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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/326037
ASEANと日中韓3カ国の外相会議で、福島第1原発の処理水をめぐり、中国が科学的根拠に基づかない主張を行い、林外相が反論したということの、日刊ゲンダイの検証記事。
中国外務省によると、王毅氏は「核汚染水」と発言したという。
「言葉」でもめるのも大人気ないと思うし、あまり本質的ではないのだが、騒ぎになっている以上、白黒を付けなければならない。
福島原発「処理水」と「汚染水」認識のズレ?。
少し違う、科学的にはどちらが正しいかだ。
今回のテーマはこれにしよう。
ちなみに、私は、これまで「汚染水」と言い続けている・・・。
日刊ゲンダイの記事の抜粋は以下の通り。
「国際基準と国際慣行にのっとり実施する」
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日中韓の外相会議で、日本の福島第1原発「処理水」の海洋放出計画をめぐり、林芳正外相(62)が声を荒げる場面があった。林氏の発言は、会議に参加している中国外交トップの王毅政治局委員(69)が「汚染水」と発言。海洋放出に反対姿勢を示したことに対して抗議する意味もあったとみられる。・・・
「処理水」か「汚染水」か──認識のズレはどこにあるのか。
一つのヒントになるのは、2020年12月の衆院東日本大震災復興特別委員会の質疑だ。
立憲民主党の玄葉光一郎議員(59)は「ALPS(多核種除去設備)処理水というのは、他の原発から出ているトリチウムと同列に論じていいのかどうか」と質問。これに対し、当時の江島潔経産副大臣(66=自民党)は、ALPS処理水について、「溶融した核燃料に直接触れている水が由来であります。従いまして、核分裂で生じた核種を含んでいるということは事実」とした上で、「(核燃料の)再処理工場というものから出てくる排水には、同じく核分裂で生じた核種が含まれている」「トリチウムに加えまして、セシウム、放射性ヨウ素、それからカーボン14等々、福島第一原発のALPS処理水に含まれる核種と同じものが確認をされている」と答弁。
同委員会に出席していた東電副社長も、「損傷した燃料に触れた水という点では、通常の原子力発電所で発生いたします液体廃棄物に含まれない放射性物質が含まれております」と説明していた。
■政府や東電の二転三転した対応も近隣諸国の不信感に…
日本共産党の高橋千鶴子議員(63)は、処理タンクで液漏れやさび、硫化水素の発生などのトラブルが続いた事実を挙げ、「事故炉を通した水であること、トリチウム以外に62種の放射性物質があり、濃度や組成はタンクによって均一ではないこと、タンクの中で有機結合型トリチウムの発生も確認されていること、こうしたことから、通常運転時に放出されるトリチウムと同一視することはできない」と断言。さらに「そもそも、基準、基準と言いますけれども、事故炉に対して総量規制を取っ払ってしまっていること、再処理工場はもっと高いからという何かすごい答弁がございましたけれども、数万倍も高い濃度のトリチウムを放出すると言われている再処理工場には、濃度基準さえない」と指摘していた。
この時の質疑をそのまま受け取ると、福島原発の「処理水」をたどると、ネット上でみられる「他の原発の処理水と同じ」とは言い難く、再処理工場で粉砕された核燃料に触れるなどした「排水」に近いようだ。
もっとも、それでも政府や東電はALPSの処理を重ね、IAEA(国際原子力機関)のOKも得たから「処理水」と主張したいのだろう。ただ、一方で、この問題を振り返ると、もともとALPS処理後に残るのはトリチウムだけと言われていたはずが、その後、他にも放射性核種が含まれており、(排出)基準を上回るものも多い──ということが発覚して大騒ぎとなったのは記憶に新しい。
政府や東電のこうした二転三転した対応が、中国など近隣諸国の不信感を招く要因になった面は否めないのではないか。
記事の抜粋は以上。
福島事故原発由来の、海洋放出をしようとし、海水で希釈した「あの液体」は、「処理水」なのか「汚染水」なのか。
科学的にはどちらが正しい表現なのか。
参考までに記しておくと、「汚染」の対義語は「浄化」「洗浄」とある。
IAEAはどう捉えているのか。
国際基準に則ると言うなら、IAEAの定義ではどうなのかを調べるのが良さそうだ。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義:(ウィキペディアから抜粋)
1. 表面上、または固体、液体、気体(人体を含む)内の放射性物質、または、それを生むプロセスで、その放射性物質の存在が意図しないか望ましくない場合。
2. ベータおよびガンマ線と低毒性(low toxicity)アルファ線の場合は0.4 Bq/cm2を超える量、または他のすべてのアルファ線の場合は0.04 Bq/cm2を超える量の放射性物質が表面に存在する場合。・・・
2. については、この定義は国際輸送規則上の定義であって、その数値以下であっても、1の科学的定義が考慮されなければならないとしている。
また特に、汚染の語には意図しないということを含意している場合があり、汚染の語は単に放射能の存在を示すにすぎず、関連する危険有害性の大きさを示すものではないとしている。
以上はウィキペディアから抜粋引用。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義、特に1の科学的定義に従えば、「汚染水」をALPSによって一定量の放射性物質を除去したとしても、意図ぜずして混入した放射性物質が残っている以上は、その危険有害性の大きさに関らず「汚染」水と言うことになろうか。
ということで、
科学的には、「汚染」された水・・・「汚染水」
「処理水」と言おうとも、「汚染」された水・・・であるから「汚染水」
こうしてみると、「処理水」という表現は、恣意的に「汚染」を隠すために作られた悪質な造語と言える。
すなわち、プロセス的には「汚染」水に「浄化」処理を施した、いわば「浄化処理水」なのだろうが、除去できない放射性物質が残る以上「浄化水」あるいは「浄水」とは言えない。
結論的には、「汚染水」を浄化処理で放射性物質を除去しきれなかった「不完全浄化処理水」ということになる。
政府と東電は、「不完全浄化処理水」を(完全を装って)「処理水」と言っていることになる。
科学的には、「汚染された水」という実態は変わらない。
「汚染水」という表現こそが科学的であり、「処理水」と表現するのは、もはや科学とは無縁の「詭弁」の類いだろう。
政府や東電のこうした「人を騙そうとする」ような対応が、日本国民だけではなく、「中国など近隣諸国の不信感を招く要因になった面は否めないのではないか。」
「汚染水」にはトリチウム以外の核種が含まれていることは、日刊ゲンダイの本記事からも分かるとおり、政府、東電ともに認めている事実であり、正常に運転されている原発から排水される冷却水と同列で語ることは、明かに「非科学的」と言えよう。
林外相は、「国際基準と国際慣行にのっとり実施する」と言うが、
IAEAの報告書は前文で、「福島第一原発の処理水の海洋放出は日本政府の「国家的決定」だとし、「この報告書は政策の推薦でも、裏書きでもない」と強調しているという。
同報告書はまた、扉ページの声明で、報告書の提示した見解は必ずしもIAEA加盟国の見解を反映しているわけではなく、「IAEAとその加盟国は、この報告書の利用によって引き起こされるいかなる結果に対しても責任を負わない」と強調しているという。
さらには、
「福島の放射能処理水は飲用や水泳が可能で他国の原発排水と同じく危険がない」
などと言う、IAEAのグロッシ事務局長の提出する包括報告書を「科学的」として信用する、「非科学的」なその神経を疑う。
審査を依頼されて、「内容に責任を持ちません」という報告書を出す方も出す方だが、受け取る方も受け取る方だ。
中国政府から、
「飲めるんであれば、日本国内で飲料水として使ったらどうだ」。
と言われて、
「飲めるんじゃない」
と口をまげて言った奴がいるみたいだが、絶望的に情けなくなる。
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