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【完全版】三浦瑠麗が夫の会社から「385万円の太陽光コンサル料」受け取った”証拠文書”入手
https://friday.kodansha.co.jp/article/308126
2023年04月26日 FRIDAYデジタル
立川談春氏と会食していた三浦瑠麗氏(PHOTO:結束武郎)
祝杯をあげようと言いだしたのは、三浦瑠麗氏だった。
’20年9月のある日。東京・永田町にある投資会社TRIBAY CAPITAL(以下「トライベイ」)のオフィスは、終業の時刻を迎えようとしていた。10人に満たない社員らがパソコンに向かっているのを尻目に、人数分のグラスをテーブルに並べる瑠麗氏。モエ・エ・シャンドンやドン・ペリニヨンが冷えた冷蔵庫からボトルを1本選ぶと、栓を抜き、繊細に泡立つ黄金色の液体をグラスに注いでいく。それらを社員らに手渡すと、こう言ったのである。
「借金は踏み倒すものでしょう? 皆さん、シャンパンでお祝いしましょう」
瑠麗氏の夫である三浦清志氏が代表を務める同社だが、瑠麗氏がこの場にいたのは、自身が代表のシンクタンク「山猫総合研究所」(以下「山猫」)のオフィスも兼ねているためである。表向きには、瑠麗氏は夫の会社とは無関係だと装うが、トライベイの社員たちは、瑠麗氏の呼びかけに従ってグラスを傾けたのである。
「あの日は、和歌山県の太陽光発電事業のために借りていた資金の返済期日でした。トライベイは東京のリース会社J社から、開発費として15億円の融資を受けていました。しかし開発は滞り、資金を返すめどは立っていなかった。周囲は『どうやって乗りきるのか』と見守っていましたが、清志さんが選択したのは『無視する』ことでした」(清志氏に近い関係者)
冒頭の瑠麗氏の発言は、こうして当面の苦境を脱した夫への祝福だったのである。
「瑠麗さんはよく『カネは借りたもの勝ちだ』というようなことも言っていた。お金を借りるまでは下手にでるが、いったん借りてしまえば、その後は『私が返してあげなければ、貸し手が困る』くらいに考える。同じような発言は清志さんからも聞いたことがあります」(同前)
それから約2年半後の今年3月、清志氏は別の太陽光発電事業をめぐる資金トラブルから、東京地検特捜部に4億2000万円に上る業務上横領の疑いで逮捕・起訴された。それに先立つ1月にトライベイのオフィスなどが家宅捜索されると、テレビ番組などで太陽光発電を推進する発言を繰り返してきた瑠麗氏に対しても、事件や夫の事業への関わりを指摘されるようになっていた。
そんななか瑠麗氏は、4月発売の月刊誌『文藝春秋』のインタビューに応え、次のような弁明を述べている。
〈私が何も反論を口にしないのは、第一に事件について、投資家との間でトラブルが生じ、横領の疑いをかけられている以上のことを本当に知らないからです。(中略)私自身、意見を言うことも何の判断もできない状態だったんです〉
事件はもちろん、トライベイの経営や事業にも関わる立場になかったという瑠麗氏だが、本誌は今回、瑠麗氏の弁明に反する数々の内部文書や証言を入手。そこから浮かびあがるのは、瑠麗氏夫妻の倫理観が疑われる経営の実態や、2人の会社の癒着ぶりだった。
カギとなるのが、冒頭でも取りあげた和歌山県における太陽光発電所(以下「和歌山発電所」)の開発事業である。
「和歌山発電所は、今回の事件とは別に、和歌山県日高川町で計画された出力47メガワット(MW)のメガソーラーです。17年にトライベイとJ社が別会社をつくって開発していた。別会社の登記簿によると、代表社員はトライベイ、職務執行者が清志氏です」(全国紙社会部記者)
和歌山発電所をめぐり、トライベイは’20年9月4日付である契約を結んでいる。そのことを示すのが「太陽光発電事業の開発に関するコンサルティング契約」と題された、A4判2枚の書類である。その第1条にこうある。
〈TRIBAY CAPITAL(中略)は、株式会社山猫総合研究所(中略)下記に表示する太陽光発電所(中略)の開発に関連してコンスルティング業務を依頼し、山猫総研をこれを請け負う〉(原文ママ)
株式会社山猫総合研究所とは、前述した瑠麗氏が代表のシンクタンクである。誤字脱字があるが、書類はトライベイと山猫の間で、和歌山発電所に関するコンサル契約が結ばれていたことを示している。契約金額は385万円(税込み)で、そのことを裏づける請求書も入手した。
つまり、清志氏と瑠麗氏は、トライベイの事業を介して利害を共有するビジネスパートナーでもあったのだ。一方で、前出の関係者は次のように指摘する。
「コンサル契約後しばらく経っても、山猫側から、報告書などの成果物がトライベイに提出された形跡はありません。そのため、コンサル契約の対価である385万円がどのように使われたかもわからない。トライベイ関係者からは『瑠麗さんに自由に使えるお金を渡すため、こうした契約が交わされたのではないか』と噂する声も聞こえてきます」
怪しげな実態は、請求書そのものからも透けて見える。書面右上に記された作成日は〈2020年9月1日〉になっていて、これは、コンサル契約が結ばれた9月4日よりも前の日付なのだ。山猫側は、その時点では実行されたはずのない業務の対価を求めているのである。
「もともと契約の実態がないので、トライベイにも山猫にも契約書類をきちんと作ろうという発想がないんです。多くの場合、お金が実際に動いてから後付けで書類が作られる。そのため、こうしたケアレスミスが起こっても不思議ではありません」(トライベイ関係者)
後編「3回にわたって無担保で…逮捕された夫の会社から三浦瑠麗の会社へ『3500万円』の金が流れていた!」に続く。
山猫とトライベイが結んだコンサル契約についての書面(左2枚)と、それについての請求書(右)
取材・文:宮下直之(ノンフィクションライター)
naoyukimiyashita@pm.me
PHOTO:結束武郎取材・文:宮下直之(ノンフィクションライター)
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