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中国EU首脳会談 4年前とは一転、欧州との亀裂が鮮明に/
Milton Ezrati によるストーリー
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E4%B8%AD%E5%9B%BDeu%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87-4%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%B8%80%E8%BB%A2-%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E3%81%A8%E3%81%AE%E4%BA%80%E8%A3%82%E3%81%8C%E9%AE%AE%E6%98%8E%E3%81%AB/ar-AA1mdDFr?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=8f82335a8b3b47559a8652ab54602cd3&ei=31
中国と欧州連合(EU)は12月初旬、2019年以来4年ぶりとなる対面での首脳会談を終えた。しかし、前回のような友好的な雰囲気や協力の呼びかけはなく、両者の険悪な関係が浮き彫りとなった。
中国政府はこの会談を利用して、米国とEUの間にくさびを打ち込むつもりだったに違いない。だが、そうはいかなかった。今回の会談では、EUの対中姿勢が米国のそれとほぼ一致していることが示された。
2019年の会談を振り返ると、4年という歳月がいかに大きな違いを生み出すのかを感じさせられる。前回の会談では写真撮影の際に笑顔があふれ、両者の協力全般、特に鉄鋼分野での協力を含む3000語におよぶ共同声明が発表された。声明には、高速大容量通信規格「5G」網の共同開発や、南シナ海と東シナ海の緊張緩和に向けた取り組みなどが盛り込まれた。EUも中国も、ロシアとウクライナの意見の相違を交渉するに当たってミンスク合意を支持し、中国の新疆ウイグル自治区を含む世界中の人権問題を巡って協力すると表明していた。特に2019年の首脳会談の直前にEUは中国を「制度上の競争相手」と指定していたため、会談の友好的な雰囲気は、両者が親善と協力を継続する証として受け止められた。
ところが今回の首脳会談に関する報道では、4年前の言葉がまるで別世界のものであるかのように聞こえる。会談の規模は大幅に縮小され、中国側からは習近平国家主席と李強首相が、EU側からはシャルル・ミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)とウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長の4人だけが顔を合わせた。また、4年前の首脳会談を飾った参加者全員の笑顔の写真撮影もなかった。
習首席はEUを通商関係や技術協力における「重要な相手」と呼び、互いを「競争相手」と見なす必要はないと主張したが、一方のEU側は経済・外交上の問題点を中国側に突きつけた。欧州はすでに論調を変えるための舞台を整えていたのだ。EUは新疆ウイグル自治区での人権侵害疑惑を巡って中国に制裁を科すとともに、関税の賦課につながりかねない中国政府による電気自動車生産への補助金についても調査すると事前に発表していた。欧州随一の経済大国であるドイツは、中国の華為技術(ファーウェイ)を5G網から追放すると警告していた。
今回の首脳会談でフォンデアライエン欧州委員長は、EUの対中貿易赤字が過去2年間で倍増し、4000億ドル(約56兆5400億円)に達していると強調。さらに、中国政府が外国企業の市場参入を制限しながら国内事業を優遇していることや、中国国内の過剰生産能力によって欧州企業が弱体化する例もあると指摘した。同委員長の姿勢は、ドナルド・トランプ前米大統領が中国製品に関税をかけた2018年以降の米政府とほぼ完全に一致していた。米国と同様、欧州は中国との貿易を縮小する必要があると述べたが、米政府が「切り離し」という言葉を使ったのに対し、同委員長は「リスク回避」という言葉を選んだ。
会談では貿易にとどまらず、より慎重に扱うべき外交問題も議題に挙がった。EU側の両首脳は習首席に対し、ウクライナ紛争の早期解決に向け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に影響力を行使するよう迫った。その上で「中国政府がこの紛争でロシアを軍事面で支援したり、ロシアの制裁逃れを手助けしたりすれば、EUと中国の関係は取り返しのつかない損害」を被る恐れがあると警告。また、新疆ウイグル自治区での人権侵害に触れ、台湾への武力行使をけん制した。一方の習首席が自国の「一帯一路」構想とEUが並行して進める「グローバル・ゲートウェー」計画との協調を提案した際も、EU側は冷静な態度を崩さなかった。なぜなら、EUの計画はまさに中国の一帯一路に代わるものとして実行に移されたからだ。
もし中国政府が欧州との友好関係を築くことで、米国の強硬な対中姿勢に水を差すことを期待していたとすれば、それは失敗に終わった。EUは米国と同じく貿易や投資を巡る中国への不満や非難を表明し、人権や台湾を巡る問題についてはさらに強い言葉を使うことで、中国の野心に疑念を抱いていることを示した。中国政府が常に望んでいる欧米の分断という印象は打ち出せず、逆に欧米の一致団結とまではいかないまでも、西側諸国が中国に対して抱く共通の敵意という構図が露わになった。
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