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ナゴルノカラバフ武装解除 強者の論理と人道の懸念/石川一洋・nhk
2023年09月25日 (月)
石川 一洋 専門解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/487830.html
アゼルバイジャンとアルメニアの民族紛争、ナゴルノカラバフ問題でアゼルバイジャンが軍事作戦に踏み切り、アルメニア側は事実上敗北しました。石川一洋専門解説委員に聞きます。
Qアゼルバイジャンとアルメニアの指導者の表情対照的ですね。
A両国はソビエト連邦末期より、アゼルバイジャン領内のアルメニア人の多く住むナゴルノ=カラバフの帰属をめぐり争ってきました。ロシアはアルメニアの、トルコはアゼルバイジャンの後ろ盾でした。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、今は軍事力でも、国際情勢も有利として、「反テロ作戦」の名目で、武装解除を要求、強者の論理でアルメニアに屈服を迫ったのです。
アルメニアの後ろ盾ロシアは動こうとしませんでした。
Qなぜでしょうか
Aウクライナへの軍事侵攻で手一杯なことと、アルメニアの政権がアメリカ寄りの姿勢を示すことへの不快感、さらにアゼルバイジャンの後ろ盾トルコとの関係がより重要だと考えたのでしょう。
Qアルメニアは孤立無援だったのですね。
Aそうですね。アルメニアのパシニャン首相はもはや守る力はないとして、現地のアルメニア人勢力が武装解除して停戦受け入れするのを黙認するしかありませんでした。アルメニアの事実上の敗北です。
実は、ソビエト連邦崩壊後、アルメニアが今とは逆に軍事力で圧倒、イラン国境にいたる地域まで実効支配してきました。しかしアゼルバイジャンは石油の富とトルコの軍事支援で力を蓄え、三年前軍事力で周囲の占領地はすべて奪還し、ナゴルノ=カラバフは風前の灯火ともいえました。
Q今後懸念されることは?
A両民族の憎しみが深いだけに人道危機の発生が懸念されます。
アゼルバイジャン側は、アルメニア人の権利は保護するとしていますが、すでに多数のアルメニア人が本国に難民として逃れ、残った人も不安を感じています。
ただ両国が恩讐を乗り越えて、歴史的な和解をすれば、カスピ海から地中海に至るコーカサス回廊が生まれるかもしれません。そうすれば東西をつなぐ交流の道となり、大きな地政学的な変化をもたらすかもしれません。
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