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2026年「シン・マイナカード」導入…河野太郎デジタル相“語るに落ちた”安全・安心
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/323971
2023/06/04 日刊ゲンダイ
言い訳ばかりの河野太郎デジタル相(C)日刊ゲンダイ
マイナンバーカードの利用拡大に向けた改正マイナンバー法などが2日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。本会議後に行われた衆院地域・こども・デジタル・厚生労働連合審査会で、河野デジタル相はマイナカードをめぐるトラブル続出について、「いろいろとご迷惑をおかけして申し訳なく思っております」と陳謝したが、口先だけ。早くも、新たなマイナカード導入に向けて動き出している。
◇ ◇ ◇
マイナカードと保険証が一体化した「マイナ保険証」や公金受取口座の別人登録、マイナカードを使った証明書の誤交付、マイナポイントの誤付与など、とにかくトラブル続き。1日も三重県松阪市で、マイナカードに別人の顔写真が掲載されたまま交付されるミスが確認された。
2日の連合審査会で河野大臣は謝罪を口にしたが、トラブル続出の原因については言い訳のオンパレードだった。
証明書の誤交付をめぐり、「マイナカードが増えたことによって、システムのエラーが顕在化したということは言えると思う」と居直ったかと思えば、マイナポイントの誤付与については、自治体窓口の人為的ミスとの主張を念頭に「(ミスを防ぐための)システムが使いにくいということで外してしまったことに起因している」と、まるで現場に非があるかのような言いぶり。使いにくいシステムを強いた責任を感じているかどうか、怪しいものだ。
その証拠に、マイナカードの利用拡大を見直すどころか、デジタル庁は近く公表予定の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で、新様式のマイナカード導入を盛り込む方針だ。
重点計画は、2016年に交付が始まったマイナカードの更新期限を約10年に設定。新たなカードを26年から導入するという。
主な狙いは、カード偽造防止などの安全対策の強化。カードリーダーなどの端末にカードをかざして本人確認する際のセキュリティー向上に加え、現行のカードに記載されている性別や生年月日、住所などの個人情報をプライバシー保護の観点から記載するかどうか検討する。
血税2兆円超の無駄遣い
参院本会議で関連法可決(C)共同通信社
河野大臣はマイナカードを「安全・安心」と強弁しているが、「シン・マイナカード」の導入は裏を返せば、現行の「旧カード」がセキュリティー面の不安を抱えているということ。“語るに落ちる”とはよく言ったものだ。
カード普及促進のためマイナポイント事業につぎ込まれた予算は昨年6月に始まった「第2弾」だけで約2兆円にも上る。巨額の血税を投じて安全性すらよく分からないカードを国民の約7割に持たせ、その挙げ句にカードを3年後には総とっかえするのだから、無駄遣いにも程がある。
「共通番号いらないネット事務局」の宮崎俊郎氏がこう憤る。
「任意のはずのマイナカードと保険証の一体化によって実質的に強制されること自体、大問題なのに、新カード導入とは聞いて呆れます。様式が変われば、カードリーダーも一新する必要があるかもしれません。システムベンダーは儲かるでしょうが、不利益を被るのは医療機関や市民です。国がまずやるべきは、トラブルが相次ぐマイナカードの運用を止めて問題の検証を行うことです」
マイナカードは、運転免許証や在留カードにも紐づけられていく見通しだ。これから先、どれほどの税金が無駄になるのか。怒りしか湧いてこない。
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