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谷防災担当相が“責任放棄”! 被災地の人手不足に「高校生ボランティア参加」呼びかけの仰天
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/326419
2023/07/24 日刊ゲンダイ
大臣として被災地現場で何を見てきたのか(佐賀県唐津市を視察する谷公一防災担当相=左手前)/(C)共同通信社
これで防災担当が務まるのか。豪雨の被災地を視察した谷公一防災担当相(71)が23日、NHK日曜討論に出演。九州北部や秋田県の惨状を目の当たりにし、リーダーシップを発揮するのかと思いきや、何とも頼りない。
谷氏は放送中、司会者から話を振られるたびに手元の原稿をゴソゴソ。「内水氾濫への対策」や「避難のあり方」などへのコメントを求められると、原稿にチラチラと目を落としながら説明していた。被災現場で一体何を見て聞いてきたのか、首をかしげたくなるシーンの連続だった。
特に驚きだったのは、「被災地の人手不足」について「どのように考えているか」を司会者から問われた一幕だ。
谷氏は「秋田市は東北市長会にも職員の派遣を依頼していると聞いております」と他人事のように説明した後、ボランティアの必要性に言及。次のように訴えた。
「平成16年の福井豪雨の時に、福井県立高校の生徒の皆さんがボランティアに参加されて、大変助かったという声、また、参加した高校生も『非常に勉強になった』『学校での勉強以上に勉強になった』という声も聞いています。できる限り多くの方が、可能であれば、またボランティアに参加していただければ大変ありがたいと思っております」
被災した家具の撤去や泥のかき出しなどに追われる被災地において、人手不足は以前から指摘されてきた問題だ。国がボランティアの善意に頼って対策を怠ってきたことこそが問題なのに、夏休みの高校生まで駆り出そうとは、防災担当トップとしていかがなものか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「まず国が『人手は確保します』と言うのが筋であって、最初から『ボランティアの皆さん、お願いします』では筋が通りません。ボランティアは自発性に委ねられるものであり、本来なら、国が努力しても足りない人手を補う活動であるはず。はなから国民の善意に頼むとは、災害・防災対策を担う公的機関としての意識が欠如していると思わざるを得ません。責任放棄のそしりは免れませんよ」
谷氏といえば、今年4月に岸田首相への爆発物投げ込み事件が発生した際、視察先の高知県で警察庁から連絡を受けた後も「うなぎ丼はしっかり食べた」と発言して大炎上した人物。うな丼への責任は果たすのに、被災地の復旧に責任感が欠けるようでは、ただの“うな丼担当大臣”だ。
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