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ブリンケン米国務長官、イスラエル入り 政府高官らと会談へ 協議は難航も／産経新聞
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【カイロ＝佐藤貴生】中東歴訪中のブリンケン米国務長官は８日、サウジアラビアからイスラエルに到着した。９日、イスラエルで同国政府高官らとイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘について協議する。ブリンケン氏はパレスチナ自治区ガザの戦闘では民間の犠牲を抑えるため精密攻撃への転換を求め、支援物資の搬入増に向けた努力を促す。ブリンケン氏はヨルダン川西岸のパレスチナ自治区も訪問する。
ガザ保健当局は８日、過去２４時間の死者が約２５０人に達し、昨年１０月の戦闘開始以来の死者が２万３０００人を超えたと発表した。ブリンケン氏と会談したヨルダンのアブドラ国王が、「即時停戦に向け米国はイスラエルに圧力をかけるべきだ」と述べるなど、中東では米国が事態収拾に力を発揮すべきだという見方が強まっている。
国際的に強まる逆風を受け、イスラエルのガラント国防相は４日、ガザの戦闘と戦後統治に関する計画を発表した。軍事攻撃は「新たな戦闘に移行する」とし、戦後のガザはイスラエルが統治せず、ハマスと無関係のパレスチナ人が統治するとした。最大の後ろ盾である米国などの意向に配慮したとみられる。
ただ、「新たな戦闘」が何を意味するかは不明で、イスラエル軍は今後も空爆や地上作戦を続け、ハマス指導部壊滅に向けた作戦も「必要なだけ続ける」としており、民間の犠牲が減るかは見通せない。
また、計画は戦後統治では米国が求めるパレスチナ自治政府の名前を挙げておらず、パレスチナ人の統治主体が判然としない。米国主導の下で欧州や周辺国が「ガザの復興を担う」としているが、反イスラエル感情が高まる中東諸国や欧州各国が同意するかは不明だ。
ガラント氏の計画を一言でいうと、米国をはじめとする国際社会の批判をかわしつつ、政権内の対パレスチナ強硬派の極右閣僚を牽制（けんせい）する内容になっている。米紙ニューヨーク・タイムズ（電子版）は国内外の反応を見るための「観測気球」だという見方を示した。
米国とイスラエルは、ハマス壊滅も道半ばのなかで戦後統治の方策を示すよう国際社会から求められており、ブリンケン氏とイスラエル側の協議は難航も予想される。
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