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刑法改正案が衆院可決…性犯罪処罰のハードルは上がったのか、下がったのか? 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/323893
2023/06/02 日刊ゲンダイ
法務省(C)日刊ゲンダイ
『(性行為を)同意しない意思を形成、表明、若しくは全うすることが困難な状態に陥ったことが、この罪の成立には必要ですので、これらが認められなければ成立しないことに成ります。』(松下裕子・法務省刑事局長)
◇ ◇ ◇
これは、5月24日の衆議院法務委員会での、「被害者は同意しない意思の形成、表明、全うな困難はなく、最初から同意しないと言い続けているのに、相手が暴行も脅迫も使わずただひたすら進んで、そして終わってしまったら不同意性交等罪に該当しますか?」、という質問に対する法務省刑事局長の答弁だ。
わけがわからん。そもそも不同意性交等罪を作りたかった声の大きな人たちは、その理由を、
『嫌だといってる相手に無理やりしたらレイプ。法で罰すべきだ』
といっておった。
当たり前じゃ。あたしもそれには賛成よ。
だけど、今回の新法はそうなっていないんじゃない? その条文に、『嫌だと言ったら』ということが書かれてないから、逆に『嫌だと言っても』、その上に『困難』である事情が認められないと、法律上レイプと認定されないことが出てくるかもしれない。
これでは、性犯罪処罰のハードルが上がったのか、下がったのか?
どうして、こんなことになったのか? 法制審議会の議事録に書かれてあった。
簡単にいうと、
『嫌ですって言ったら犯罪です、という法律を創ったら、被害者に嫌だと言う義務を課すこと、になってしまうから適当でない』
からなんだって。
結局さ、『嫌だと言えない人を含め、すべての人を救おう』とするあまり、『嫌だといえる多くの被害者を救えない』ことになったわけ。
もう一度いう。どうしてこんなことになったのか? 自称・政治に影響力のある口うるさいフェミニストたち、そのフェミと仲良くやってる政治家たち、ちょこっと頭悪いかも。
室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。
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