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司法制度めぐり分断深まるイスラエル/出川展恒・nhk
2023年08月23日 (水)
出川 展恒 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/486935.html
イスラエルでは、ネタニヤフ首相が率いる連立政権が進める司法制度の改変をめぐって、市民の抗議活動が続き、国の分断が極めて深刻になっています。
中東情勢担当の出川解説委員です。
Q1:
ネタニヤフ政権は、司法制度をどう変えようとしているのですか。
A1:
極右政党やユダヤ教政党が参加し、去年暮れに発足したネタニヤフ連立政権は、現在の司法界は左翼的で世俗的過ぎるなどとして、司法制度を変える複数の法案を議会に提出しました。具体的には、▼最高裁判所が、政府の決定を法律に基づいて審査する権限をなくすことや、▼最高裁の決定を、議会が過半数の賛成で覆すことができるようにすることなどを内容としています。汚職の罪で裁判中のネタニヤフ首相が、政権と自らの生き残りを図る狙いが読み取れます。前者の法案は、先月下旬、議会で可決・成立し、残る法案も、今後、審議が行われます。
Q2:
これに対し、抗議運動が起きているのですね。
A2:
はい。野党、法律家、学生、市民、経済界などから、三権分立や民主主義の根幹を損なう暴挙だなどと強い反対の声が上がり、毎週末、テルアビブやエルサレムなどの主要都市で、大規模な抗議デモや集会が行われています。そして、軍の予備役のうち1万人以上が公然と批判し、招集に応じない姿勢まで示しています。国民皆兵で国防意識が極めて強いこの国では、前代未聞の事態です。さらに、イスラエルにとって特別な同盟国であるアメリカのバイデン政権も、強い懸念を表明しています。
Q3:
この問題、今後どうなるのでしょうか。
A3:
私は、先週、現地を訪れ、イスラエルの高名なジャーナリストに尋ねましたが、「予測するのは難しい。ネタニヤフ政権があくまで司法制度を変えようとするなら、内戦に陥るおそれも否定できない」と深く憂慮していました。
いくつかのグループが、最高裁に法律改定の無効を訴えており、来月半ばから、その審理が行われる予定です。政権の攻撃の矢面に立たされた最高裁がどんな裁定を下し、事態がどう展開するのか、世界の目が注がれることになります。
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