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市長選に候補擁立した維新の“京都汚染”…このままでは無名寺院はデジタル化、ビル乱立 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/328459
2023/09/01 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
何を言い出し始めるかわからない(日本維新の会の吉村洋文共同代表)/(C)日刊ゲンダイ
日本維新の会の吉村洋文は、京都市長の門川大作が来年2月の市長選に出馬せず、今期で退任すると報じられていることについて「維新の京都市長候補は必ず立てることになると思う」と発言。
これほど恐ろしいことはない。連中がやっていることは破壊を伴う大衆運動の一種であるからだ。
維新の創設者である橋下徹は、文楽や能、狂言など伝統文化に対する憎しみを、隠しもしない人物だった。橋下は「なぜ人間国宝の公演でも客席が3割程度しか埋まらないのか。文楽の世界は身分保障の公務員の世界となっている」「世間とかけ離れた価値観、意識のもとに伝統に胡坐をかいてきたその結果が今の姿となった」とツイート、「文楽協会」への補助金を削減した。
また、「こういうロジックも成り立つんです。なぜストリップに助成金はダメなのか。自称インテリや役所は文楽やクラシックだけを最上のものとする。これは価値観の違いだけ。ストリップも芸術ですよ」とツイートし、大阪センチュリー交響楽団(現・日本センチュリー交響楽団)への補助金を廃止した。
松井一郎はタウンミーティングで「宮内庁がどう言うかはあるけどイルミネーションで飾ってみよう、中を見学できるようにしようといろんなアイデアを出して初めて指定される」と仁徳天皇陵を電飾で飾ると発言。歴史や文化に対する敬意のかけらもないチンピラ集団の手に京都が落ちたらどうなるのか。
8月18日、大阪府所蔵の美術作品105点が咲洲庁舎の地下駐車場に置かれている問題で、府は専門家らでつくる「アート作品活用・保全検討チーム」の初会合を開いた。吉村は会議の冒頭で「今月中に地下駐車場の作品の移転に着手する」と表明。
チームに参加した府特別顧問の上山信一は「作品をどこまで持ち続けていけばいいのかという根本的な問題が出てくると思う」と述べ、売却なども含め検討することを提案。また、「デジタルで見られる状況にしておけば、(立体作品の)物理的な部品は処分してもいいというのはありえると思う」とも発言。当然、反対意見も出たが、これが維新の本質である。
維新が京都を汚染するようになったら、インバウンド狙いの観光寺院だけ優遇して、無名の寺院はデジタル化して更地にし、景観を守るための規制も撤廃してビルを建てるなどと言い出しかねない。
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中
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