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親ロ派勢力のヘンテコ部隊、自作のロケットランチャー引っさげ前線に出没/David Ax
David Axe によるストーリー •
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E8%A6%AA%E3%83%AD%E6%B4%BE%E5%8B%A2%E5%8A%9B%E3%81%AE%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B3%E9%83%A8%E9%9A%8A-%E8%87%AA%E4%BD%9C%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%BC%95%E3%81%A3%E3%81%95%E3%81%92%E5%89%8D%E7%B7%9A%E3%81%AB%E5%87%BA%E6%B2%A1/ar-AA1fajho?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=062e8f2a7bdd44c79fb2f524d58153fb&ei=6
5年前、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派武装勢力は粗雑なロケットランチャー2基をこしらえ、ドネツク市で催された兵器展示会で大々的にお披露目した。
そのうち少なくとも1基が、ドネツク州南部の集落ウロジャイネ付近で実戦使用されているらしいことがわかった。ウロジャイネ付近の戦場に、ウクライナ東部の親ロ派勢力「ドネツク人民共和国(DPR)」のけったいな偵察部隊「カスカート(Kaskad)」が出没しているのは、場違いな感じもするものの、偶然ではないだろう。
DPRが2018年5月9日、ドネツク市で展示したロケットランチャーは2種類あった。ひとつは、6輪駆動のKrAZトラックの車台に搭載された32連装214mmロケットランチャーのデュアルセット。もうひとつは、同じくKrAZの車台に載せた一対の巨大な324mmロケット砲である。
前者はロシアのアニメキャラクターからとった「チェブラーシカ」、後者はロシア語で「雪片」を意味する「スニェジンカ(Snezhinka)」という通称で呼ばれている。射程はいずれも約5.4kgとされ、とくにスニェジンカの324mmというロケット弾のサイズにしては驚くほど短い。米陸軍の227mmロケット弾M26の最も古いモデルですら、最大射程は32kmほどある。
チェブラーシカとスニェジンカの製造元であるDPRの「国家革新会社(GIK)」は、つくるものがこの程度の代物でも許されるということなのだろう。どちらのロケットランチャーも、2基以上生産できたのかすら怪しい。
チェブラーシカは昨年秋に再び姿を見せていた。そして今週、チェブラーシカとスニェジンカがともに戦闘に参加している様子を映した動画が出回った。スニェジンカのほうは、場所はウロジャイネ近辺と見受けられる。ウロジャイネは、ウクライナ海兵隊の4個海兵旅団すべてが展開し、少しずつ前進しているモクリ・ヤリー川渓谷にある集落のひとつだ。
ロシアとDPRの部隊は、モクリ・ヤリー川周辺の前線でお遊びをしている余裕などない。だからこそ、そこにカスカート偵察部隊がいるのが奇妙に感じられるのだ。カスカートは軍事ブロガーのほか、ロシアの政治家やその子息を受け入れ、彼らが「戦争に行った」と言えるようにする場所を提供していることで知られる部隊だ。
「彼らは1カ月足らずの期間で参加し、写真を撮って、投稿し、そして帰国する」。米首都ワシントンにあるシンクタンク、ニュー・ラインズ・インスティチュートの研究員ジェフ・ホーンは仏ニュース専門局フランス24にこう語っている。
ウロジャイネは、多少なりとも戦闘部隊を装うには危険な場所だ。それでもカスカートにとっては、DPR製の粗雑な短距離ロケット弾を発射してみせて、爆発で砂煙が舞い上がるドラマチックな映像を撮影し、投稿する機会と捉えられているのかもしれない。
そもそも、ロケット弾が価値あるものに実際に命中するかどうかは、カスカートにとってたいした問題でないのかもしれない。たとえ自分たちを含むロシア・DPR部隊がいる前線の区域が、現に危険にさらされているのだとしても。
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