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中露と米国の対立を長期化する/田中宇
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/478.html
投稿者 仁王像 日時 2023 年 9 月 17 日 06:10:54: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

中露と米国の対立を長期化する/田中宇
https://tanakanews.com/

 【2023年9月16日】
 中露と長く対立するというブリンケン国務長官の宣言は、BRICS拡大など非米側の台頭を受け、米国自身が単独覇権体制の終わりを認めたことを意味する。
 中露敵視は不必要で不合理な策だ。中国もロシアも、米国側に何の脅威も与えていない。中露敵視は、敵対構造を長期化し、中露が非米諸国を率いて米国抜きの世界体制を作るように仕向け、世界を多極型の覇権構造に転換させる隠れ多極派の策である。  

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コメント
1. てんさい(い)[1489] gsSC8YKzgqKBaYKigWo 2023年9月17日 06:42:08 : 0kUGInjLpY : ZUJoU1c2MzFGUzY=[509] 報告
<■205行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
てんさい(い)抜粋

米国は、中枢に巣食った隠れ多極派の意図に沿って自滅している。今回の、中露を倒そうとする米国の新戦略は自滅を加速する。

米政府が、バブル延命策を持たずに中露との長期対立を予定するとは考えにくい。あと2-3年ぐらいはバブルを延命させてドル崩壊を先延ばしし、中露など非米側との対立を続け、非米側が米国に全く頼らずに世界経済と国際社会(多極型覇権)を運営していけるようにするのでないか。

「一つの時代」というなら10年ぐらいは続く必要がある。予測が難しい。


全文 全文 全文 全文 全文 全文 全文 

米国のブリンケン国務長官が4月13日の講演で、世界は米国主導で比較的安定していた「冷戦後の時代」が終わり、米国が中露と対立し続ける時代(対立的な新世界秩序)に入ったと、時代の転換を宣言した。
この宣言は、先日のBRICS拡大など非米側の台頭を受け、米国自身が単独覇権体制の終わりを認めたことを意味する。同時に、米国が今後かなり長い期間にわたって中露(など非米側)と対立していくという表明でもある。

https://countercurrents.org/2023/09/blinken-calls-for-new-world-order-to-counter-russia-and-china/
Blinken Calls for New World Order to Counter Russia And China

ブリンケンは、米国が主導していた冷戦後の世界体制が普遍的な価値観(人権、民主)と国際法を尊重する良いものだったと自賛した上で、中露は従来の世界体制を「米国による強圧的な支配だ」と批判つつ破壊し、替わりに中露など全体主義(非米側)諸大国による新たな支配体制を作ろうとしており、米国はNATOや日韓豪との同盟を率いて中露に勝たねばならない、と主張した。

https://www.state.gov/secretary-antony-j-blinken-remarks-to-the-johns-hopkins-school-of-advanced-international-studies-sais-the-power-and-purpose-of-american-diplomacy-in-a-new-era/
Blinken Remarks “The Power and Purpose of American Diplomacy in a New Era”

https://www.rt.com/news/582934-blinken-post-cold-war-order/
The Old World Order is over - Blinken

ブリンケンは、国際秩序を壊したロシアを勝たせぬよう、ウクライナを支援してロシアを打ち負かさねばならないとか、中国は経済や軍事外交やハイテクの力を使って国際秩序を作り変えようとしているので長期的に最大の脅威だとも述べた。
ブリンケンは「時代の転換」という長期の話をしており、米国がこれからもずっと中露を敵視し続ける方針を打ち出している。ウクライナ戦争は、少なくとも今後2-3年は続くとロシアの議員も言っている。
またプーチン大統領は最近のウラジオ演説で「(来年の米大統領選挙で)トランプが返り咲いても、ロシア敵視やウクライナ戦争を終わらせることはない。トランプは対露制裁を続けると言っている」と述べ、米国は次期大統領が誰になろうがロシア敵視をやめないと予測している。

https://www.rt.com/russia/582833-ukraine-conflict-last-several-years/
Ukraine operation will last for a ‘few years’ - top Russian MP

https://www.zerohedge.com/geopolitical/putin-says-trump-wont-change-us-foreign-policy
Putin Says Trump Won't Change US Foreign Policy

ブリンケンの必勝論と裏腹に、ウクライナの戦場ではロシアの勝利が確定しており、米NATOがいくらウクライナを支援しても挽回できなくなっている。
ウクライナを戦わせる代理戦争でなく、米NATOが直接ロシアと戦争するなら勝てるかもしれないが、それは米露核戦争になって人類を滅ぼし、ブリンケンが描く「米国が中露と対立し続けて勝つ」シナリオにならない。米政府は今後もロシアとの直接の戦争は考えておらず、代理戦争しかやらないことがうかがえる。

https://www.moonofalabama.org/2023/09/russia-is-winning-in-arms-production.html
Russia Is Winning The Industrial Warfare Race

米国は従来方式のウクライナ国内での代理戦争で勝てないため、ウクライナが米NATOからもらったミサイルや無人機を散発的にロシア国内の奥深くまで撃ち込み、露軍が迎撃しきれなかった分がロシアの軍民の施設を破壊する新戦法を2-3か月前から採っている。
これまでは、ウクライナが米国の許可無く勝手に米国製兵器を露本土に撃ち込んでいることになっていたが、最近ブリンケンがこの撃ち込みについて、推奨しないが反対せず容認すると述べた。米国はウクライナに失地回復戦をやらせる代理戦争から、ロシアを戦場にする直接戦争に微妙に近づいている。
露政界では強硬派がプーチン大統領に「これまでのようにウクライナだけを相手にするのでなく、米国も敵とみなす戦争に入るべきだ」とせっついている。プーチンはまだ動いていない。のらりくらり。こちらも微妙だ。

https://responsiblestatecraft.org/atacms-ukraine-russia-putin/
Russian hawks push Putin to escalate as US crosses more ‘red lines’

この米露双方の微妙な動きは、すでに決着がついているウクライナ戦争を長期化していく。開戦当初から、プーチンと米政府中枢(ブリンケンやサリバンなど隠れ多極主義者たち)の両方が、超厳しい対露経済制裁によって米国側と非米側に世界経済を分断し、非米側が発展して米国側が自滅する世界体制の長期化・固定化を模索し続けてきた。
今回ブリンケンが発表した中露敵視の米長期戦略は、中露やBRICSなど非米側を結束させ、非米側の発展と米国側の自滅を引き起こす隠れ多極主義の戦略だ。プーチンは、怒ったふりをして実は大喜びでこの戦略に呼応する。

https://tanakanews.com/230710europ.htm
ロシアでなく欧州を潰してる

https://tanakanews.com/220624russia.htm
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類

プーチンは先日のウラジオ演説で「非米側が台頭して世界を席巻したのに、米国側はうっかりそれを無視して自滅している」と述べた。米国は、2000年以来の中露の結束推進などによる多極化を無視・放置した。私が見るところ、この無視は「うっかり」でなく昔からの意図的なものだが。
米国は、中枢に巣食った隠れ多極派の意図に沿って自滅している。今回の、中露を倒そうとする米国の新戦略は自滅を加速する。

https://www.rt.com/russia/582834-putin-eastern-forum-panel/
US decline, Kiev’s warmongering, Russian economic successes: Key takeaways from Putin’s panel in Vladivostok

米中枢のブリンケンやサリバンら(隠れ多極派)は最近、沿ドニエストル、シリア、アフリカのサヘル、ベネズエラなど、以前からロシアと対立していた地域での露敵視を強化することで、米露対立を世界的な規模で維持する策をとり始めている。
ウクライナの戦闘に決着がつき、米露対立を維持するには領域の拡大が必要だからだ。しかし、シリアでもサヘルでも、ロシアの優勢と米国側の不利が増すばかりで、米国の挽回はない。

https://responsiblestatecraft.org/biden-russia-wagner/
Hawks want Biden to take the fight with Russia global

https://tanakanews.com/230813afric.htm
アフリカの非米化とロシア

ブリンケンは、今回の方針提起で中国と対立すると言いつつ、台湾に全く言及していない。米国が台湾独立を正式に支持すると、米中は核戦争を含む本格戦争になりうるし、台湾が戦場になって破滅する。
米国は、そこまでのやる気がなく、米中の経済関係を断絶して米国側の経済を自滅させていくだけの策だ。ブリンケンは就任直後から、その手の中国敵視を続けてきた。

https://tanakanews.com/230822japan.htm
日米韓豪の中国敵視は茶番から自滅に

中国は、米国側と経済を断絶しても、発展が続く非米側で食っていける。対照的に米国側は、中国や非米側との経済関係を断絶したら衰退するばかりだ。米側マスコミは中国経済が破綻しつつあると喧伝するが、経済の悪化は中国より米欧の方がひどい。
米欧は実体経済が悪化しているのに金融相場が粉飾によってバブルが維持されており、米国経済は良いという大ウソが喧伝されている。中国は金融が悪化しても覇権崩壊しないが、米国は金融が悪化すると覇権崩壊する。

https://www.moonofalabama.org/2023/09/kasandras-beware-china-will-not-hit-the-wall.html
Kasandras Beware - China's Economy Will Not Hit A Wall

米国が金融崩壊して覇権が大幅低下したら、今回ブリンケンが宣言した中露との対立も継続できなくなる。米国が中露と長期対立するには、米国が金融崩壊・ドル崩壊しないことが必要だ。
米国は今後もインフレが悪化し続けることがほぼ確実だ。インフレが悪化し続けると米連銀FRBが利上げし、長期金利が上がって金融バブルが崩壊する。それを引き起こさずバブルを延命させることが必要だ。
インフレがさらに悪化すると、すでに不況になっている米実体経済がもっと悪化するが、米側マスコミは歪曲的な経済報道を続け、金融相場の高値が維持され、人々がそれを軽信する状況が続く。

https://www.zerohedge.com/personal-finance/middle-class-increasingly-becoming-impoverished-class-and-poor-are-increasingly
The Middle Class Is Increasingly Becoming "The Impoverished Class", And The Poor Are Increasingly Being Pushed Into The Streets

米政府が、バブル延命策を持たずに中露との長期対立を予定するとは考えにくい。あと2-3年ぐらいはバブルを延命させてドル崩壊を先延ばしし、中露など非米側との対立を続け、非米側が米国に全く頼らずに世界経済と国際社会(多極型覇権)を運営していけるようにするのでないか。
もしくはその前に、米国が威勢よく中露との対立を煽っているうちに、突然バブル崩壊して覇権が衰退し、非米側が世界を主導する状態へと転換するのか。

https://tanakanews.com/230713dollar.php
ドル崩壊しそうでしないのはなぜ?

https://tanakanews.com/230724eurasia.php
米覇権ゾンビの裏で非米側が新世界を構築

米国の中露敵視は、それ自体を見ると不必要で不合理な策だ。米国側が中露を敵視する必要は全くない。中国もロシアも、米国側に何の脅威も与えていない。ウクライナ戦争は、米国がウクライナを傀儡化してロシア系住民を殺させたことが悪の根源であり、ロシアは被害者だ。

https://archive.vn/S0BsT
The Russian invasion was a rational act

中露は、米国側を敵視していない。米国側が中露を敵視するから、中露は対応を余儀なくされている。米国が中露敵視をやめれば世界は平和になる。
中露が全体主義だと言うなら、バイデン政権の米国の方が全体主義だ。米民主党は、選挙不正を連発し、多くの愚劣なリベラル策で米国を自滅させている。独仏はポピュリストを不当に抑圧するエリート独裁だし、日本は官僚独裁体制だ。中国は1党独裁だが、ロシアは民主主義国だ。

https://tass.com/politics/1671659
Russia 'doesn’t need' Western-promoted pride agenda, says Lavrov

https://tass.com/russia/1672205
Russian election official reveals number of online votes cast so far

米国の中露敵視は、敵対構造を長期化し、中露が非米諸国を率いて米国抜きの世界体制を作るように仕向け、世界を多極型の覇権構造に転換させるための隠れ多極派の策である。
強くて善良な米国が覇権を持っている限り、中露など全世界が米覇権体制に満足している。だが、それでは米欧が新興諸国や途上諸国からピンはねして世界経済の成長を抑圧する体制が続いてしまう。
もともとの米国は善良だが、米国の覇権を裏で牛耳っている英国はピンはねで生きており、米国の軍産などを巻き込んで世界を搾取してきた。

https://tanakanews.com/230910G20.htm
多極化と米覇権低下を示した印G20サミット

この隷属状態を覆すため、米国は911以降、過激で稚拙で理不尽な政権転覆策や中露敵視策を20年以上も続け、中露が米国を無視して新たな多極型の世界を作るように仕向けている。
この偽悪的な米国の隠れ多極主義の戦略があと何年続くと、世界の転換が完了するのか。あと3-5年ぐらいかとも思うが、「一つの時代」というなら10年ぐらいは続く必要がある。予測が難しい。


この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/230916order.htm

2. 2023年9月18日 00:39:40 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[16816] 報告
2023.9.17〖ロシア〗東方経済フォーラム2023プーチン演説, 続々と大規模プロジェクト〖及川幸久−BREAKING−〗
及川幸久THE WISDOM CHANNEL
2023/09/17
https://www.youtube.com/watch?v=wGQ-5GVKdt8
3. 2023年9月18日 15:41:34 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-22] 報告
<■412行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
世界の論点
南シナ海新地図問題 中国メディア 十段線ふれず「責任は米に」
2023/9/18 10:00
https://www.sankei.com/article/20230918-6CZIBKREQVNQJBG5OCILOZBRCY/
中国が新地図を発表し、南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線
「九段線」
を拡大した
「十段線」
を記した。
沖縄県石垣市の尖閣諸島についても中国名の釣魚島と表記し、インド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載した。
アジア諸国が怒りを露わにする中、南シナ海で領有権を争い、中国からの圧力を強く受けるフィリピンは特に危機感を募らせているが、中国メディアはこうした反応をほぼ無視し、従来の主張を繰り返している。
■中国 十段線触れず「責任は米に」
新地図を発表した中国は、南シナ海を緊張させた責任は米国にあるとの主張を続ける。
新たな境界線は台湾東部に加えられており、
「台湾は中国の一部」
とする
「1つの中国」
原則や南シナ海の領有権を正当化している。
中国自然資源省による新地図発表翌日の2023年8月29日、国営中央テレビ(電子版)は同省幹部の話を掲載。
幹部は
「国土は主権や政治、外交姿勢を反映するもの」
とし、
「我が国の姿勢と矛盾する問題地図は祖国統一や国家主権を危険に晒す」
「監視を強め、見つけ次第削除する」
と、異論を認めない姿勢を見せた。
新地図には日本も反発しており、松野博一官房長官は2023年9月5日、尖閣諸島が中国側名称の
「釣魚島」
と表記されていることに抗議したと明かした。
これに中国外務省の毛寧報道官は2023年9月6日の記者会見で、
「釣魚島と付属島嶼は中国固有の領土」
「地図表示は当然だ」
とし、抗議を受け入れないとした。
中国メディアには新地図の論評がほとんどない。
各国の反発に敢えて関心を示さずにいるようにも見え、中国は南シナ海の平和と安定に向け東南アジア諸国連合(ASEAN)と前向きに協議し、米国こそが分断を煽っているとの独自主張を展開する。
中国政府系英字紙、チャイナ・デーリー(電子版)は2023年9月6日、米軍とフィリピン軍が2023年9月4日、中国が領有権を主張するスプラトリー(中国名・南沙)諸島に近いパラワン島沖で軍艦を共同航行させたことを
「挑発的行為。茶番だ」
と批判する社説を載せ、
「米国は南シナ海を平和、友好、協力の海にするとの呼び掛けに耳を傾けよ」
と訴えた。
同紙は各国が反発する新地図には一切言及せず、
「米国は覇権維持のため、海を大国競争の舞台に変え、平和や安定という周辺地域の願望を無視している」
と非難し、
「利己的計算に耽るべきではない」
と糾弾した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は2023年9月5日の社説で、バイデン米大統領がASEAN関連首脳会議を欠席したことは
「残念なことではない」
と主張。
出席すれば、南シナ海の島嶼紛争など”古い”地政学の話題を持ち込み
「分断を生み出しかねない」
とし、むしろ好都合だとの趣旨を展開した。
米国がASEAN各国に巨大経済圏構想「一帯一路」への参加を拒むよう求めたとの米紙報道に触れ、
「米国は諸国の懸念を改善するどころか害を及ぼしている」
とし、ASEANとウィンウィンな関係の中国とは対照的だと批判した。
同紙も新地図に対する各国の不満を完全に無視している。
■東南アジア ASEANは張子の虎か
南シナ海を巡り領有権を争う東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国からは中国への不満の声が上がる。
中国が公開した南シナ海ほぼ全域の領有権を主張する新地図は不信感を決定的にした。
ただ、対中姿勢で加盟国には温度差がある。
2023年9月5〜7日のASEAN関連首脳会議の議論でも、踏み込んだ対中批判は出来なかった。
メディアは一枚岩になれないASEANの限界も指摘している。
「ASEANは張子の虎ではないことを、はっきりと証明しなければならない」。
フィリピン紙「マニラ・タイムズ」(電子版)は首脳会議の2023年9月4日付の論説記事で、ASEANが一丸となって南シナ海問題で中国に効果的な対応を取るべきだと主張した。
フィリピンは加盟国の中でも、南シナ海で特に強く中国の圧力に直面する。
排他的経済水域(EEZ)内で中国海警局の船舶が、比船の航行を妨害する事案が相次ぐ。
マルコス比大統領は首脳会議で
「南シナ海は平和、安定、繁栄の海ではない」
「現実はかけ離れている」
と述べ、中国への名指しを避けつつ
「沿岸警備隊の危険な使用」
に反対の姿勢を示した。
中国海警局の活動を明確に意識した発言だ。
議長国インドネシアのジョコ大統領も中国を念頭に
「国際法の尊重が地域への前向きな力となる」
と釘を刺した。
しかし、首脳会議成果は、対中融和姿勢を取る国が対中批判のトーンを和らげる動きに出ており、マニラ・タイムズは2023年9月7日付の別の記事で、
「カンボジアなどは融資に目が眩み、中国の主張を支持している」
と苦言を呈した。
議長声明では、ASEANと中国が南シナ海での偶発的な衝突を回避するため
「行動規範(COC)」
の早期策定を目指すとしたが、目処は立っていない。
シンガポール紙は
「ストレーツ・タイムズ」(電子版)
は2023年9月10日付の
「南シナ海問題での乏しい伸展」
との記事で、専門家の言葉を引用し、中国の新地図は
「明らかにCOCの交渉に資するものではない」
とし、策定作業は難航すると言及した。
その上で、同紙は
「更に悪いことは、ASEANとして南シナ海問題にどう対応するべきか、集団的な見解が見えていない所だ」
と懸念。
足並みが揃わないASEANの在り方を憂慮した。
■ポイント
・ASEANに対中温度差、批判に踏み込めず
・比紙は中国に効果的な対応を取るべきだと主張
・中国「祖国統一に危険な問題地図は排除」
・「南シナ海を緊張させた責任は米国にある」

新聞に喝!
切り込み足りず「中国の十段線」報道 京都府立大教授・岡本隆司
2023/9/17 10:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5ZGAVA6LVFOCVDBNX5LTRTKW3Y/
去る2023年8月24日、東京電力は2日前の政府の関係閣僚会議による決定に従い、福島第1原子力発電所処理水の海洋放出を開始した。
その後の内・外の報道は「処理水」「汚染水」一色になったといってよい。
一衣帯水の隣国・中国の言動が、いよいよ事態をエスカレートさせた。
一貫して「処理水」を「汚染水」と呼び、「海洋放出」に反対の立場を取ってきた中国政府は、日本政府の説明・説得に全く耳を貸さなかっただけではない。
「海洋放出」が始まる、直ちに日本産水産物の全面輸入禁止措置を取って、内・外を驚かせさえした。
実際に小さからぬ影響を及ぼしている。
そんな騒ぎの最中、「海洋放出」の4日後、その南方で、新たな問題が持ち上がった。
中国自然資源省が2023年8月28日に発表した「2023年版標準地図」に記す南シナ海周辺の「十段線」である。
中国はそれまで周辺の領有権を主張するため、「九段線」という9本の境界線を一方的に設定してきた。
「十段線」とはその9本に加え、台湾を囲い込む線を1本増やしたもので、関係国の反応も、当然に否定的である。
2023年8月31日にはフィリピン・ベトナム・台湾が続々と反発の声明を出した。
排他的経済水域が関わるマレーシアも、陸上で国境問題を抱えるインドも、やはり非難している。
中国としては、従前から主張する「領土主権」の範囲を自国の「標準地図」に記載したに過ぎないのかもしれない。
外務省の汪文斌報道官が2023年8月31日の記者会見で、
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べたのも、そうした論理なのであって、相手の立場を顧慮しないことばかりではある。
ところが日本の主要なメディア・新聞の報道は、いわゆる「汚染水」とは対蹠的(たいせきてき:2つ の 物事 が 正反対 の関係にあるさま)だ。
速報したのは、ほぼ2023年9月1日付産経・日経の電子版のみ、続いて報じた他紙も、ごく淡泊な論調に見受けられる。
疑問を禁じ得ないのは、「十段線」が尖閣問題・台湾有事に繋がるという理由にとどまらない。
嚙み合わない論理を弄し、相手を顧慮しない行動様式で、「十段線」は「汚染水」騒ぎと同じだからである。
そんな言動をもたらす中国の体質、内的な論理こそ本質的な問題であって、せっかく報じたのなら、そこまで切り込んでほしかった。
さもなくば、またぞろ従前の繰り返し、中国の言動に驚き慌てふためかざるを得なくなる。
一衣帯水を脅威の肉薄にしない報道を期待したい。

主張
中国の新地図 紙の上から侵略するのか
2023/9/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20230909-FRKHIHXIJRN4ZNTJXAOU6O3JIU/
中国政府が発表した新しい地図に国際社会の非難が広がっている。
沖縄県の尖閣諸島を中国名の釣魚島と表記した。南シナ海のほぼ全域を自国のものとしている他、インドとの係争地も自国領と表示した。
更には、中露国境に位置する大ウスリー島のロシア領部分も中国領とした。
中国のとどまるところを知らない領土・領海への野心が、地図という紙の上で如実に示された格好だ。
中国は新地図を撤回すべきである。
問題の地図は、中国の自然資源省が2023年8月末に公表した。
インドネシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議や、インドでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を控えた時期だった。
公表直後、フィリピンとベトナムは
「何の根拠もない」
「主権、管轄権の侵害だ」
と非難した。
米高官は
「国境を再編し、他国がそれに従うことを期待してニューノーマル(新常態)を作り出そうとしている」
と警戒を示した。
日本政府は中国政府に厳重抗議した。
松野博一官房長官は
「歴史的にも国際法上も疑いのない、我が国固有の領土である尖閣諸島について中国側の独自の主張に基づく表記が確認された」
と批判した。
中国は南シナ海に一方的に
「九段線」
を引いて不当な支配を強めてきた。
今回は、九段線を台湾東方海域にまで拡大した
「十段線」
を記した。
ボルネオ島(カリマンタン島)沖のマレーシアの排他的経済水域(EEZ)と重なる海を中国の水域と表示した。
しかし、九段線自体が2016年のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の裁定で明確に否定されている。
「法の支配」
を踏みにじる地図の公表は、各国の反発を招くだけの失策と言える。
ASEANと日米中露などが参加した2023年9月7日の東アジアサミットでは、日米やフィリピンなどが南シナ海での中国の威圧的行動を改めて非難し、法に基づく国際秩序を守るよう迫った。
中国の李強首相は、対中国の
「小さな陣営を作ろうとする試みに断固反対する」
と反発したが、耳を傾ける国はほとんどあるまい。
日本や各国は結束し、中国による一方的な現状変更を止めねばならない。

中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大
2023/9/1 18:10
https://www.sankei.com/article/20230901-KKKY4I7NJVI3RKGFEFM7234BCQ/
中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。
地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線
「九段線」
を拡大した
「十段線」
が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどの他、台湾も反発。
一方的な領有権の主張は、2023年9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。
地図は中国自然資源省が2023年8月28日に公表した
「2023年版標準地図」。
南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。
また、ヒマラヤ地域では、中国が
「南チベット」
として領有権を主張するインド北東部の
「アルナチャルプラデシュ州」
も中国領として記載された。
地図を巡ってフィリピンは2023年8月31日の声明で
「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」
と反発。
南シナ海での中国の主権主張を退けた2016年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。
ベトナムも2023年8月31日に
「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」
との声明を発表し、
台湾の外交部(外務省に相当)報道官は
「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」
と批判した。
マレーシアも
「ボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしている」
と非難し、
インドは
「国境問題の解決を複雑にするだけだ」
と中国の姿勢に反発した。
2023年9月上旬にはインドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。
中国とASEANは南シナ海での紛争防止を目指す
「行動規範」
策定作業を進めているが、今回の領有権の主張は協議に影響を与えそうだ。
インドはG20議長国であり、会議直前の地図公開は円滑な議事進行の妨げとの受け止めが広がっている。
印紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は
「インドを敵対国として扱い、圧力を掛ける狙いは明確だ」
と批判した。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月31日の記者会見で、地図に関して
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べ、領有権主張を正当化した。

台湾情勢、非常に危険な状況 米軍マレン元統合参謀本部議長インタビュー
2023/9/17 18:24
https://www.sankei.com/article/20230917-6G6WNYBSYFJ43BNT5BXKA4NBX4/
ブッシュ、オバマ両米政権で米軍制服組トップを務めたマイケル・マレン元統合参謀本部議長が2023年9月17日までに産経新聞の電話インタビューに応じ、非常時に米国内産業の統制権限を大統領に認める
「国防生産法」
を活用して、台湾への兵器供与を迅速化すべきだと訴えた。
2023年9月13日に行われた露朝首脳会談に関しては、双方は
「互いに補完する関係だ」
と指摘。
北朝鮮の旧式兵器であっても露軍のウクライナ攻撃に役立つとして、軍事協力への懸念を示した。
マレン氏は2022年3月、バイデン大統領が派遣した台湾訪問団を率いた。
中国の軍事力について
「過去20年間の投資によって向上した」
とする一方で、中国軍が米軍を上回る能力を確立する可能性は否定した。
中国が台湾に軍事圧力を高めている現状を踏まえ、台湾情勢を1962年のキューバ危機になぞらえ、
「非常に危険な状況にある」
と警鐘を鳴らした。
中国に台湾侵攻を決断させないため、マレン氏は米国と同盟国による
「強力な抑止力の構築」
を求めた。
米国に関しては、国防生産法を活用すれば規制緩和などで台湾向け兵器製造を迅速化できると指摘。
同法により、
「これまでよりも大量で高性能の兵器供給」
が可能になると述べた。
同盟国では日本との協力が必要になるとの考えを示し、岸田文雄政権が進める防衛費増額を
「非常に前向きな決断だ」
と評価した。
自衛隊の装備向上に期待を示した。
一方で
「中国を煽ることなどには注意を払う必要がある」
と述べ、米中間の緊張を不用意に高めることは避けるべきだとの立場を示した。
軍同士の対話が進んでいない状況を
「非常に懸念」
し、対話チャンネルの再構築を双方に求めた。
プーチン露大統領と金正恩朝鮮労働党総書記の関係は
「信頼し合えるほど互いのことをよく知っているとは思えない」
と指摘。
ロシアは兵器、北朝鮮は資金が必要という補完関係が、両者を接近させたとの見方を示した。
■国防生産法
米大統領が緊急時、産業界を直接統制できる枠組みを定めた法律。
1950年、朝鮮戦争への対抗策として設けられた。
トランプ前政権時代には新型コロナウイルス感染拡大を受け医療品増産のため発動された。

世界を解く−E・ルトワック
台湾に潜む「内なる敵」
2023/9/16 13:04
https://www.sankei.com/article/20230916-ZS57QJRCABKT3HXZVWJCV6Q2VE/
中国初の国産空母「山東」を含む中国艦隊は2023年9月中旬、中国軍の戦闘機と共に、台湾の東側に位置する西太平洋で合同軍事演習を実施した。
2023年9月13日には、演習に参加しているとみられる68機の中国軍機が台湾の防空識別圏に進入している。
中国は最近、台湾周辺で軍事演習を繰り返している。
そこには、中国軍部隊の能力強化という一義的な目的に加え、台湾を
「演習慣れ」
させる意図が込められている。
過去の戦史で、大規模軍事演習と称して軍部隊を集結させ、相手の油断を誘って軍事侵攻に踏み切った例は少なくない。
中国は侵攻の構えを示すことで台湾を緊張させ、実際には演習実施にとどめるという行動を重ねることで、台湾に
「また演習か」
との意識を植え付けて即応体制を弱体化させようとしている。
中国は同時に、度重なる演習で台湾の一般市民に
「侵攻は近い」
と思わせる狙いがある。
中国は演習を通じ、金銭に余裕のある台湾市民に海外への脱出をけしかける一方、台湾にとどまらざるを得ない人たちに中国統治を受け入れるよう、心理的に揺さぶりをかけているのだ。
中国の習近平国家主席が描く台湾侵攻計画は、陸海空軍による軍事行動を作戦の主眼と見做していない。
台湾を中国の工作員によって内部から切り崩していくことが計画の基本となる。
旧日本軍が中国大陸から撤退した後に起きた第2次国共内戦(1946〜49年)では、共産党が国民党軍の内通者の手引きで中国全土の各都市を難なく陥落させていった。
台湾に関しても、習近平体制は
「どうせ中国には敵わない」
との意識を台湾世論に蔓延させ、中国の統治を抵抗なく受け入れさせることを目指している。
香港情勢に関し、私たち米国人や日本人は、言論の自由が侵され、知識人らが投獄されている事態を当然ながら問題視する。
だが、台湾人の中には、香港で中国支配が強化されても日常生活には支障がないし、海外旅行にも行けるし、何も問題はないではないか、と見る向きも少なくない。
そうした人々は、中国の台湾侵攻に手を打たないだろう。
しかも民間人ではなく、台湾の軍人らが中国に占領された後も自らの地位を保全したいと考えるならば、台湾の中国親派、はっきり言えば中国大陸出身の国民党系の人々などとの関係の確保を図るはずだ。
■日本、中立ではいられない
台湾の蔡英文総統はバイデン米政権に対し、台湾有事の際に米国が介入すると確約するよう求めている。
だが当の台湾は未だに有事への備えが立ち遅れている。
台湾は2022年末、18歳以上の男子の兵役義務を4カ月から1年に延長したが、実施されるのは2024年1月以降だ。
目の前で熊が襲い掛かろうとしているのに2024年猟銃を買います、と言っているようなもので、切迫感や真剣さが感じられない。
中国の習近平体制が目指すのは限定戦争だ。
核兵器の使用は想定していない。
そして、敵対勢力の内部で工作活動を展開する
「第5列部隊」
を重視する。
第5列とは、スペイン内戦中の1936年、共和国政府が防衛するマドリードを4つの部隊で包囲した反共和国軍が、
「市内には我々に呼応する第5列がいる」
と主張したことにちなむ。
台湾有事は言わば
「第5列侵攻」
の様相を呈するのは確実だ。
中国は同時に、米国が軍事介入する余地を最小限にしようと、侵攻作戦を早朝から数時間で終わらせることを目指すはずだ。
台湾に中国と戦う決意があり、具体的な抵抗を図る限りは、米国は台湾を支え続ける。
日本も中立ではいられない。
米国は日本に対し、海上自衛隊が擁する潜水艦の活用を求めてくるだろう。
2023年9月中旬の演習と同様、台湾東部に展開して米軍などの接近阻止を図る中国艦隊を撃破するには、潜水艦が最も有効だ。
日本が公式に戦闘に参加するにはハードルはあるが、潜水艦戦であれば、中国も誰から攻撃されたのか、特定するのは容易ではないはずだ。
日本の首相も中国艦船の攻撃で重大な決断を迫られることになる。

世界のかたち、日本のかたち
台湾有事 明快な麻生氏 大阪大名誉教授 坂元一哉
2023/9/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5VCE73Z7PNKV3AFEWMXWXCZOYI/
2023年8月8日、自民党の麻生太郎副総裁は訪問先の台湾で講演し、台湾有事に関連して
「防衛力を持っているだけではダメだ」
「いざとなったら台湾防衛のために使うという明確な意思を相手に伝え、それが抑止力になる」
と語った。
また、
「最も重要なことは戦争を起こさせないことだ」
と訴えた。
極めて重要で有意義な発言だと思う。
中国が台湾に実際に軍事侵攻するかどうか、またそのタイミングについては様々な議論があるが、台湾有事は在日米軍のリアクションと共に、ほぼ確実に日本有事に発展するだろう。
日本の存立基盤を根底から揺るがすので、その発生は何としても抑止しなければならない。
むろん中国にとって軍事侵攻は国際世論の反発や経済制裁など政治的、経済的リスクを伴うものであり、それがそれなりの抑止力になるとも考えられる。
あるいは、それだけでも中国を思いとどまらせることが出来るという見方もあるかもしれない。
だがその見方は楽観的すぎるだろう。
ここは日本、米国、台湾がそれぞれ、万一有事となればきちんと対応するという意思をはっきり示し、三者がどのように連携して対応するか、そのための話し合いと具体的な準備を進めて、抑止力をできる限り高めたいところである。
その上で、台湾への軍事侵攻が中国のこれまでの世界史的な国家発展の偉業を台無しにしてしまう軽挙妄動であることを説得的に示し、思いとどまるよう自制を促す外交的努力を続けるしかない。
麻生副総裁の発言も、中国に自制を促す外交的努力だとみることも出来る。
日本は1972年の日中国交正常化以来、台湾は中国の一部であるという中国政府の立場(1つの中国)を
「理解し、尊重」(日中共同声明)
するという姿勢を守ってきた。
即ち、台湾問題は中国の内政問題であるという建前に捉われてきたとも言え、そのことが、台湾有事に関する日本側の発言を、麻生氏のような明快で分かりやすいものではなく、はっきりしないものにしてしまうところがあった。
中国をなるべく刺激したくないという考えからそうなるのだろうが、それによって、
「日本は弱いので何もできないし、何もしない」
という誤解を中国に与えては困る。
台湾有事は日本にとって対岸の火事として静観できるような中国の内政問題ではなく、日本の安全保障を脅かす重大な国際問題であり、対応せざるを得ないという明快なメッセージを増やす必要がある。
結局、日中両国にとって大事なのは、日本が
「1つの中国」
という中国の立場を
「理解し、尊重」
するだけでなく、中国にも台湾海峡問題の平和的解決を求める日本の立場を
「理解し、尊重」
してもらうことなのであろう。

<独自>台湾軍が米本土の軍事演習に参加 米が支援強化
2023/9/2 21:06
https://www.sankei.com/article/20230902-FWKQI2NTFVN6DJR5YRMAP3QKOI/
米中西部ミシガン州で2023年8月に実施された米軍の演習に台湾軍が参加していたことが分かった。
複数の関係者が明らかにした。
バイデン政権は、中国の軍事圧力を受ける台湾の防衛を支援するため、台湾軍の能力を引き上げたい考えだ。
台湾軍が参加したのは、ミシガン州兵が主導して2023年8月5〜19日に行われた演習。
複数の外国軍などを含め7000人超が参加し、同州の訓練施設などで実施された。
台湾軍の参加規模は不明。
米側は予備役訓練の強化も支援していく考えだ。
米側は訓練支援を台湾などでも実施しているが、これまで台湾軍が米側と実施してきた訓練よりも部隊規模を引き上げたとみられる。
今回の参加は2022年夏に続くもので、交流を深めて相互運用性も高めていく。
今後は台湾軍の派遣規模の拡大も視野に入れる。
米側は連邦軍ではない州兵を活用することで中国への刺激を緩和したい考えとみられる。
州兵による訓練は2014年のロシアによるクリミア半島併合を受け、同盟国ではないウクライナの軍にも実施している。
バイデン米政権は2023年2月、中国の習近平国家主席が2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍部に指示していたとの情報を公にして中国を牽制。
台湾統一を掲げる習政権が侵攻に踏み切らないよう、台湾軍の防衛力強化に向けた支援拡充を進めている。
武器支援を巡っては2023年7月、通常の売却とは別に、議会承認を経ずに物資提供できる大統領権限を活用し、3億4500万ドル(約500億円)規模の軍事支援を発表。
同権限を使った台湾への武器支援は初めてで、防空や備蓄向け装備を供与。
また2023年8月には、米国務省の
「対外軍事融資(FMF)」の制度を活用し、8000万ドル(約120億円)を台湾に融資することを決め、議会に通知した。
同制度は同盟・友好国な
どへの軍事支援に使われてきたが、台湾への適用は初。
台湾軍の能力を訓練、武器、資金の各面でサポートする。

台湾・外交部長が寄稿 「今こそ台湾の国連参加を」
2023/9/1 16:03
https://www.sankei.com/article/20230901-WFP2J2AYIFPATLWNJBS2KP7ASQ/
台湾の呉サ燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)が国連総会の新会期が2023年9月5日に始まるのを前に産経新聞に寄稿し、地球規模の課題の解決や国際社会の平和と安定のため、国連と関連機関への台湾の参加を認めるよう訴えた。
詳細は以下の通り。

冷戦が終結して以来、国連憲章が掲げる国際紛争を平和的に解決する原則によって、ルールに基づく国際秩序と世界平和が維持されてきた。
だが、ロシアによるウクライナ侵略はその原則に反し、人権を著しく侵害している。
この戦争がもたらした人道危機と経済的な衝撃は、グローバル時代において危機が国内に止まらないことを人々に気付かせた。
地球規模の安全保障上の脅威は、自国周辺以外の地域でも発生を防がなければならない。
とりわけ、民主主義の台湾は中国からの巨大な挑戦に直面している。
台湾を1度も統治したことがない中華人民共和国は、台湾を力で奪い取ることを宣言し、武力行使の放棄を拒否している。
台湾は常に冷静沈着に台湾海峡の平和と安定の現状を維持してきたが、中国の経済力と軍事力が強くなるにつれ、北京は台湾に軍事力を見せ付けて脅迫するようになり、我々の民主的な生活様式を脅かしている。
台湾海峡の平和と安定を共に維持していくことは、各国の利益と一致する。
この地域でどんな衝突が発生しても、世界経済に災難をもたらすことになる。
近年、国際社会では数多くの共同声明で、台湾海峡の平和と安定が地球規模の安全保障に極めて重要であると強調されている。
戦争を回避するためには、包容性や対話が必要であり、そして最も重要なのは団結だ。
国連は今も対話の最良のプラットフォームであり、度々団結や包容性をもって問題解決に取り組むよう呼び掛けている。
台湾はその努力に参画する意欲も能力もある。
しかし、中国が国連総会第2758号決議(アルバニア決議)の解釈をミスリードし、台湾は国連から排除されたままだ。
同決議では、台湾が中華人民共和国の一部だとは言及しておらず、中華人民共和国に国連と関連機関における台湾の人々の代表権を与えたものでもない。
逆に、同決議は誰が
「中国」
という加盟国を代表するかを確定したに過ぎない。
これは1971年に同決議が可決された際、国際社会と中国がいずれも認めた事実である。
中国の誤った解釈と国連憲章が堅持する基本的原則は矛盾するもので、必ず正されなければならない。
我々は国連に対し、国連が掲げる
「誰も取り残さない」
という原則を堅持し、国連システムへの台湾の参加を認め、地球規模の協力が必要な議論から台湾を排除しないよう呼び掛ける。
もし国連が、台湾の市民や記者の関連会合への出席や取材を許可し、
「持続可能な開発目標」(SDGs)
に関するメカニズムへの台湾の意義ある参加を認めるなら、それは良い始まりとなるだろう。
国連システムへの台湾の意義ある参加を認めることは、世界が共に対処すべき地球規模の課題の解決に寄与すると共に、世界が脅威に遭遇した際、国連が一致団結して世界平和を守る決意を示す象徴となる。
団結は力なり。
今こそ台湾を国連に組み入れる時だ。

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