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岸田首相が15分間の“密”セールス 米「ハゲタカ」に家計金融資産2000兆円の譲渡を口約束?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325961
2023/07/13 日刊ゲンダイ
百戦錬磨(KKRのジョセフ・ベイCEO)/(C)ロイター
かつて「ハゲタカ」と呼ばれた外資ファンドを官邸に招き入れ、何を語り合ったのか。岸田首相がリトアニアへの出発を翌日に控えた10日。九州北部を記録的な大雨が襲う中、米大手投資ファンド「KKR」のジョセフ・ベイCEOと面会していた。
会談は午後2時から28分間に及んだ。九州の大雨を受け、岸田首相が松野官房長官と谷防災相を呼び、早急に被害状況を把握するよう現地入りを指示したのは午後5時半過ぎ。会談時間は約15分間だった。災害対策よりも、世界有数の投資会社トップとの会談が重要だったと思われても仕方ない。
KKRは米投資ファンドの草分け。主に非上場企業の株式を取得し、企業価値を高めた後、新規株式公開などで利益を得てきた。運用資産は実に5100億ドル(約71.4兆円)。日本には2006年に拠点を開設し、現在は西友やロジスティード(旧日立物流)などを傘下に収める。
今年2度目
岸田首相が外資ファンドのトップと官邸で会うのは今年2度目。3月末には米大手運用会社ブラックストーンのシュワルツマンCEOの表敬を受け、41分間も話し込んだ。
「岸田首相が『さらなる日本への投資』を呼びかければ、ファンドのCEOは『投資しやすい環境整備』を求めるトップセールス。米ウォール街の大物はロビー活動にたけており、日本のトップからの“土産”をブラ下げて官邸を去ったと思います」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
岸田首相は昨年のGWに英ロンドンの金融街シティーで「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と訴えた。今年の「骨太の方針」では「2000兆円の家計金融資産の開放」を唱え、「資産運用立国を目指す」と宣言している。
「『貯蓄から投資へ』に拍車をかけ、もはや海外ファンドへの露骨な“日本売り”を隠そうともしない。家計資産の流入で株価が上がればファンドは儲かり、政権の手柄となる。『ウィンウィン』を狙っているのでしょうが、投資はバクチと紙一重。損して泣きをみる国民は眼中にない様子です」(森岡英樹氏)
いきなり投資の素人を“鉄火場”に放り込めば、百戦錬磨の投資ファンドに太刀打ちできない。岸田首相は2000兆円の家計資産を“ハゲタカ”に差し出すつもりなのか。
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