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ウクライナ、ガザ、韓国でアメリカの世界制覇プロジェクトが崩れ始めている(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/879.html
投稿者 蒲田の富士山 日時 2024 年 1 月 10 日 12:21:44: OoIP2Z8mrhxx6 ipeTY4LMlXiObY5S
 

2024.01.10XML

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202401100000/

 ​2014年11月から17年12月にかけてUSAREUR(米国欧州アフリカ陸軍)の司令官を務めたベン・ホッジスがウクライナの敗北を認めた​と話題になっている。ロシア軍が空と陸からの攻撃を拡大している一方、ウクライナ軍は防空ミサイルや弾薬が不足していると語っている。
 昨年末の段階でもホッジスはウクライナ軍がアメリカの支援を受けて部隊を再編、砲弾や兵器を増産、電子戦でロシアに対抗する能力を獲得し、夏までにはF16戦闘機でロシア軍の戦闘機に対抗できるようになると主張していた。アメリカ/NATOの生産能力はロシアの数分の一に過ぎないにもかかわらず、ホッジスはロシアの兵站体制が脆弱だともしていた。これが妄想にすぎなかったことを認めたわけだ。
 ウクライナの敗北は2022年2月24日にロシア軍がドンバス周辺に集結していたウクライナ軍部隊をミサイルで壊滅させ、ロシア軍はウクライナの航空基地、レーダー施設、あるいはアメリカ国防総省が生物兵器を研究開発していた施設を破壊した頃から言われていた。
 そこでウクライナ政府はイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役としてロシア政府と停戦交渉を開始、双方とも妥協して停戦は実現する寸前まで行った。
 ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛び、プーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつける。その足で彼はドイツへ向かい、オラフ・ショルツ首相と会うのだが、その日、ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺している。現在のSBUはCIAの下部機関だ。
 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。​アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と昨年6月17日に会談しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している​。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。
 停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了する。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。
 ロシア軍が撤退した後、ウクライナの親衛隊が現地に入るが、その後に西側の有力メディアはロシア軍が住民を虐殺したとする宣伝を始めて停戦交渉を壊した。
 その間、4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。
 そこからアメリカ/NATOは武器弾薬の供給や兵士の訓練といった軍事的な支援を強化するのだが、彼らの思惑通りには進まない。そこで武器弾薬は枯渇、兵士の死傷者は膨らみ、ベン・ウォレス前英国防相は昨年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると語っている。
 そうした状況のため、十分な訓練をしないまま前線に投入せざるを得なくなり、アメリカ/NATOはウクライナ兵に「バンザイ突撃」を繰り返させて死傷者を増やした。それでもウクライナ軍はロシア軍に勝つと言い張っていたホッジスだが、ついに「ウクライナの悪夢のシナリオが現実になりつつある」と言わざるをえなくなったわけである。
 そうした中、昨年10月7日にハマスをはじめとする武装勢力がイスラエルを攻撃した。この攻撃をイスラエル政府やアメリカ政府は事前に知っていたと言われているが、イスラエル側はパニックになっている。
 ハマスがイスラエルに攻め込んだ直後、イスラエル軍は自国民を殺傷している。この事実はイスラエル国内でも大きな問題になっている。イスラエル軍はガザへ攻め込んで建造物を破壊、人びとを殺傷してきた。すでに殺されたガザの住民は2万数千人に達した。そのうち約4割は子ども、女性を加えると7割以上に達すると言われている。現地で取材しているジャーナリストも攻撃の目標になっているが、その一方でハマスは崩壊していない。イスラエル政府は戦乱を拡大させようとしているとも言われているのだが、そうなるとバイデン政権はさらに厳しい状況に陥る。
 アメリカ政府はエネルギー資源を支配し、ロシアや中国を破壊しようとしてきた。この戦略は1991年12月にソ連が消滅した直後、ネオコンによって作成されている。1992年2月に書き上げられたDPG(国防計画指針)草案だ。
 その当時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。草案はウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。ジョージ・W・ブッシュ政権以降、アメリカの世界戦略はこれに基づいて決められてきた。
 このドクトリンは第1の目的を「新たなライバル」の出現を阻止すること。さらに、ドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れ、新たなライバルの出現を防ぐとも謳っている。
 アメリカは東アジアで中国と戦うため、オーストラリア、インド、そして日本と「クワド」を、またオーストラリアやイギリスと「AUKUS(A:オーストラリア、UK:イギリス、US:アメリカ)」という軍事同盟を組織した。
 AUKUSは中国やロシアを仮想敵とする「アジアのNATO」だとも言われているが、NATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は2020年6月、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言している。
 現在、東アジアにおけるアメリカの軍事的な手先は日本と韓国だ。日本が1995年にアメリカの戦争マシーンに組み込まれたことは本ブログで繰り返し書いてきた。韓国の場合、2017年4月、「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」へTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器が運び込まれ始めた。
 このシステムをアメリカが持ち込んだ理由は中国を攻撃する能力を高めることにあるとみられ、韓国政府はTHAADの配備に難色を示していた。そうした韓国側の抵抗を突破したいアメリカにとって好都合な事件がその頃、浮上する。
 韓国では2013年2月、朴槿恵が大統領に就任したが、その直後に安倍晋三内閣の閣僚が靖国神社を参拝、中国や韓国の反発を招いた。韓国政府は「深い憂慮と遺憾の意」を表明し、尹炳世外相の訪日を取りやめている。こうした事態はアメリカにとって都合が悪い。
 政治的な立場によらず、韓国の歴代政府は朝鮮半島で軍事的な緊張が高まる政策を避けてきた。朝鮮半島では1950年6月から53年7月にかけて戦争があり、破壊と殺戮の場となった記憶があるからだろう。
 この戦争でアメリカ軍は大規模な空爆を実施、SAC(戦略空軍総司令部)の司令官だったカーチス・ルメイによると、朝鮮の人口の20%を殺している。実際はそれ以上だろう。この戦争で投下された爆弾は約63万5000トンだと言われているが、第2次世界大戦中に日本へ投下された量は約16万トンだ。
 朴槿恵の父親、朴正煕は1961年5月にクーデターで実権を握った独裁者だが、1970年代の後半にはソ連に接近していたと言われている。そして1979年10月26日、朴正煕は暗殺された。
 中央情報部長だった金載圭が大統領と車智K警護室長を射殺したとされているが、金載圭が持っていた銃に装填できる弾丸の数より発射された弾丸の数が多いと言われている。この暗殺はアメリカが主導したクーデターで、それを全斗煥がひっくり返したとも言われている。当時、韓国では軍事政権に反対する民主化運動があったがそれを利用したと推測する人もいる。
 ところで、朴槿恵の失脚には尹錫烈が深く関与している。2013年にはNIS(国家情報院)の大統領選挙介入疑惑を捜査、16年に朴大統領を捜査する特別検察官チームのトップとなった。
 2013年の疑惑とは、NISが2012年の大統領選挙で朴大統領を勝たせるため、インターネットの書き込みを利用したというもの。検事だった尹は朴槿恵政権の正当性を攻撃している。
 2016年末に韓国の放送局JTBCは朴大統領の友人だった崔順実(崔瑞源)が国家機密情報を受け取っていたと報道、証拠としてタブレット端末を示した。JTBCはこのタブレット端末を検察に提出し、検察はJTBCの報道を「事実」として認める。韓国の当局は崔と安鍾範前大統領府政策調整首席秘書官らを職権乱用や公務上機密漏洩などの容疑で2016年11月に起訴、朴大統領も共犯だとされた。なお、崔順実の父親、崔太敏は朴正煕大統領と関係のあったカルト教団の教祖だという。
 しかし、JTBCは青瓦台関係者のタブレットPCを入手し、検察と協力し、あたかも民間人が大統領から様々な機密を持ち出したかのように見せかけたのだと主張する人がいる。報道も捜査もでっち上げだというのだ。
 結局、朴槿恵は失脚したが、その直前、​国軍機務司令部が戒厳令を計画、合同参謀本部議長の命令ではなく陸軍参謀総長の指示で陸軍を動かそうとしていた​とも伝えられている。権限を持たない国軍機務司令部が戒厳令を計画したとする話が事実なら、これはクーデター計画にほかならない。
 尹錫烈は文在寅政権でソウル中央地検の検事正になり、李明博元大統領や梁承泰元最高裁長官を含む保守派の主要人物を逮捕、文大統領の信頼を得て検事総長になった。その後、尹は次期大統領候補と目されていた趙国法務部長官(当時)に対する捜査を開始、尹が大統領に就任した後、彼の指揮で検察は民主党の李在明党首を収賄容疑で捜査している。
 大統領に就任した尹錫烈はアメリカの命令に従って行動、日本と軍事的な同盟関係を結び、逆に中国やロシアを罵り始める。朝鮮半島だけでなく台湾問題にも首を突っ込み、東アジアにおける軍事的な緊張を高め始めた。それだけでなく、武器弾薬が枯渇したアメリカ/NATOに代わり、日本と同じように韓国も武器弾薬を供給する姿勢を見せている。
 尹錫烈はアメリカの支配層にとって目障りなふたつの勢力を潰し、ネオコンにとって都合の良い政策を推進している。  

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