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※紙面抜粋
※2023年5月31日 日刊ゲンダイ
※文字起こし
岸田首相の任命責任は…(C)日刊ゲンダイ
「公邸での昨年の行動が政務秘書官として不適切で、けじめをつけるため交代させる」
岸田首相が、長男で政務担当の首相秘書官を務める翔太郎氏を6月1日付で交代させると発表した。
事実上の更迭で、昨年末に翔太郎が首相公邸で親族らと忘年会を開いていたことを与野党から問題視され、日増しに批判の声が高まっていることから、事態収拾を図ったとみられる。
岸田は自身の任命責任について、「私自身にあり、重く受け止めている」と強調していたが、それならばオヤジも総理の職を辞するのが当然。ところが、「先送りできない課題一つ一つに答えを出すことに邁進することで、職責を果たしたい」などと言い放っていたから呆れてしまう。
ようやく決めたバカ息子の更迭だが、そもそも岸田がこの問題を不適切と受け止め、本気で自身の任命責任を感じていたのかといえばそうじゃないだろう。週刊文春が、公邸内の赤じゅうたんが敷かれた「西階段」で“組閣ごっこ”に興じたり、寝そべったりする翔太郎らの「どんちゃん忘年会」を報じた際、岸田は「適切さを欠くものであり、国民の不信を買うようなことであるならば、誠に遺憾だ」と他人事のように語り、翔太郎の更迭についても「緊張感を持って対応してもらいたい」とスルーしていたからだ。
岸田は息子の起用を「適材適所」と強弁
更迭の判断が後手後手に回ったのは、松野官房長官が会見で明らかにした通り、岸田もこの忘年会の食事の場に顔を出し、あいさつをしていたため、後ろ暗さもあったのだろう。
だが、そんな姿勢を一転させたのは支持率の下落だ。広島で行われたG7(先進7カ国)首脳会議の閉幕以降、各メディアの世論調査で上昇傾向にあった支持率が、29日に公表された日経新聞の調査では5ポイントも急落。党内からも批判の声が続出したため、こりゃあマズイ、何とか手を打たなくては、と慌てた岸田がやむを得ず愚息の更迭に踏み切った──。おそらく、こんな流れが実態ではないのか。
振り返れば、岸田が翔太郎を首相秘書官に起用した昨年10月。野党から「時代錯誤」「身内びいき」といった指摘が相次いだのに対し、岸田は衆院本会議の代表質問で、起用理由について、「政権発足から1年という節目を捉え、適材適所の観点から総合的に判断した」と自信満々に言っていた。ところが、その「適材適所」で秘書官に就いた息子は間もなく、民放の女性記者に情報漏洩していた疑惑が報じられ、1月の岸田の欧州訪問に同行した際には、公用車を使った土産品の購入や観光疑惑が国会で問題視されるハメに。
その挙げ句が今回の「公邸おふざけ写真」なのだから唖然呆然ではないか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「(翔太郎氏は)家柄、学歴、職歴は申し分なかったが、常識と良識が欠けていた。やっていいことと、悪いことの区別がつかないのでしょう。そして、そういう人を自分の後継者にしたいとの思惑から秘書官に起用した岸田首相にもっとも責任がある。こうした短絡的な発想の政治家が国のトップでいることに不安を覚えます」
世襲政治家の「負の面」が如実に表れている
岸田は更迭について「けじめをつけるため」と今さらカッコつけているが、翔太郎は秘書官を辞めるだけで、オヤジの秘書にまた戻るのではないか。つまり、政治の世界から永遠に身を引くわけじゃない。
更迭と言っているが、要するに「いずれ引き継ぐ息子をこれ以上、傷つけない方がいい」という世襲議員一族の親バカ発想そのものだろう。
松野は「(翔太郎)本人から退職手当や期末・勤勉手当を全て返納したいとの申し出があった」と言っていたが、そんなことは当たり前。それよりも重要なことは、本人が前面に出てきて会見を開き、一連の経過について自ら説明し、記者の質問に応じること。それが大人の「けじめ」のつけ方であり、血税を投じられてきた国家公務員であればなおさらだ。
ところが過去に情報漏洩疑惑や観光疑惑が報じられた時と同様、今回も、そうした動きはさっぱりみられない。「首相」というオヤジの看板を盾に好き勝手に振る舞い、いざ問題が起きたらオヤジの陰に隠れたまま。これほど、情けないことはないだろう。
神戸女学院大学名誉教授で、思想家の内田樹氏は、今回の騒動について、ツイッターに<現代日本の統治システムの問題が集約的に表現されていた>と投稿。
<(1)能力ではなく権力との親疎で公職を配分するネポティズム人事(2)権力を持つ者は「公権力を私的に用い、公共財を私用に供することができる」と思い込んでいる「公の私物化」>と指摘していたが、その通りだ。
「無能な働き者」は質が悪い
今のポストに浮かれ、有頂天になって“暴走”する。国民には哀しいかな、その姿はオヤジの岸田も息子とソックリだ。
「軽武装・経済重視」を基本理念として掲げる宏池会の領袖でありながら首相の座に就いた途端、安保関連3文書を改定し、専守防衛を逸脱する敵基地攻撃能力の保有や防衛費倍増を閣議決定。
防衛装備品の輸出ルールを定める「防衛装備移転三原則」や運用指針の見直しにも踏み込むなど、タカ派も真っ青になるほど、どんどん軍拡の動きにのめり込んでいる。
広島選出の議員として「核兵器のない世界をライフワークとしてきた」などと言いながら、G7の「広島ビジョン」では、防衛目的での核保有を容認、正当化するというペテン。「無能な働き者」は「無能な怠け者」よりも質が悪いというが、岸田がまさにこのケースと言っていい。何もしていないどころか、広島の原爆被害を政治利用し、ヒロシマを裏切りながら「歴史的な意義があった」などと悦に入っていたのだから何をかいわんや。軽薄さも極まれりだ。
ボンボン親子に共通する特権意識と勘違い。ポストで舞い上がる軽さと危うさ。そろって、最も政治家にしてはいけないタイプだろう。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「岸田首相も翔太郎氏も、世襲政治家の家に生まれ、幼い時から何ら苦労することなく育ってきた。いわば政治が家業であり、政治家になって何か成し遂げたい信念があるわけではない。だから、その地位に就いた途端、好き勝手にとんでもないことを始めるわけです。世襲政治家の負の面が如実に表れています」
岸田親子はもちろん、世襲議員の一掃が必要ではないか。
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