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マイナ総点検は政府のアリバイ作り 河野デジタル相が企む「国民に丸投げ自己責任」の姑息
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327206
2023/08/08 日刊ゲンダイ
集中企画・マイナ狂騒(32)
逃げの答弁ひっきりなしに連発(河野太郎デジタル相)/(C)日刊ゲンダイ
政府は8日午後、マイナンバー情報総点検本部を開き、「マイナ総点検」の中間報告と再発防止策を公表。岸田首相はトラブルの原因を徹底究明し、対策を打ち出すことで国民の不安払拭を図るつもりだが、不発に終わる公算が大きい。待っているのは総点検の責任放棄と国民丸投げ。何でもカンでも自己責任だ。
◇ ◇ ◇
総点検は「マイナポータル」で閲覧できる健康保険証、年金、税など29項目が対象。自治体や健保組合などが本人確認やひも付けに誤りがないかをチェックし、11月をめどに完了させる予定だ。 しかし、これだけ手間をかけても、マイナトラブルの解決に有効なのかは極めて怪しい。マイナンバー問題に詳しい自治体情報政策研究所の黒田充代表は自身のSNSで〈そもそも何が正しく、何が間違っているかを本人以外の第三者が判断すること自体が困難なのです。ですから政府のいう総点検などあてになりません〉と指摘している。
今月5、6日に実施したJNN(TBS系)の世論調査によると、マイナ総点検で「トラブルは解決しない」と考える人は82%に上る。実に8割以上が総点検に期待していないのだ。
「河野デジタル相も総点検で問題がクリアできるとは考えていない節がある。狙いは国民に総点検を丸投げすること。そのためにまず政府が総点検を主導し、“アリバイ”をつくっている格好です」(霞が関関係者)
ちゃっかり“予防線”「カードで確認を」
「(国民、利用者が)自分で確認」とは責任放棄も甚だしい(岸田首相と河野デジタル相)/(C)共同通信社
実際、河野氏は既にその布石を打っている。7月の閉会中審査では“予防線”をいくつも張っていた。
「自らの情報の正確性に不安がある方は、むしろマイナカードを利用して確認していただきたい」(5日の衆院特別委)
「マイナポータルから、ひも付けの誤りがあるかどうかを本人が確認することもできる。そうしたことを丁寧に周知していきたい」(26日の参院特別委)
ひも付けられた情報に誤りがないかどうかの確認は利用者に丸投げ。大臣としての責任を放棄し、「どうぞ皆さんで総点検を」と言わんばかりである。情報漏れやなりすましなど有事が起きれば、点検を怠った利用者の自己責任ということか。
「本人がマイナポータルで誤情報を見つけた時点で、他人の情報が漏れていることになり、すでに事故。河野氏の答弁は『事故が起きたら気づいてね』と言っているようなもので、時すでに遅し。マイナンバー制度が未然に事故を防げない“ポンコツ”であることを政府が認めたに等しい」(「共通番号いらないネット」事務局の宮崎俊郎氏)
それでも河野氏は立ち止まるどころか、ポンコツシステムをゴリ押しするつもりだ。
「本来、こういう危険がある以上、マイナカードに運転免許証や母子手帳などの機能を持たせる『利用拡大』にブレーキをかけるべきです。ところが、河野大臣は逆にカードの普及を進め、誤情報の不安を煽るだけ煽る。たとえ、利用者がカードを自主返納したくても、ひも付けが解除されない以上、誤りを点検するには、マイナポータルで確認するしかない。そのためだけに結局、カードの保有を続けなければならないのです。やり方が汚いと言わざるを得ません」(宮崎俊郎氏)
総点検丸投げの自己責任を国民は受け入れるのか。
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