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岸田首相がピークでの総選挙決断か
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2023年5月26日 植草一秀の『知られざる真実』
岸田内閣はピークを通過したと見られる。
岸田文雄内閣が発足したのは2021年10月4日。
菅義偉氏が自民党総裁選への出馬を断念して岸田氏は念願の首相の座を射止めた。
コロナ対応に失敗して菅義偉氏は首相の座から転落した。
菅氏が辞意を表明したのがコロナ感染のピークだった。
岸田首相が力量を発揮したわけではなく、菅氏が辞意を表明したのがコロナ感染のピークだった。
安倍晋三氏、菅義偉氏の傲岸不遜な立ち居振る舞いに対して岸田氏の対応は常識的なもの。
前任者の印象が悪すぎたため、普通の対応を示すだけで評価が上がった。
2022年2月にはウクライナ戦乱が勃発した。
米国に追従する政策対応をメディアが礼賛するから、これも内閣支持率を支える要因になった。
コロナの感染縮小、普通の受け答え、ウクライナ戦乱で岸田内閣支持率が高めに推移した。
しかし、後手に回るコロナ対応を改善することはできなかった。
マスクへの対応、ワクチンパスポート制度への固執など、世界のなかで日本は米国とともに最下位の対応を示し続けた。
岸田首相は「検討する」と言うだけで何もしない「検討使」と揶揄された。
「何もし内閣」と呼ぶべき状況が続いた。
状況が急変したのは昨年7月。
安倍元首相が暗殺されて状況が一変した。
昨年7月14日、岸田首相は安倍元首相の国葬実施を表明した。
法的根拠がない。
安倍氏国葬を実施する適正な理由がない。
財政支出の根拠がない。
正当性を欠く国葬実施だったが岸田氏は強行した。
安倍氏暗殺と共に顕在化したのが自民党と旧統一協会との関係。
岸田首相は旧統一協会との関係を断ち切るとしたものの安倍元首相と統一協会との関係を調査することすら拒絶した。
旧統一協会の反社会的活動が明らかにされるなかで岸田内閣の支持率が急落した。
野党に勢いがあれば岸田内閣は終焉していたはずだ。
ところが、日本人は忘却しやすい。
年が明けて統一協会問題への人々の関心が薄れたことに加え、野党第一党の人気がさらに凋落したことを受けて岸田内閣が浮かび上がる状況変化が生じた。
コロナ対応は無策だったが、コロナ自身が後退したために、これが岸田内閣を支える要因になった。
このなかでサミットが広島で開催され、大事件も発生せずに終了したために岸田内閣支持率が元の水準近くに回帰している。
これが岸田内閣のピークになると思われる。
岸田首相が来年9月までの期間に解散・総選挙を挙行するなら、このタイミングがベストだろう。
岸田内閣に実績はない。
ただサミットを開催しただけだ。
ウクライナの戦乱が続き、戦乱を停止させるために動いたわけでない。
ウクライナ大統領が来日し武器支援拡大が決定されただけ。
被爆地である広島でサミットを開催したにもかかわらず、「核兵器は有用である」との広島ビジョンを発表しただけで終わった。
ウクライナ和平への道筋を明らかにすることには力が注がれなかったし、核兵器廃絶に向けての具体的なアクションも示されなかった。
サミットが終わり、改めて関心を集めているのは首相秘書官を務める岸田文雄氏長男の傍若無人な行動。
この長男は岸田首相の訪英の際に公用車で観光や買い物に興じていたことが報じられて批判を集めた人物。
昨年末に首相公邸で外食テロまがいの行動を示していたことが報じられている。
さらに、国民の鼻先に巨額の血税によるニンジンをぶら下げて所持を強要しているマイナンバーカードの欠陥が次々に明らかにされている。
「何もし内閣」だったはずの岸田内閣が、昨年末には大軍拡、原発全面推進、大増税方針を示して現在に至っている。
「とんでも内閣」、「どうしようも内閣」に転じている。
それでも、岸田首相が解散・総選挙を決断するのはこのタイミングになる可能性が高い。
時間が過ぎれば内閣支持率は再び下落に転じると考えられるからだ。
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