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タイム誌が示す報道の不自由度
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2023年5月13日 植草一秀の『知られざる真実』
「何もし内閣」の岸田文雄内閣が、「トンデモ内閣」、「どうしようも内閣」に変質した。
何を問われても「検討します」の検討使と揶揄された岸田文雄首相。
昨年7月14日に安倍元首相国葬を独断専横で決めた。
これでたがが外れた。
独断専横首相に転じた。
連動して内閣支持率は3割を割り込んだ。
政権終焉が秒読み態勢に移行した。
しかし、こんな内閣でも支える者が現れる。
立憲民主党が凋落を続けて懸命に岸田内閣を支えた。
立憲民主党は消滅する方向に歩みを着実に進めているが、そのおかげで岸田内閣の支持率が回復傾向を示している。
たがが外れた岸田首相が年末に三政策を打ち出した。
岸田三原則。
軍備拡大、原発稼働、庶民大増税の熱烈推進だ。
米国タイム誌が岸田首相を表紙に掲載し
「日本を軍事大国に変えようとしている」
とのタイトルを付した。
これに岸田内閣がクレームを付けてタイトルを変えさせた。
さすがは報道の自由度世界ランキング第71位の国の政府。
面目躍如と言える。
タイム誌のタイトルは正確そのもの。
タイトルを権力の圧力で変えさせるところに日本の独自性が光る。
報道の自由度を引き下げるには強引な手法が必要不可欠だ。
岸田首相が昨年末に明示した岸田三原則の一つが
軍事大国化方針。
同時に打ち出したのが原発全面推進。
選挙前だから抑圧されているが、庶民大増税の方針が鮮明に見え隠れしている。
最終目標は消費税再増税。
財務省は岸田内閣を誘導して財界をも消費税増税推進運動に引き込む。
政・官・業癒着の構図。
支出拡大を既成事実化して金が足りないから金を出せと庶民を恫喝する。
恐るべき手法だ。
軍事費は5年で43兆円が計上される。
これまでの計画では5年間で27.5兆円。
1.6倍に激増。
28年度以降に支払う金額16.5兆円が数値には含まれておらず、実態は60兆円を超える。
かつて軍事費=防衛費にはGDP比1%の上限が定められていた。
これがGDP比2%にかさ上げされる。
文字通り「軍事大国」に移行する具体策が提示されている。
報道機関に圧力をかけてタイトルを変えさせるのは日本らしさがあふれるものだが、それをそのまま受け入れるタイム誌もいかがなものか。
日本の財政運営が激変している。
一般会計、特別会計を合わせた国の財政支出は1年間で250兆円から270兆円。
そのうち、約100兆円が社会保障支出。
80兆円から90兆円が国債費。
社会保障以外の政策にかかる政府支出は2022年度当初予算で約34兆円にとどまる。
このなかに、公共事業費、文教及び科学技術振興、エネルギー対策、中小企業対策、食料安定供給、そして、防衛費など、ありとあらゆる政策支出が含まれる。
国の財政支出250兆円は超巨大に見えるが、社会保障以外の政策支出はすべてを合計して1年間で34兆円(2022年度当初)だ。
ところが、2023年度にはこれが一気に40兆円に膨張する。
最大の理由は防衛費=軍事費が5兆円から10兆円に倍増されること。
一般会計・特別会計歳出純計(2023年度当初)
目的は米国の軍産複合体への利益供与。
米国軍産複合体に利益を供与するために軍事費を倍増させる。
日本国民はこんな人物を総理大臣に据え置いてはならない。
岸田内閣の米タイム誌に対する言論弾圧に大きな声で異議を唱えるべきだ。
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