神保謙慶應義塾大学総合政策学部　教授は反面こうコメントしている。「中国のみならず新興国のこうした外交の繰り返しが、多極化世界を不完全ながら徐々に実体化してくことにつながっている。BRICSへの加盟申請がこれほど多くの国に及んだことは、その証左であろう」。

これによって分かるのは、BRICSがいつの間にかG7なみの力を持つに至ったこと、ただし両者は拮抗しており、一方が他方を凌駕するまでには至っていない過渡的な状態にある、ということだ。

一旦は中国の不動産バブルの崩壊が世界に混乱を招くだろう。しかしその混乱は二つの勢力に同等に作用する。その後に、新たな世界像が出現するだろう。バランスがどちらに傾くかは分からない。しかし、既にG7一強の時代は終わりを告げたことだけは明らかになっている。