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※紙面抜粋
※2023年㋅10日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
「悩む立憲」と言われているが…(立憲民主党の泉健太代表)/(C)日刊ゲンダイ
21日の会期末を控え、政府・与党は怒涛の勢いで法案の仕上げに入っている。悪法成立を阻止しようとする立憲民主党など野党は激しく抵抗。そこへ衆議院の解散風が“突風”になってきて、最終盤の国会は緊迫してきた。
そんな中でいま注目を集めているのは、内閣不信任決議案の行方だ。野党第1党の立憲民主党は岸田内閣に対し、不信任案を出すのか、出さないのか──。
不信任案は文字通り、内閣の政権運営が信任できないとする衆院の意思を表明する議案。衆院議員51人以上の賛同があれば提出できる。不信任決議案が提出されると最優先で審議され、可決されると、内閣は10日以内に衆院を解散するか、総辞職しなければならないと憲法で規定されている。
もっとも、いまの衆院は自公の与党が過半数。不信任案を出されても粛々と否決するのが通常なのだが、解散風を吹かせている岸田官邸や自民執行部は、9日も森山選対委員長が「不信任案は解散の大義になる」と発言して野党を揺さぶった。岸田首相のいとこの宮沢税制調査会長も「首相の性格からすると受けて立つ可能性もかなり高い」と脅しているから、選挙準備が遅れている立憲は右往左往だ。
最大の与野党攻防となっているのが防衛費増額のための財源確保法案。「安易な増税につながる」として、立憲や共産党だけでなく日本維新の会や国民民主党も反対している。だが、維国両党は野党の仮面をかぶった“ゆ党”だ。「会期末になれば不信任案を出すといった国会の慣例に全く協力する気はない」(維新・馬場代表)、「不信任案を出して解散し、政治空白をつくっている場合か」(国民・榛葉幹事長)と正義ヅラして突き放し、立憲を躊躇させている。
確固たる信念はないのか
したり顔の岸田忖度大メディアも「悩む立憲」などとからかう。読売や日経に続き、9日は朝日新聞も不信任案提出のタイミングを絡めた記事を掲載していた。
それによれば、立憲が不信任案を提出するにしても、防衛財源確保法案の採決の前か後かの2つのタイミングがあるという。法案採決前に出せば、不信任案の採決が優先される。政府・与党が財確法案を成立させたいなら、不信任案を否決するしかない。一方、財確法案が成立した後の会期末の不信任案提出なら、首相が解散しやすくなる、という解説だ。
立憲党内は不信任案提出について、主戦論と慎重論が交錯。参院幹部が「出したら出したで『またか』と批判されるし、出さなかったら『弱腰』と言われるから難しい」と頭を抱えているというから情けない。
まったく立憲は何をふらついているのか。自分たちの確固たる信念はないのか。解散だろうが、何だろうが、岸田内閣が国民のための政治を行っているかどうかで、不信任を判断したらいいのではないのか。
議会政治の生き字引と呼ばれる元参院議員の平野貞夫氏はこう言う。
「岸田内閣ほど憲法違反を繰り返している内閣はない。安倍元首相の国葬もそうだし、安保3文書の改定で先制攻撃にあたる敵基地攻撃能力の保有を決めたのもそうです。安倍政権以上に憲法を冒涜する政権であり、内閣不信任案の提出に至るのは当然という状況です。ところが、いまの立憲は、国民の支持を得られるのかどうか不安で、自信を持って不信任案を出せないでいる。野党第1党がこれほどだらしないのは、日本の悲劇です」
万死に値する亡国政権を「信任」するのか
立憲の泉代表は9日の記者会見で、内閣不信任案の提出について、「防衛増税に本気で反対なら、その手段はあり得る」と強気の姿勢を見せた。維新に対しても、「戦うことを忘れた御用野党の本領をまた発揮している」と嫌みを言うのを忘れなかった。
本気なら不信任──その通りだろう。岸田内閣は不信任案を突きつけられて当然だ。
岸田が成立を目指している防衛財源確保法案は、税外収入や決算剰余金などありとあらゆる余り金を防衛費に回すトンデモ法案だ。それでも足りないから増税することまで考えている。
その一方で、少子化対策の財源は「歳出改革」とかホザいているが、余り金は全部、防衛費に使われてしまうから少子化に充てるカネはない。分かっているのに口先で騙し、結局は国民負担増になるのだろう。ふざけるにもほどがある。人口減で国力が失われていくのに、防衛費だけジャブジャブにして、戦闘機に乗る自衛隊員は確保できるのだろうか。
5年間で43兆円にまで防衛費を倍増させるのは、米国の言うなりにGDP比2%以上を達成するためだ。
安倍が集団的自衛権の行使を容認する安保法制を進め、米国からの兵器爆買いで防衛費を膨らませた。そして岸田は、その路線を引き継ぐだけでなく、安倍時代のさらに上を行く憲法破壊と大軍拡。敵基地攻撃能力の保有で専守防衛を投げ捨て、国会より前にバイデン大統領に“ご報告”するほどの米国隷従。ウクライナ戦争ではNATOにすり寄り、G7広島サミットで核兵器の保有を「防衛目的」という屁理屈で正当化した。平和主義をかなぐり捨てた首相は万死に値する。
「受けて立つ」の覚悟を持て
さらに岸田は、「わが国を取り巻く安全保障環境は急速に厳しさを増している」だとか「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し、国民の不安をあおるのだから許し難い。首相がやるべきは、「東アジアをウクライナにしない」と国民を安心させることだろう。ウクライナ戦争に乗じた軍拡路線を、数の力に任せ、国会でマトモに説明することなく、既成事実化。こんな亡国政権が続いていいのか。「いまの岸田内閣を不信任するほどの大きな事由はない」(維新・馬場代表)と断言するゆ党なんて放っておいて、立憲は堂々と不信任案を提出したらどうなのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「岸田政権はところてん方式で次々と悪法を成立させている。それも国会審議を無視し、反対世論を蹴飛ばすやり方。最も信任し難い政権なのは間違いない。そういう政権に対し、野党は明確に意思表示する責任がある。不信任案を出さなかったら、政権を『信任』することになるんですよ。解散・総選挙になるかどうかは、その先の話で、立憲はむしろ解散・総選挙を『受けて立つ』という覚悟を持っていなければいけない。与党を追い込み、解散を自ら勝ち取って、戦いの場に与党を引きずり出す。それが本来の野党第1党の姿でしょう」
そういう覚悟や信念がてんで見えないから、立憲の支持率はズルズル落ち、低迷するのだ。
岸田政権は、米中に次ぐ世界第3位の軍事大国になろうと、国民の血税をブッ込みひた走る。子育てや社会保障は後回し、いや、大借金国家なのだから、サービス低下は必至だ。こういうカネの使い方をするなら、主権者国民の信を問わなきゃおかしい。
「改正入管難民法やLGBT法案でも岸田自民党は普遍的価値を共有できず、時代遅れの政党であることを露呈しました。保守層の中には、そうした古い体質を嫌がり、軍拡より平和を求める人たちがいます。岸田首相は『軽武装・経済重視』の宏池会の理念を捨ててしまった。維新や国民民主もどんどん右傾化している。立憲は保守層の中のリベラルも取り込むつもりで、しっかりとした旗を掲げて自民や維新と対峙すべきです」(五十嵐仁氏=前出)
1強政権から緊張感のある国会を取り戻すためにも、解散・総選挙が天下の王道だ。
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