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BRICS 11 – 戦略的離れ技(耕助のブログ)
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投稿者 HIMAZIN 日時 2023 年 9 月 03 日 11:36:01: OVGN3lMPHO62U SElNQVpJTg
 



https://kamogawakosuke.info/2023/09/03/no-1902-brics-11-%e6%88%a6%e7%95%a5%e7%9a%84%e9%9b%a2%e3%82%8c%e6%8a%80/

No. 1902 BRICS 11 – 戦略的離れ技

投稿日時: 2023年9月3日

BRICS 11 – Strategic Tour de Force

by Pepe Escobar

中国の習近平国家主席は、南アフリカで開催された第15回BRICSサミットに盛り込まれたすべての主要な決定を「歴史的」と定義した。それは控えめな表現と言えるかもしれない。

唖然とする西側諸国は言うに及ばず、グローバル・サウスあるいはグローバル・マジョリティ、または「グローバル・グローブ」(ルカシェンコ大統領の弁)が新たな戦略的利害関係の巨大さを完全に把握するには時間がかかるだろう。

プーチン大統領は、BRICSの拡大に関する交渉はかなり困難なものだったと述べた。ヨハネスブルグのテーブルで実際に何が行われたのか、今では比較的正確な絵が浮かび上がってきている。

インドは3つの新規加盟を望んでいた。中国は10もの新規加盟を望んだ。最終的に妥協が成立し、6カ国が加盟することになった。エジプト、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルゼンチン、そしてエチオピアである。

つまり、今後はBRICS 11になる。そして、それは始まりに過ぎない。2024年1月1日にロシアが新しく輪番でBRICS議長国を務めるのを皮切りに順次加盟国が増え、来年10月にカザンで開催されるBRICS11サミットで、新たな正式加盟国が発表されるのは間違いない。

そのためまもなくBRICS 20に進展し、BRICS 40への道も近いかもしれない。事実上G7は、忘却の彼方に向かっている。

BRICSが新たな世界秩序を創造することについて:

https://t.me/geopolitics_live/4256

しかし、その前に、ヨハネスブルグでの運命のテーブルで、ロシアはエジプトを支持した。中国は、イラン、UAE、サウジアラビアというペルシャ湾マジックに全力を尽くした。当然である。イランと中国はすでに戦略的パートナーシップを深めており、リヤドはすでに人民元でのエネルギー支払いを受け入れている。

ブラジルと中国はアルゼンチンを支援した。ブラジルの隣国で問題を抱えるアルゼンチンは経済が完全にドル化するリスクを抱えており、北京への主要な商品供給国でもある。南アフリカはエチオピアを支援した。インドは、一連の非常に複雑な理由からアラブ/イスラム加盟国の3つ(サウジアラビア、UAE、エジプト)を快く思っていなかった。インドの懸念をやわらげたのはロシアだった。

上記のすべては地理的原則を尊重し、BRICSが「グローバル・サウス」を代表するという概念を印象付けている。

しかしそれ以上のことを意味する、狡猾な戦略と非情な現実政治が組み合わさっている。

ヨハネスブルグでプーチン大統領の代理として交渉に臨んだロシアのラブロフ外相は、ニューデリーから高く評価されているが、BRICSの新しい単一通貨が誕生するのはずっと先のことであることを十分に理解していた。短期的・中期的に本当に重要なのは、自国通貨を利用したBRICS諸国間の貿易を拡大することである。

これは、新開発銀行(NDB)のディルマ・ルセフ総裁が南アフリカのサミット主催者に報告した内容として強調された。同時にブラジルのルーラ大統領は、再びBRICS通貨について議論するための作業部会を立ち上げることの重要性を改めて強調した。

ラブロフはニューデリーが、BRICSの役割が野心的になりすぎた場合に米国による二次的制裁を非常に恐れていることを理解していた。モディ首相は基本的にBRICSと、再び始まった中国の封じ込めを隠すための「インド太平洋」という用語に込められた、完全に人工的な帝国主義的執着との間でヘッジを行っている。米国の外交政策を担当するストラウス派のネオコンたちは、インドが割引価格でロシアの石油を大量に購入していることにすでに激怒している。

ニューデリーがBRICSの新通貨を支持すれば、ワシントンは全面的な貿易戦争と解釈し、その後は制裁の混乱が続くだろう。それとは対照的にサウジアラビアのMbSは気にしていない。サウジはインドのような消費国ではなく、トップクラスのエネルギー生産国であり、彼の優先事項のひとつは最大のエネルギー顧客である北京に全面的に働きかけ、ペトロアンへの道を開くことである。

戦略的な一手

さて戦略的な利害関係に入ろう。現実的な意味で言えば、ユーラシア大陸の観点からみてBRICS11は北極海航路の支配権を握ることになる。国際南北輸送回廊(INSTC)、BRIの東西回廊、ペルシャ湾、紅海、そしてスエズ運河である。

それは陸上の複数の回廊と海上シルクロードの複数の拠点を結びつけている。ハートランドとリムランドはほぼ完全に統合される。これが、地政学的/地域経済学的なチェス盤の戦略的な一手でなされているのだ。

BRICS11の総GDPが世界全体の36%(すでにG7を上回っている)に増加し、同グループが世界人口の47%を占めるようになったこと以上に、地政学的・地理経済的に突破口となるのは、BRICS11がエネルギーと商品市場の面で文字通り銀行を破産させる可能性があることだ。

イラン、サウジアラビア、UAEを取り込むことでBRICS11は石油・ガス大国として一気に輝きを増した。InfoTEKによれば、BRICS11は現在、世界の石油輸出の39%、確認埋蔵量の45.9%、そして世界で生産される全石油の少なくとも47.6%を支配している。

早ければ2024年には、ベネズエラ、アルジェリア、カザフスタンがBRICS11の新メンバーに加わる可能性があり、世界で取引される石油・ガスの90%を支配することになるかもしれない。

必然的な帰結は、現地通貨での決済による米ドルの回避。そして必然的な結論は、ペトロダラーは昏睡状態になる。カオスと略奪の帝国は、世界の石油価格のコントロールと、一方的な制裁の津波を通じた「外交」を実施する手段というただ飯を失うことになる。

BRICS 11とOPEC+の直接的な共生は避けられないことは目前である。OPEC+は事実上、ロシアとサウジアラビアによって運営されている。

グローバル・サプライチェーンやBRICSの新道路が通るルートから、BRIの漸進的な相互接続、サウジのビジョン2030、UAEの大規模な港湾拡張に至るまで、地殻変動を伴う地政学的な方向転換が目前に迫っている。

エチオピアを選んだことでBRICSは鉱業、鉱物、金属分野でアフリカでの影響力を拡大した。エチオピアは金、プラチナ、タンタル、銅、ニオビウムなどが豊富であり、石油と天然ガスの探査でも大きな可能性を秘めている。ちなみに、サウジアラビアとUAEも鉱業に携わっている。

これらはすべて、北アフリカと西アジアの急速かつ漸進的な統合を物語っている。

外交はいかに遠回りするか

エネルギー分野におけるBRICS11の新たな衝撃は1973年のオイルショックとは対照的な歴史的出来事だ。その後リヤドはペトロダラーを手に入れた。MbS率いるサウジアラビアは今、地殻変動を起こし、ロシア-中国-インドと戦略的に連携している。

外交クーデターという言葉でさえこれを表現しきれない。これはロシアが主導し、中国が最終的に実現させたリヤドとテヘランの和解の第二段階である。ロシアと中国の戦略的指導者たちは忍耐強く同調しながら、常に目標を見失うことはなかった。

今、それを西側諸国の「戦略」と比較してみよう。たとえばG7が課した原油価格の上限設定などだ。基本的にG7の「有志連合」は海路で輸入されるロシア産原油に価格の上限を設定した。その結果G7は、価格上限を無視してロシア産原油の購入を正規に増やしたグローバル・サウスの国々からより多くの石油製品を購入しなければならなくなった。

トップ2はどこだと思うか?BRICSのメンバーである中国とインドだ。

何度も否定の段階を経たあと、西側諸国は、西側が支配する世界経済の一部を中国から「デカップル(切り離す)」する試みはワシントンが何と言おうと愚かな夢だと気づくかもしれないし、気づかないかもしれない。

BRICS11は今、「グローバル・サウス/グローバル・マジョリティ/グローバル・グローブ」が近年の歴史においていかなる時点よりも西側とは非同盟にあるかということを明示している。

ちなみにG77(アジア、アフリカ、ラテンアメリカの77ヶ国によって形成されたグループ)の議長であるキューバのディアス=カネルは、事実上の新非同盟運動(NAM)を代表してBRICSサミットに出席した。G77には134カ国が加盟している。そのほとんどがアフリカ諸国である。習近平はヨハネスブルグで、そのほとんどの国の首脳と直接会談した。

パニックに陥った西側諸国は、上記すべてを「危険」とみなしている。そのため、最後の砦は、予想通り、「デカップリング」、「デ・リスキング」、そしてそれに類する馬鹿げたレトリックである。

しかし、それも実際に危険になる可能性もある。たとえば8月18日にキャンプ・デービッドで行われた、帝国と、そのアジアの臣民である日本と韓国による史上初の3カ国首脳会談のように。これは、中国、ロシア、北朝鮮を同時に封じ込めることに執着した、クアッドやAUKUSよりもさらに有害な軍事的・政治的アジアNATOへの第一歩と解釈されるかもしれない。

北半球の集団的凌駕

国連は世界の152カ国を「発展途上国」としている。BRICS11が対象としているのは彼らである。人口増加率からPPPによる世界GDP成長率への貢献度まで、あらゆる面で北半球を凌駕しているからだ。

最初にアスタナで、次にジャカルタで一帯一路構想が発表されてからこの10年間で、中国の金融機関はグローバル・サウス全域のインフラ接続プロジェクトに1兆ドル近くを融資してきた。北京で開催されるBRIフォーラムは、新たな推進力を示すものとなるだろう。それがBRIとBRICSの共生である。

昨年のG20で中国は55カ国が加盟するアフリカ連合(AU)の加盟を推進した最初の国だった。これは来月ニューデリーで開催されるG20サミットで実現する可能性がある。その場合、グローバル・サウスの代表はグローバル・ノースとほぼ同等になるだろう。

中国がBRICSをG7に対抗する武器にするために悪意ある陰謀を組織しているという主張は幼稚である。現実の政治と地域経済の指標が用語を指示し、新たな衝撃を形成している。つまりBRICSの台頭と、G7が不可逆的であることは無関係なのである。

https://www.unz.com/pescobar/brics-11-strategic-tour-de-force/  

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コメント
1. 2023年9月05日 23:38:53 : pJ9DgaxzWU : YXVDM0FtVWFkcy4=[47] 報告
注目のBRICS首脳会議の、加盟申請国のうち、どの国をBRICS5か国のうち、どの国が推したか、や、やはりロシアが間に入って中国とインドがうまく折り合えるのかな?とか、各国の様子が分って、興味深く読ませていだたきました。

自分が見た中では、同種のものがなかったので、大変貴重なレポでした。
HIMAZIN様、また宜しく〜。

2. 2023年9月07日 02:18:33 : 3PHRXdX7Sw : elhWc2cwNUE4eU0=[8] 報告
イラク戦争(象のあり踏みつぶし偽戦争)のおりに、ホワイトハウスの悪魔!、とアルジャジーラから世界に叫んだフセイン大統領。

この時、世界の善人、義人らは、イラクの人たちを救えない辛さに耐えた。

嘘と兵器と暴力と金で世界を支配したい者達と、人間として家族で平和に生きたい者たちとが明確にわかれ浮かび上がった。少数の強力な支配者たちは金と兵器で全世界を抑えた。偽者日本は大金を戦費に出した。
地球は悪魔と善に分かれ、善は暴力に押しつぶされた。善側のこの怨念がブリックスとして立ち上がってきた!。

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