じるのは私だけではないだろう。
まさに政府の「広報紙」を読むがごとし。
なぜそう感じるのか。
「処理水の安全性は」の節から2〜3指摘しておきたい。
最初に「処理水」との表現。
いかにも、日本政府「ヨイショ」の臭いがする。
イギリスのBBC本社ではどう表現しているのだろうか。
「treated water(処理水)」か、「contaminated water(汚染水)」または「radioactive water(放射性廃水)」か、「treated contaminated water(処理済みの汚染水)」か、あるいは「treated radioactive wastewater(処理済みの放射性廃水)」か。
それとも、「処理水」と表現しなければ報道すら出来ない国になっているのか。
大臣でなくても、総理大臣から「謝罪と撤回」を強要されるのか。
韓国では、政府を含めて今でも「汚染水」というのが正式呼称だ。・・・そうだ。
そうだ・・・、韓国政府には「謝罪と撤回」を強く申し入れたのだろうか、
次に、
「日本は処理水は安全だとしており、多くの科学者もこれに同意している。」
と書かれている。
安全だという「科学的根拠」は示されていない。
「多くの科学者」以上の多くの科学者が、「海洋が放射性物質で汚染された」ことによる、将来にわたっての、人体への影響、生物への影響、環境への影響に懸念を表明している。
この「汚染水」の海洋放出をいつまで続けなければならないのか、誰にも分っていない。
記事では、「・・・30年程度という長い年月がかかると見込まれている。」と書いているが、「燃料デブリの取り出し」に全く見通しが立たない今、「30年程度という見通し」を信じる者はいない。
終りが見通せない以上、「汚染水の海洋放出」で、海洋に投棄される放射性物質の「総量」も想定できない。
放射性物質の「総量」を無視しては、将来にわたっての、人体への影響、生物への影響、環境への影響を科学的に検証も論証も出来ない。
そこに議論の余地は無い。
つまりは、「日本は処理水は安全だとしており、多くの科学者もこれに同意している。」
と、「安全」と断言するのは、科学的根拠のない「嘘」であり、科学者が同意しているというのも「嘘」か、そんな人がいるとしたら、その人たちは「似非科学者」ということになる。
新華社通信は、
国連人権理事会は19日、「有害物質および廃棄物の環境面での適切な管理と廃棄の人権への影響」に関する特別報告者との対話会合を開催した。・・・
・・・人権理事会の特別報告者は、放射線量が低い放射能汚染水であっても、大量に海洋放出された後は生態系に予測不能な結果をもたらすことが研究で示されていると強調。」
したと、報じている。
海洋に投棄される放射性物質の「総量」が見通せない今、「人体への影響、生物への影響、環境への影響に懸念を表明する」のが、科学的な姿勢といえる。
そして、
「国際原子力機関(IAEA)は2年にわたる評価の末、処理水の放出が人や環境に与える影響は「無視できる程度」だとして放出計画を承認している。」
と書くに至っては、ジャーナリストが書く記事とは思えない。
IAEAの包括報告書には、
海洋放出の方針を「推奨するものでも承認するものでもない」
と明記している。
もう面倒くさくなってきた。
最後にしよう。
「東電は福島原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)でろ過し、トリチウムと炭素14以外のほとんどの放射性物質を、許容できる安全基準まで減らしている。」
とも書いているが、BBC としては「裏どり」は出来ていないだろう。
IAEAですら、多核種除去設備(ALPS)の性能を一度たりとも検証していないと公言している。
東電が言っているのか。政府が言っているのか。
政府ですら、最近は「許容できる安全基準以下になるまで、処理を繰り返す」としか言わなくなった。
処理を繰り返せば、基準値以下になるかどうかすら、我々はもちろんIAEAですら分からない。
BBC が独自取材をもとに書いた記事でないことを願う。
こんな記事を繰り返すことがあれば、それはジャーナリストの自殺行為に等しい。
そして、日本政府が、隣国、あるいは利害関係国の反対を尻目に、「汚染水の海洋放出」という蛮行を強行することは、日本人ばかりではなく、人類の自殺行為に等しいといえよう。
「汚染水の海洋放出、絶対反対!」
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