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ガザ侵攻計画練り直し迫られるイスラエル−人質とヒズボラの存在意識/Ethan Bronne
Ethan Bronner によるストーリー •
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%AC%E3%82%B6%E4%BE%B5%E6%94%BB%E8%A8%88%E7%94%BB%E7%B7%B4%E3%82%8A%E7%9B%B4%E3%81%97%E8%BF%AB%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB-%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E3%81%A8%E3%83%92%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%AD%98%E5%9C%A8%E6%84%8F%E8%AD%98/ar-AA1iIMtS?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=b9f27639f17d49a79fdec57a641880b6&ei=8
(ブルームバーグ): パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる7日の奇襲攻撃を受け、イスラエルが戦争状態を宣言してから2週間余りがたった。いつ開始されてもおかしくない地上侵攻の規模を巡り、練り直しを求める声が同国内で広がっている。
ネタニヤフ首相の戦時内閣の議論に詳しい複数の関係者の話では、さまざまな懸念が圧力となっている。具体的には、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが北方からミサイル攻撃を仕掛けるとの懸念や、ハマスに連れ去られた約200人に上る人質の安否、イスラエル軍の犠牲者のリスクなどがある。
そうであっても、イスラエル軍が地上侵攻しないというわけではなく、空爆も続けている。ただ、軍事作戦の性質は日々再検討されている。安全保障を担当した一部ベテランは、国民1400人もの命を奪ったハマスの奇襲に怒りに燃えて復讐(ふくしゅう)しようとするではなく、入念に対応すべきだと注意を呼び掛けている。
国家安全保障担当補佐官を務めたヤーコフ・アミドラー氏は22日遅くのテレビで、「地上作戦を待つことで何の害もない」と指摘。「1日が過ぎるごとにわれわれに有利となりハマスには不利となる。時間がたてばたつほど、ガザでの空軍力行使の必要性も減る」と語った。
米国と欧州連合(EU)がテロ組織に指定するハマスの壊滅が目標であることに変化はない。ガラント国防相は20日、地域に「新たな安全保障の現実」をつくり出すのがイスラエルの最終目標だとあらためて表明した。だが、それには忍耐を要すると元安全保障担当者らは話す。
一方、地上侵攻の開始時期がずれ込めば、その性質が変わり、広範な攻略よりも特定の標的にもっと的を絞ったものになる公算が大きくなるとの指摘もある。実際、「侵攻(invasion)」よりも「作戦行動(maneuver)」という単語の方が多く用いられるようになっている。
外国人や二重国籍者に重点を置いた人質解放の交渉も重要な要素となっている。さらに関係者は、ネタニヤフ首相は軍・国防当局者の一部に比べ、ガザ地区内部での兵力使用に今や慎重になっていると見受けられると話す。首相と話している人物の話では、イスラエル軍は現時点で可能なだけハマスを攻撃しており、時間をかけることができるとの感触だという。
また、地上戦となればイスラエル兵に多大なリスクが及ぶ。ハマスが張り巡らしたトンネルは破壊されておらず、反撃の準備を進めている。
米国の関与
イスラエルの計画策定には米国が重要な役割を果たしており、助言や支援を与えるほか、イスラエル高官に対し、軍事面だけでなく政治・宗教的な面も持つハマスを壊滅させた場合の影響や、アラブ諸国との新たな関係を失うリスクなど厄介な問題にも向き合うよう、やんわりと促している。
米国は民間人の犠牲者が増えるリスクにも警告を発し、ガザ地区への支援物資搬入も強く求めている。それと同時に地中海東部に二つの空母打撃群を派遣するとともに、ミサイル迎撃システムの配備を増強するなど、地域における軍事プレゼンスを高めている。
複数のイスラエル当局者は、同国として二つの明確なメッセージを発信する必要性を指摘する。まず、ヒズボラなどに対しては、同国が敵に手痛い代償を払わせると伝える一方、米国をはじめとする西側諸国には、人命尊重の価値観を共有しイスラム軍事勢力とは違うと強調することを意味する。
元イスラエル情報当局者でアラブ問題についての著書があるアビ・メラメッド氏は電話インタビューで、総合的な事情を考慮し、さらに準備を進めて確実に米国の賛同を得ることが必要だとコメント。「イスラエルと米国との間に協調がなければならず、辛抱強くあらねばならない」と論じた。
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