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なぜ内閣支持率が戻ったのか…「妖怪の孫」の原案者が看破する「30年ぶり賃上げ」のマヤカシ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/322015
2023/04/22 日刊ゲンダイ
春闘の集中回答日を迎え、労使交渉の回答状況をボードに書き込む産業別労働組合「JAM」の職員(C)共同通信社
統一地方選は4月23日に衆参5選挙区の補欠選挙を含めて、投開票が行われる。その直前に岸田内閣の支持率がやや持ち直しているのは、遊説中に爆弾を投げ込まれながら、ひるむことなく選挙活動を続けている岸田政権の“覚悟”を評価したものなのか。それとも、岸田政権で暮らしが良くなると期待しているのか。少なくとも今年の春闘では大手企業の間で満額回答が相次ぎ、メディアも30年ぶりの賃上げ水準などと煽ったことから、庶民の期待が膨らんでいるのかもしれない。しかし、今年の賃上げを評価する前提として、過去にどれだけ損をしてきたかの検証も必要だ。
映画「妖怪の孫」の原案となった「分断と凋落」(日刊現代発行)の著者、古賀茂明氏は「日々のニュースに惑わされず、報道の本質を見抜く“リテラシー”が必要」とこう言う。
「賃上げのニュースには二つの意味でマヤカシがあります。一つはいくら30年ぶりの賃上げと言っても、これまではどうだったのか、そこがすっぽり抜け落ちていること。日本はGDP3位ですが、その中身たるや惨憺たるものです。1990年の日本のGDPは3.2兆ドルで米国の半分以上、3位のドイツの2倍、中国の8倍でした。2021年のGDPは4.9兆ドルで30年間で54%しか増えていない。伸び率が低いから今や、米国のGDPの5分の1まで落ちぶれて、中国に抜かれ、ドイツには16%差まで追い詰められている。一人当たりGDPは2000年は2位だったのに、今や27位(23年)。5位のシンガポール、8位のカタールの後塵を拝する有様です。平均給与はOECD38国中24位。韓国やイタリアにも負けているのです」
つまり、ちょっと賃金が上がったところで、今までのツケを取り返せないし、この賃上げが持続的にならなければ話にならない。さらには賃上げが物価上昇を上回り、実質賃金が上がらなければ、庶民の暮らしは良くならない。
「ここにもう一つのマヤカシがあります。物価上昇が4%で、だから、岸田政権は企業に5%以上の賃上げを要請した。大企業はそれに応えているかに見えますが、この5%の賃上げの中には定期昇給分とベースアップ分(ベア)の両方が含まれている。定昇分はおおむね1.8%で、これは岸田政権が何も言わなくても上がる。真の賃上げとはベアのことで、こちらはというと3%程度しかないのです。これでは物価上昇に追い付かないから、実質賃金はマイナスになる。この3%程度のベアも怪しいもので、日本経済研究センター集計の民間予測では定昇1.78%、ベア1.08%です。しかもこれは大企業の数字ですから、中小企業はもっと厳しい。岸田政権で暮らしが良くなるなんて、とんでもない誤解です」
いち早く、そうした惨状に気づいた若者はどんどん、海外に出て行っている。日本人のオーストラリアへのワーキングホリデーでのビザ申請数は2021年7月〜2022年6月までで前年比2.4倍だ。働きながら語学を身につけ、お金がたまったら、本格的な留学に切り替える。そんな若者が増えている。円安の上に、向こうの給料は高いから、カフェや寿司屋でのアルバイト代は時給2500〜3000円になる。海外に出稼ぎに出る時代になったのである。
それなのに、自民党政権はまだアベノミクスの失敗を認めず、反省をしていない。反省がなければ、政策転換もあり得ない。日本の地盤沈下は止まらない。選挙の際には、こうしたことも判断材料にしたいものだ。
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