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東京21区議選の結果に自民真っ青…首都圏の議席壊滅危機で衆院解散に急ブレーキ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/322097
2023/04/25 日刊ゲンダイ
都市部は「自民ノー」が圧倒的(岸田首相と英利アルフィヤ氏)/(C)日刊ゲンダイ
岸田政権に対する「中間評価」の意味合いを持つ衆参5補欠選挙で、自民党は「4勝1敗」。勝敗ラインの「3勝2敗」を上回り、永田町の焦点は「岸田首相がいつ解散・総選挙に踏み切るのか」に移っている。とはいえ、山口4区以外は苦戦を強いられた末の薄氷の勝利で、党内に祝勝ムードはない。むしろ、今回の投票傾向から「総選挙の議席激減」を危ぶむ声すら上がっている。
「とにかく、ウチへの票の出方が悪すぎる」と言うのは、ある自民党関係者だ。東京21区議選の結果に青ざめたという。自民は21区議選に計295人の公認候補を立て、70人が落選。16人中7人と候補の半数近くが敗れた杉並をはじめ、各区で議席を取りこぼした。
落選者で目立つのは当選3回以上の中堅・ベテランだ。それだけ新陳代謝を求める有権者が多い証拠だが、自民新人の初当選組は江東区の井川諒太郎候補(31)など40人にとどまり、改選前から総獲得議席を10減らした。
「結果以上に内容が乏しい。世田谷は、日本維新の会の現職がトップ当選。3位も維新の新人でそれぞれ、約1万4000票と約1万2000票を獲得したのに、ウチで最も順位の高い7位の37歳新人女性は約6800票止まり。定数50で14人が当選したが、順位は中間以降に固まり、立憲にも水をあけられた。目黒も維新の新人がトップ。ウチの最高は7位で獲得票数はトップの半数以下です。中野にいたってはトップ10入りすらできず、最高は14位。千代田、墨田、豊島でトップ当選を果たしたとはいえ、圧勝した選挙区は1つもなかった」(自民党関係者)
「首都圏の議席は半減必至」の声
「解散」については「今は考えていない」と、慎重な岸田首相(C)共同通信社
都内三多摩エリアの22市町村議選の結果も同様で、自民は改選前158議席から143議席と15議席減。千葉5区補選を見ても顕著なように、無党派層の多い都市部の基調は「自民ノー」だ。2年前の総選挙で千葉5区では「政治とカネ」の問題で辞職した薗浦健太郎前衆院議員(自民離党)が約11万票を獲得。今回の補選で自民の英利アルフィヤ候補は約5万票しか取れず、半減以上だ。乱立5野党の総獲得票数は約11万票で、野党側が候補者を一本化していればダブルスコアの大敗を喫する可能性もあった。
加えて連立パートナー、公明党の党勢衰退も激しい。「全員当選」を掲げて臨んだ統一地方選の候補1555人のうち12人が落選。1998年に現在の公明党となって以降で最多だ。集票マシンに陰りがみえ、「全勝神話」も今は昔。落選者を出したのは愛知県議選や大阪市議選、都内5つの区議選など大都市圏が中心だ。学会票の上積みが期待できなければ、都市部の自民党はますます苦しい選挙戦を強いられる。
冒頭の自民党関係者は「今、解散・総選挙に打って出れば都市部で議席を大幅に減らすのは必至。統一地方選の票の出方だと、首都圏の議席は半減してもおかしくない」と嘆いた。党内に渦巻く悲鳴は岸田首相の解散戦略にどう響くのか。
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