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自民党右派に「フランスの少子化対策」の苦闘を学ぶ気はあったのか 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/328330
2023/08/30 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
重いテーマを持ってパリに視察に行ったはずなのに…(松川るい議員のSNSから=現在は削除)
自民党女性局長の松川るい参院議員が「フランスの少子化対策」を学ぶという大変に重いテーマを持ってパリに視察に行ったはずなのに、その問題で何を学んだかを発信する以前に、エッフェル塔の麓で観光を楽しんでいるおチャラケ写真をSNSで公開して批判にさらされ、同局長の座を投げ出すことになった。
これがどうして「大変に重いテーマ」なのか。日本と同じく出生率の低下に苦しんでいた同国がその流れを反転させ、合計特殊出生率を2.02(米CIAによる2023年推計値、世銀の20年推計では1.8)まで持ち上げることに成功したのは、子育てへの手厚い経済的支援策の対象に、婚外子を抱えるひとり親をも加えることにしたことによる効果が大きいといわれているからである。
その背景には、そもそも「家族」観念の多様化に従って、@市役所に届けを出す法律上の結婚A入籍をせずともほぼ同等の権利を得られるパートナーシップ契約婚Bそれもせずに単に同棲するだけだが、それでも家族手当を受けられる内縁婚──の3種類が制度化され、しかもそのそれぞれで異性同士でも同性同士でも構わないことにした。その延長上で、いかなる事情によるかを問わず、ひとり親で子育てをしている場合も家族として同等の子育て支援を受けられるようになった。
もちろんフランスでは、19年に生まれた子どもの61%が婚外子であるから、それを含めて全ての子どもを社会全体の“宝”として大事に育てていかざるを得ない。逆にいえば、婚外子でもいっこうに構わないからどんどん子どもを産んでくれという仕組みにしたからこそ、人口減に歯止めがかかった。
翻って日本は、婚外子の比率は桁違いの2.4%(20年)で、出生率も1.39(CIA推計、世銀では1.3)の低迷から脱することができない。その根本的な原因は、自民党内の安倍派を中心とする右翼反動勢力が戦前までの家父長制的な「イエ制度」を何とか存続させようとして、夫婦別姓や同性婚に反対し、LGBT法案を妨害し、婚外子差別廃止を遅らせようとしてきたことにある。
その安倍派に属する松川に、フランスの少子化対策の苦闘を真面目に学ぶつもりなど毛頭なかったことが、あの一枚の写真に映し出されていたのである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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