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※紙面抜粋
※2023年8月2日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
松川るい参院議員のSNSから(右のエッフェル塔ポーズはすでに削除)
釈明が居直りにしか見えず、ますます炎上している。
自民党女性局のメンバーが大挙してフランス研修に出かけていた騒動。総勢38人を率いた女性局長の松川るい参院議員(52)が、パリの観光名所エッフェル塔の前でおちゃらけポーズを決めた写真をX(旧ツイッター)にアップしたことで火がついた。
「税金で旅行か」「国民が増税や物価高で困窮しているのに」「38人で行く意味ありますか」などと、批判が殺到。この研修には松川と当選同期の今井絵理子参院議員(39)ら国会議員4人のほか、地方議員などが参加し、先月24日から3泊5日の日程で実施された。費用は1人20万円を自己負担し、残りは党費から支出するという。
火ダルマになっている松川は31日に火種となった写真を削除。【自民党女性局海外研修について】と題した長文をXで公開し、経緯をこう説明している。
〈今回のフランス研修は、少子化対策、政治における女性活躍、3歳からの幼児教育の義務教育化などについて、フランス教育省、少子化担当行政部門、有識者、上院議員、下院議員と意見交換を行い極めて有意義でした〉
〈こうした意見交換などの合間に、エッフェル塔に立ち寄って記念写真も撮りました。そのことが問題だとは思っておりません。ただ、エッフェル塔前の写真の1つは、真面目な研修に参加された皆様にまでご迷惑がかかるとしたら本位ではありませんので削除させて頂きました〉
写真撮影自体は問題ないし、記録として残す意義はあるだろう。今井は出発前に〈私は初のフランス〉とXに書き込んでいたし、初めての訪仏だったメンバーが少なくなかったのかもしれない。しかし、問われているのは、岸田自民党と世論との埋めがたいズレ。この期に及んでもそれを理解していないのだとしたら、度し難い。
「これで終わりに」と逆ギレ
アベノミクスが招く円安物価高で実質賃金は14カ月連続のマイナス。食品の値上げラッシュは止まらない。帝国データバンクによると、今月も1102品目が値上がり。エネルギー価格は高止まりし、電気代高騰に気を病んだ高齢者が熱中症で死亡するケースは後を絶たない。6月の有効求人倍率が2カ月連続で低下した背景には、長引くインフレによる生活苦で仕事を探す人が増えたことがある。
1億総苦境とも言っていい中、女性局の面々が観光気分でフランスまで飛んだようにしか見えないのだから、反発を招くのは当然だ。岸田首相の秘書官だった長男が欧州外遊に同行し、パリ市内の名所をめぐって物見遊山と批判されたのは記憶のかなただったのか。
1日、小渕優子組織運動本部長から「不適切な情報発信で誤解されることがないように」と注意を受けた松川は報道陣に対し、「軽率だったと反省している。ご迷惑をかけた皆さまに申し訳ない」と口にしたものの、38人の訪問団になったことの是非を問われると「理由はあるが、これ以上報道によって研修の意義に疑問を持たせることは本意ではないので、これで終わりにさせていただく」とイラ立ちを隠さなかった。自分の軽率な言動が発端なのに、問題視する世間に責任転嫁。バカにつける薬はないというが、そのバカが国民を代表する国会議員という悲喜劇をまざまざと見せつけられている。
元衆院議員で政治学者の横山北斗氏はこう言う。
「研修の目的が何であれ、大訪問団を組んで渡仏する必要性はありません。逆に担当省庁の幹部ら複数人を日本に招き、じっくりとヒアリングした方がよほど有意義です。私も旧民主党所属の衆院議員だった時代に海外研修を経験しましたが、実態はほぼ観光旅行。当時は松本剛明総務相が民主党に属していて、松本団長の下、中国を訪問し、北京や上海を巡りました。
中国側の案内で外国要人が利用するレストランに行き、〈ナンバーワン中華です〉なんていう触れ込みを聞きながら食事を重ねました。日中の議員交流は両国の友好につながりますが、政策立案に直結するかと言えば、必ずしもそうとは言えない。ましてや、国民が窮乏に追い込まれている今、あの手の写真をSNSで公開する自民党議員の神経を疑います」
元エリート外交官「エッフェル姉さん」の飛び火にドス
永田町や霞が関では美貌の才媛として知られる松川だが、ひょっとして地頭は悪いのか。関西屈指の名門中高一貫校として知られる四天王寺中高出身。東大法学部在学中に外務公務員T種試験に合格し、卒業後に外務省入り。米ジョージタウン大国際関係大学院で修士号を取得し、日中韓協力事務局次長などを歴任した。
第2次安倍政権が掲げた「女性が輝く世界」を推進するため、外務省が新設した女性参画推進室の初代室長に抜擢され、2年後の2016年に自民党から参院選(大阪選挙区)に出馬し、初当選。現在2期目だ。華麗な経歴に反し、舌禍はこれが初めてではない。
コロナ禍の入り口に立っていた20年3月の参院予算委員会。当時の安倍首相の鶴の一声で一斉休校に突入する一方、高齢者施設への対策が不十分だと立憲民主党の蓮舫議員が追及すると、松川は「高齢者は歩かない!」と耳を疑うヤジを飛ばし、物議を醸した。この時は「小中高生は通学したり、塾に通ったりするが、高齢者は移動の機会が少ないという意味で言った。誤解を与える表現だったと反省している」と釈明。施設暮らしの年寄りは黙って寝ていろ、と言わんばかりだったのだ。
騒動に一発でカタを付けられず、言い訳でまた炎上というバカ丸出し。「エッフェル姉さん」と揶揄される始末だ。外野まで騒々しい。
女性局の過去の組織図をリツイートしたタレントのラサール石井氏に対し、元女性局長の三原じゅん子参院議員は飛び火は勘弁とばかりに〈ラサールさん、この組織図は2019年のもの。誤った情報を広めないで頂けますか?〉とドスを利かせ、今井と事実婚状態とされる元神戸市議の橋本健氏も参戦。
今井を非難する書き込みに〈だから、血税使ってねーって〉〈まじで国会議員の歳費の使い道にまで文句言う奴とかどんな脳みそしてるんやろ。。。あ、不倫はしてません〉などと、いちいち反論。見苦しいこと、この上ない展開になっている。一枚の写真が岸田がブチ上げた“異次元”の少子化対策の正体を満天下に拡散し、岸田自民党のノックアウトを予感させる。あまりにも間が悪いからだ。
埋もれた「聞く耳」パフォーマンス
マイナンバーカードをめぐる相次ぐトラブルで、内閣支持率はつるべ落とし。焦る岸田は「聞く耳」の復活を宣言。先月下旬に全国行脚をスタートし、渾身のパフォーマンスで起死回生を狙っている最中だ。
全国で唯一、昨年の出生数が増加した鳥取県などを31日に訪問し、子育て支援施設「ミライトひえづ」を視察。6月に閣議決定した「子ども未来戦略方針」を説明し、「不退転の決意でスピード感を持ってしっかり取り組む」と大仰にアピールしたのだが、あの写真のインパクトにはかなわない。マンガみたいだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「欧州では7月から8月半ばは休暇シーズン。大半の人がパリを離れているタイミングに、女性局メンバーが大勢で押しかけるのは間が抜けています。フランスの少子化対策に大きく寄与しているPACS(民事連帯協約)について知見を深めた様子もない。性別に関係なく、成人2人が安定して共同生活を営むための契約で、税控除や社会保障で結婚に準じた権利が保障されたことで事実婚が広がり、婚外子が増えた。伝統的家族観を重視する自民党がそっくり受け入れるかは別として、実情を知ってこその研修でしょう。社会科見学の域を出ておらず、有権者をバカにしている」
一枚の写真が歴史を変えることになるかもしれない。
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