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※紙面抜粋
※2023年7月18日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
災害放置で笑顔で外遊(岸田首相)/(C)共同通信社
「下落」が当たり前でニュース性もなくなってきた。このところ、世論調査の結果が発表されるたびに内閣支持率が下がっているからだ。一体どこまで支持率が落ちるのか、そちらに関心が移りつつある。
朝日新聞が17日に報じた全国世論調査(15、16日実施)では、岸田内閣の支持率は前回6月調査から5ポイント下落して37%だった。下落は2カ月連続だ。不支持率は4ポイント上がって50%だった。
共同通信が14〜16日に実施した世論調査でも支持率は6月から続落。前回調査から6.5ポイント減の34.3%は、岸田内閣で最低を記録した昨年末の33.1%に近づきつつある。不支持率は7.0ポイント増の48.6%だった。
他社と比べて自民党政権の支持率が高く出る傾向にある産経新聞とFNNが15、16日に行った合同調査も、3カ月連続で支持率が下落。前回6月調査から4.8ポイント減って41.3%に落とした。不支持率は5.2ポイント上がって54.4%だった。
どの調査を見ても、不支持の方が上回っているのは、さもありなんという感想しかないが、驚くのは、個別の政策がことごとく評価されていないことだ。
例えば朝日の調査では、「マイナンバーをめぐる岸田内閣の対応」を「評価しない」が68%。「少子化対策への取り組み」も「評価しない」が65%。「物価が上がっていることに対する岸田首相の対応」を「評価しない」が77%。いずれも「評価しない」の回答が前回調査から増えている。
共同の調査でも、マイナンバー問題は政府の総点検では「解決しない」と答えた人が74.7%に上った。岸田首相がやることはことごとく的外れで、まったく期待されていないことが分かる。
安倍政治の劣化エピゴーネン
「首相就任時に掲げていた『新しい資本主義』はどこかへ行ってしまったし、『異次元の少子化対策』もかけ声だけで中身が伴わない。『1億総活躍』や『人づくり革命』など1年ごとにキャッチフレーズを打ち出して長期政権を築いた安倍元首相を真似ているのでしょうが、劣化したエピゴーネンでしかありません。岸田政治の本質は、政権維持が目的で、そのために支持率を気にする場当たり政治です。賃上げにしても、物価対策にしても、その場しのぎでしかない。長期的なスパンでこの国が抱える問題を抜本的に解決に導こうとする姿勢が見えないのです。そういう政府への不信感が、マイナンバーカード問題を契機に噴出しているのだと思う。安倍・菅政権との最大の違いとしてアピールしていた『聞く力』も看板倒れで、このままでは日本がおかしくなるということに国民も気づき始めたのでしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
朝日の調査では、こんな質問項目もあった。
「岸田首相は、政策を実行するうえで、ひとの意見に耳を傾ける『聞く力』を発揮していると思いますか、そうは思いませんか」──。回答は「そうは思わない」が66%と圧倒的だった。
そういえば、ことあるごとに胸ポケットから出してドヤ顔していた「岸田ノート」も最近はすっかり見かけない。
国内の災害対策より軍拡セールスやビジネスを優先
「やることなすこと、これだけ評価されない内閣は前代未聞で、支持率が下がるのは当たり前。支持率30%でもまだ高すぎるくらいです。間もなく政権発足から2年になるのに、評価できることは何もない。1年前に首相が『関係を断つ』と宣言した旧統一教会の問題だって、何ひとつ解決していません。TBSの『報道特集』によれば、岸田首相が来賓あいさつをした今年5月の改憲集会にも、旧統一教会関連団体の信者が動員されていたという。今もズブズブの関係なのではないですか。岸田首相はいつも口先だけ奇麗事で、困っている国民のことなんて少しも考えていない。死者まで出ている豪雨被害を見て見ぬふりで、涼しい顔して外遊に行ってしまうのです。G7広島サミットでイタリア首相が自国の洪水被害に対応するため、途中で帰国したのと対照的です。しかも、外遊先で中国脅威論を説いて回って紛争の種を売り歩いているのだから話になりません」(政治評論家・本澤二郎氏)
岸田が正規メンバーでもないNATO首脳会議に出席するためヨーロッパに発った11日は、九州地方では前日までの大雨で土砂災害が発生し、行方不明者や死者も出ていた。15日からは東北地方が豪雨に襲われた。各地で甚大な被害が発生しているのだが、それらを尻目に、いったん帰国した岸田は16日からまた中東歴訪に出かけてしまった。中東は日本企業の幹部らを引き連れた外遊だ。出発時に岸田は「ビジネス、貿易、投資、人的交流の分野で各国と一層の関係を強化する機会にしたい」などと得意げに話していたが、それは国内の災害対応より優先すべきことなのか。
権力の行使に対するが恐れがない
「豪雨による被害を放置して外遊し、大軍拡やビジネスにかまけている首相の姿を見て、被災地の人はどう思うでしょうか。岸田首相からは、国民に寄り添う気持ちがまったく感じられません。原発再稼働や、敵基地攻撃能力の保有を決めたこともそうですが、安倍元首相もできなかったことを強行して悦に入っているようにしか見えない。安倍路線に乗っかって暴走し、ハシャいでいる。権力行使に対する恐れというものが完全に欠落しています。首相になれば好き勝手できると勘違いして、国民から搾り取ることに痛痒もない。大軍拡を推し進めて米国に褒めてもらえるなら、国民生活を痛めつけることは平気の平左なのです。それでいて、災害対応やマイナカード問題など面倒なことは担当大臣に丸投げですから、典型的なお殿様体質と言える。こういう政権が続くことは国民にとって百害あって一利なしだし、岸田首相の存在が日本の災害になりつつあります」(本澤二郎氏=前出)
18日から数日間、また東北地方を中心に激しい雨が予想されている。岸田は19日に帰国予定だが、国内の災害を放置して外遊三昧だったツケは、ますます支持率下落の重しとしてのしかかってくるのではないか。
ウクライナ電撃訪問やG7広島サミットで支持率が上昇したことに味をしめた岸田は、外交日程を詰め込んで支持率アップの起死回生を狙っているというが、つくづく分かっていない。
外遊先でバラまいて歓待され、「国民の命と安全を守る」とか勇ましいことを言ってトマホークを爆買いするのは気持ちいいかもしれないが、本当に国民を守る気があるのなら、不要不急の外遊は延期してでも国内の災害対応に注力するだろう。
恐ろしいのは、自民党内で政局が起こらない限り、次の総裁選が行われる来年秋までこの政権が続くことだ。権力を振りかざすことを恬として恥じない首相は、何をやらかすか分からない。
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