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2024.01.16
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202401160000/
ドイツはNATO軍とロシア軍との戦争を戦争を想定し、準備を進めていると同国のタブロイド紙「ビルト」は伝えた。「秘密の連邦軍文書」からの引用だとしているが、これはオラフ・シュルツ政権が自分たちの失政から国民の目を逸らすことが目的だと見られている。
シュルツ内閣で外務大臣を務めるアンナレーナ・ベアボックは2022年8月31日に「フォーラム2000」で「ドイツの有権者がどのように考えようとも、私はウクライナの人びとを支援する」と発言、23年1月24日に「われわれはロシアと戦争している」とPACE(総州評議会議会)で口にした。ウクライナに対する軍事支援に積極的、つまりロシアと敵対する政策を推進しているが、これはシュルツ政権の特徴だと言えるだろう。
シュルツやベアボックの言動はアメリカ政府の政策に沿うもので、ロシアとの戦争へと向かっている。ドイツとロシアの対立はイギリスが19世紀から仕掛けて、アメリカが引き継いだ戦略だ。
バラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒してネオ・ナチ体制を樹立した。その目的のひとつはロシアの喉元に短刀を突きつけることにあったが、もうひとつはロシアとヨーロッパを結びつけていた天然ガスのパイプラインを断ち切ることでロシアとヨーロッパ、双方を弱体化させることにあった。
しかし、ロシアの天然ガスを入手したいドイツはロシアと共同で、ウクライナを迂回してバルト海を経由する2本のパイプライン「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」を建設した。
NS1は2010年4月に建設が始まり、11年11月から天然ガスの供給が始められる。ウクライナの体制がクーデターで変わった後の2015年6月にガスプロムとロイヤル・ダッチ・シェルは共同でNS2の建設を開始、18年1月にドイツはNS2の建設を承認、21年9月にパイプラインは完成している。
アメリカやポーランドはNS1やNS2の建設や稼働に強く反対し、ドナルド・トランプ政権下の2020年7月には国務長官のマイク・ポンペオがNS2を止めるためにあらゆることを実行すると発言。2021年1月に大統領がジョー・バイデンに交代しても状況に変化はなく、22年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官はロシアがウクライナを侵略したらNS2を止めると発言している。2月7日にはジョー・バイデン大統領がNS2を終わらせると主張し、アメリカはそうしたことができると記者に約束した。
そして2022年9月26日から27日にかけての間にNS1とNS2は爆破される。パイプラインが爆破された1分後にイギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送ったと伝えられている。携帯電話がハッキングされたようだ。
その当時、イギリスの閣僚が使っていた電話がハッキングされていたことを疑わせるできごとがあった。イギリスのベン・ウォレス国防相は10月18日、アメリカの国務省や情報機関の高官と会うために同国を秘密裏に訪問しているのだ。電話を使わなかった。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2023年2月8日、アメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りてノードストリームを破壊したとする記事を発表した。
ハーシュによると、アメリカのジョー・バイデン大統領は2021年後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成、その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加している。12月にはどのような工作を実行するか話し合ったという。そして2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申している。ロシアがウクライナを攻撃する前だ。
この作戦をシュルツ首相は事前に知らされていたという話も伝えられている。真偽は不明だが、少なくとも爆破後にシュルツが事件を調べようとせず、有耶無耶なまま終わらせようとしているとは言える。
アメリカに従属するというシュルツの政策は低コストのエネルギー資源を入手する道を断ち切ったことでドイツは深刻な不況に突入、製造業は大きなダメージを受け、消費は減少し、産業空洞化が問題になっている。ドイツ国民の7割から8割がシュルツ政権を支持していないとも言われているが、当然だろう。アメリカ/NATOは簡単にロシアに勝ているという妄想の結果だ。
ビルト紙はNATO軍とロシア軍との戦争が2025年夏に始まるかもしれないとしている。2023年1月27日にアメリカ空軍航空機動軍団のマイク・ミニハン司令官は2025年にアメリカと中国が軍事衝突する可能性があるとしていたことを思い出させる。
ウクライナがロシアに敗れたことをアメリカ/NATOは隠しきれなくなっている。昨年、アメリカ/NATOが仕掛けた「反転攻勢」が大失敗に終わったことは西側も認めざるをえない状況で、ビルト紙は今年6月までにキエフ軍は撤退に追い込まれるとしている。
ウクライナの敗北を西側も認めざるをえなくなると、西側の人びともウクライナでの戦闘について考え始め、「大本営発表」に気づくことになるだろうが、そうしたことをアメリカの支配層は望んでいないはずだ。NATO諸国で軍事的な活動が活発化している理由もその辺にあるのかもしれない。ジョー・バイデン政権は今年の大統領選挙に合わせ、新たな軍事衝突を演出する可能性がある。ドイツのシュルツ政権も国民の自分たちに対する批判を和らげるため、「ロシアの脅威」を煽りたいだろう。
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