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※紙面抜粋
※2023年6月27日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
米国のためには直ぐにでも。国民のためには全て先送りの舌先三寸(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
岸田内閣の支持率下落が止まらない。
このところ各社調査で支持率が急落しているが、読売新聞と日本テレビが23〜25日に行った全国世論調査の結果には永田町が騒然となった。内閣支持率は41%で、なんと前回調査(5月20〜21日)から15ポイントも下落。不支持率は11ポイント増えて44%と、3カ月ぶりに不支持が上回った。
同じ日程で日経新聞とテレビ東京が実施した世論調査でも、岸田内閣を「支持する」は8ポイント減の39%、「支持しない」は7ポイント上昇の51%だった。
「1カ月で15ポイントも落ちるなんて、あまり見たことがない。5月調査はG7広島サミットで上がったのでしょうが、その効果が消えたにしても下げすぎです。読売、日経は比較的に自民党政権に優しく、支持率も高く出る傾向にあるのに、この落ち方は衝撃的です。マイナンバーカードの混乱が影響しているのだとは思うが、原因は本当にそれだけなのか。この先も上がり目はなさそうだし、総理は解散なんて打てるんだろうか」(自民党閣僚経験者)
岸田首相は秋の解散・総選挙が念頭にあるのか、マイナンバーカードについて「秋までのデータ総点検」を指示したが、期限だけを示して基準や手法は自治体に丸投げ。さっそく東京都の小池知事から「現場の多くは区市町村で非常に膨大な量になる。『秋まで』はなかなか厳しいのではないか」とダメ出しを食らっている。
自民党の茂木幹事長も25日、支持率低下は「マイナンバーの問題が影響している」として、「国民の不安払拭に政府を挙げて、全力で取り組んでほしい」と話したが、混乱が長引けば、岸田の解散戦略にも影響してきそうだ。
支持率急落は自業自得
もっとも、支持率急落の要因はマイナンバーカード問題だけではないだろう。それは、不支持の理由として「首相が信頼できない」「指導力がない」などの回答が増えていることからも推察できる。
「国民の不安を無視してマイナンバーカードと保険証の一体化をゴリ押しするような強権体質が不信感を招いている。マイナカードの混乱をきっかけに、詐欺的な手口で国民管理を進めようとするこの政権の危うさに有権者が気づき始めたのでしょう。21日に閉会した通常国会の内容もひどかった。国民にしっかり説明する姿勢もないまま、何でも数の力で進めてしまうおごりが見えました。米国に言われれば防衛費倍増も即決するのに、物価高などで疲弊する国民生活を守ることにはまるで無関心だということも分かってきた。さらには秘書官に抜擢した長男の不祥事や、その対応は親バカ丸出しで国民は呆れてしまった。挙げ句に権力に酔いしれて解散権を振りかざす姿を目の当たりにして、最初はいい人そうに見えた首相の地金が見えたということです。すべて身から出たサビで、支持率下落は自業自得です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
米国のバイデン大統領に「広島(サミット)を含めて3回、日本の指導者と会って彼を説得し、その結果、日本は飛躍的に軍事予算を増やした」とバラされて、日本政府は火消しに躍起だが、バイデン発言は「さもありなん」と思われること自体が問題なのだ。
この首相は何がしたいのか、国民のための政治をしているのか。米国に取り入って長期政権を築くことしか頭にないのではないか。そういう疑念は確信に変わりつつある。
マイナンバーカードの混乱だけが原因ではない
「支持率低下の原因は複合的で、マイナンバーカードの混乱がトリガーとなって一気に表出したように感じます。岸田首相は防衛費倍増や、異次元の少子化対策をブチ上げるものの肝心の財源問題は先送りにしてきた。しかし、これらの政策を実現するには負担増が避けられないことを国民は分かっています。首相が国のために、国民のためにどうしてもやらなければならないという信念があるのなら、その是非は別として、堂々と増税を国民にお願いすればいいのに、選挙の争点にすることを避けて財源論から逃げている印象はマイナスでしかありません。早期解散を見送ったこともそうですが、岸田首相からはリーダーの覚悟が感じられないのです。また、連立を組む自公関係のゴタゴタも支持率の低下につながっているのでしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
岸田政権になって、自公関係は急速にギクシャクし始めた。パイプ役がいない上、麻生副総裁はじめ政権幹部に公明嫌いが少なくない。東京の選挙区調整でモメた挙げ句、ついに東京での選挙協力解消に至った。
「もともと政策的に水と油の自公両党は、政権維持のために選挙協力関係を続けてきた。自民側から見れば、公明のせいでタカ派政策に待ったをかけられるという不満があるし、公明側も自民に引っ張られ軍拡路線や原発推進を認めてきたことで支持母体の創価学会は不信が高まっていました。岸田政権は、安倍元首相でもやらなかった敵基地攻撃能力の保有や防衛費倍増、原発推進に舵を切り、増税や社会保障の削減も進めようとしています。これはさすがに、平和と福祉の党を標榜する公明党が受け入れられる限界を超えてしまうため連立の綻びが急激に表面化したのでしょう。このまま連立を続けても、政策的な矛盾は隠しようがなく、選挙目当ての野合という批判は免れない。打算の自公連立に国民が反感を抱き始めたことも支持率を下げる一因になっている。黄昏の岸田政権にボディーブローのように効いてくるでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
自公連立に国民も否定的
自公関係がかつてないほど冷え込んでいる間隙を突いて、日本維新の会はイケイケで攻勢を強めている。25日の常任役員会では、次期衆院選で公明党現職のいる大阪、兵庫の6小選挙区すべてに対抗馬を擁立することを決めた。公明が東京で自民との選挙協力を解消した背景には、維新との調整を探る意図があるともみられていたが、統一地方選でも大幅に議席を増やしてイケイケの維新は正面突破を選んだ。
こうなると公明は厳しい。自公の選挙区調整で最初から投票先の選択肢を奪われてきた有権者が、こぞって維新に流れかねない。「常勝関西」を誇ってきた公明が関西で壊滅の可能性があり、東京でも自公協力の破棄で消滅危機を迎えている。それもこれも、平和の党と言いながら自民の戦争国家路線に協力してきたツケということだ。
最近の世論調査で特徴的なのは、「自公が連立政権を継続すべきか」という質問が設けられるようになったことだ。そして、どの調査でも「連立を解消すべきだ」という回答が多数派になっている。
世界から取り残されたように経済成長がなく、賃金も上がらず、負担増ばかりで疲弊する国民が、24年続いてきた自公連立政権が諸悪の根源とようやく気づいたということなのか。だとすれば、このデタラメ政権の支持率は、今後もつるべ落としで下がるだろう。
公明は支持母体の高齢化などで集票力が落ちているといわれ、だから自民側の“公明切り”の声も大きくなる。それは一方で自民の弱体化にもつながる。アナジー効果だ。
それでも自公両党は、次期衆院選で東京以外での選挙協力を継続する基本合意文書をとりまとめ、27日に正式に合意。これだけ自公政権への不信が高まっているのに、組織にモノを言わせた選挙互助会が多数派を取れば何も変わらない。政権維持のために血税が浪費されるだけで、国民はやりきれない。
早ければ秋にも解散・総選挙があるといわれるが、このまま自公連立政権が続けば、物価高放置と負担増で庶民生活が苦しくなることは確実で、暮らし向きが良くなることは決してない。自分たちの生活を守るためには、投票に行って「NO」を突きつけるしかないのだ。
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