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マイナ保険証登録は6500万件で足踏み…膨れ上がる余計なコストと地獄の事務作業
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/326334
2023/07/22 日刊ゲンダイ
集中企画・マイナ狂騒(23)
デジタルどころか天文学的事務作業が発生(左から松本、河野、加藤の3大臣)/(C)日刊ゲンダイ
マイナ保険証の登録件数が足踏み状態だ。デジタル庁の公表データによると、7月9日時点の登録件数は6490万件と人口の半分にとどまる。週当たりの平均登録数は、5月73万件、6月42万件、7月26万件と失速は明らかだ。
「9月末までは保険証の利用登録で7500円分のマイナポイントがもらえる。その期間中でこれだけ登録ペースが鈍化するのは、国民の不安、不信が大きいということ。今後、登録が増える材料は見当たりません。逆にカードの自主返納が増えており、最終的にマイナ保険証の登録は6500万件程度にとどまるとの見方が出ています」(霞が関関係者)
政府はマイナ保険証を持たない人には申請に基づき「資格確認書」を交付する。人口の半分にあたる6500万人に対し、毎年、発行するとどうなるのか。大変な作業とコストになるのは間違いない。
人口の半分に「資格確認書」を交付したら…
仮に一人一人に簡易書留(1件404円)で郵送すれば、毎年260億円のコストが発生する。マイナ保険証の所持者には送付費用はかからないが、「現行保険証」を全国民に交付する年間費用よりも大幅アップとなる。現行保険証は毎年、交付するわけではないからだ。
コストだけでなく、気が遠くなりそうなのが事務作業だ。開業医らでつくる埼玉県保険医協会の担当者は「もし、人口の半数近くに資格確認書を送付することになると、会社の他、自治体や健保組合は毎年どころか毎月、その作業に追われることになります」と警鐘を鳴らす。事務作業はこんな感じだ。
▼会社の総務はマイナ保険証未登録の従業員を見つけ出し、資格確認書を申請するように促す▼申請した従業員向けの資格確認書は健保組合に発行してもらう(毎年)▼確認書の期限は従業員によってまちまち。大きな会社なら、その作業が毎月発生する。
これまでは、入社時に健康保険証を一度配布すれば済んだ。資格確認書の発行は総務にとって大きな負荷となるのだ。こうした確認書交付の関連事務は会社だけでなく、健保組合や市町村にも作業がのしかかる。
「政府は当初、マイナ保険証の普及を前提に資格確認書の発行はごく一部と踏んでいたようです。しかし、マイナ保険証の普及が進まず、人口の半分に資格確認書を発行するとなると、現実的には無理な事務作業です。やはり、従来の健康保険証を存続させるしかないと思います」(前出の埼玉協会の担当者)
天文学的な事務作業が発生しそうなマイナ保険証──。一体、どこがデジタルなのか。
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