http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/122.html
Tweet |
マイナカードと保険証の一体化は“詐欺の手口”…第2の「消えた年金」問題になる 週刊誌からみた「ニッポンの後退」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325749
2023/07/09 日刊ゲンダイ
システムはお粗末、誤登録で他人が使用(河野太郎デジタル相と加藤勝信厚労相=左)/(C)日刊ゲンダイ
それは週刊現代の連載から始まった。
ノンフィクション・ライター岩瀬達哉の「『年金崩壊』のウソ 誰が安心を食い潰したのか」(第1回は2001年5月19日号)である。
この連載が始まる前年、厚生労働省は、少子高齢化で年金制度が崩壊するとあおり、厚生年金の給付額を5%カットし、60歳から受け取れるはずだった年金(報酬比例部分)の支給開始年齢を段階的に引き上げる改正法を成立させていた。
だが、その中身を検証してみると、一連の「年金危機キャンペーン」が欺瞞に満ち、事実が歪曲されたものだったことがわかってきた。岩瀬は、わざと難解にしている公的年金制度を丹念に読み解き、地道な取材を重ねて、国民から集めた「掛け金」が給付以外の目的で乱費されていたことを明るみに出したのである。年金加入者の承諾なしに、「掛け金」が健康福祉センター(サンピア)や大規模年金保養基地(グリーンピア)などの建設に流用され、官僚たちの「利権」と「天下り先」になっていた。
その事業の失敗で失われた年金資金約2兆円を加えると、1998年度末で総額約4兆3000億円の年金財源が失われたことになると実証したのである。
この連載は国民の怒りに火をつけた。岩瀬は民主党(当時)の長妻昭議員とタッグを組み、「消えた年金問題」を長妻が国会で徹底追及した。これが社会保険庁解体のきっかけとなり、2007年の参議院選挙で自民党は惨敗。安倍晋三第1次政権は崩壊したのである。
消えた年金という“分かりやすさ”が国民に受け入れられたのだが、今のマイナカード問題も、同じようにとても分かりやすい。
5000円付与ではマイナカードが普及しないのに業を煮やした岸田首相が、2万円に引き上げるという大きな「アメ」をぶら下げて国民に加入を促した。入るだけで2万円ももらえるならと、あっという間に国民の8割近くがカネに釣られて加入した。
だが、河野太郎デジタル相が突然、「マイナンバーカードと健康保険証を一体化する」(2022年10月13日の会見)と言い出し、続いて岸田首相が「2024年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナ保険証に一体化する」と明言したから、「詐欺の手口のようではないか」という批判が巻き起こったのである。
システムは稚拙だし、別人の医療情報が誤登録されるなど深刻なトラブルが相次ぎ、毎日新聞が6月17、18日に実施した全国世論調査では、「マイナ制度に不安を感じる」が64%、来秋に健康保険証の廃止に「反対」が57%に上った。
「デメリットばかりが目立つ“マイナス事業”へと変質した一連のマイナ事業」(新潮7月6日号)。マイナカードを返納する動きも急増している。
岸田・河野コンビは、“功”を焦りすぎて墓穴を掘ったといっていいだろう。
私はハナからマイナカードを申請しようなどと思っていなかった。まったく信用できないこの国に自分のプライバシーを渡すことに我慢がならないからだ。
これまでも国民総背番号制(住民基本台帳法)や作家の城山三郎氏が「平成の治安維持法になる」といった個人情報保護法にも反対してきた。ここで、マイナカードと保険証の一体化を許せば、あらゆる個人情報が国に逐一把握され、監視されることになり、この国は民主国家ではなくなる。マイナ問題を第2の「消えた年金」にしようではないか。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長)
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。