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ウクライナで盛んな臓器ビジネスを批判するロシア、触れようとしないアメリカ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308090000/
2023.08.10 櫻井ジャーナル
ウクライナでは臓器がオンラインとオフラインで取引されているとロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は『ロシイスカヤ・ガゼータ』の2023年8月7日号で批判している。
臓器移植は大きなビジネスだが、そのビジネスは移植する臓器が存在しなければ成り立たない。その臓器を供給する重要な供給国がウクライナにほかならず、その事実はウクライナ国内でも関心が高まっている。
ウクライナで臓器売買が盛んになったのは2014年2月にバラク・オバマ政権がクーデターでネオ・ナチ体制を成立させてからだと言われ、内戦が続くドンバスで臓器を切り取られた軍人と民間人の遺体数十体を発見したとOSCE(欧州安全保障協力機構)の代表は語った。戦死者から取り出すだけでなく、負傷した兵士も犠牲になったと言われている。
ここにきて指摘されているのは、子どもが臓器売買の犠牲になっているということ。今年6月、生後11ヶ月の子どもを外国に連れて行こうとしてデニス・バロディなる男がウクライナとスロバキアの国境で逮捕された。子どもの臓器を国外で売ることが目的だったという。バロディは孤児院で教師として働いた経験があり、慈善財団の代表を務め、孤児青少年団体を創設していた。
警察の発表によると、男は母親に対し、EU内の善良な人物の養子にすると説得、5000ドルを母親へ支払うことになっていたが、養子縁組の計画はなく、2万5000ドルで移植業者に子どもを売る予定だった。バロディは1歳から2歳の子どもを少なくとも3回売っていたというが、彼は逮捕されて間もなく保釈金100万フルブニャ(約2万7000ドル)を積んで釈放されている。彼は密輸業者として逮捕されたのであり、臓器売買業者としてではなかったようだ。そして彼は姿を消した。ウクライナの女性を「代理母」として子どもを産ませ、その子どもを取り上げて売りさばいているとする話も伝わっている。
ウクライナでは2021年12月、「人体解剖材料の移植問題の規制について」なる法律が成立、生体ドナーとその親族が移植に同意したことを証明する必要ながくなったという。書類があれば、署名の確認や認証は必要なくなり、死体から臓器を摘出する手続きは大幅に簡略化された。
今年3月22日には、ウクライナで「赤ちゃん工場」を発見したロシア兵の証言とされる映像がアップロードされた。そこで生まれた赤ん坊は内臓が摘出されたり、別の犯罪に利用されるとされている。西側ではロシアのプロパガンダだとされたが、その根拠は示されていない。そうしたプロパガンダにもかかわらず、その映像は注目されている。
ウクライナと同じように西側が支配しているコソボでも臓器売買が問題になった。アメリカはコソボで麻薬業者を手先として使った。その麻薬業者が中心になって組織したのがKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)にほかならない。KLAを率いてたひとりで、後に首相となるハシム・サチはアルバニアの犯罪組織とつながり、麻薬取引や臓器の密売に関与していたと言われている。
旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたカーラ・デル・ポンテは自著(Chuck Sudetic, Carla Del Ponte, “La caccia: Io e i criminali di guerra,” Feltrinelli, 2008)の中で、KLAによる臓器の密売に触れている。
彼女によると、コソボで戦闘が続いている当時、KLAの指導者らが約300名のセルビア人捕虜から「新鮮」な状態で、つまり生きた人間から臓器を摘出し、売っていたというのだ。
この話は欧州評議会のPACE(議員会議)に所属していたスイスの調査官ディック・マーティの報告書にも書かれている。KLAの幹部はセルビア人を誘拐し、彼らの臓器を闇市場で売っていたという。捕虜の腎臓を摘出し、アルバニア経由で臓器移植のネットワークで売り捌いていたともされている。
そして3月17日、ハーグのICC(国際刑事裁判所)はロシアのウラジミル・プーチン大統領と子どもの権利オンブズマンであるマリア・リボバ-ベロバに対する逮捕令状を発行した。
2014年2月にドンバスでクーデター政権と反クーデター派の内戦が始まった。クーデター政権が送り込んだ部隊はドンバスの住宅街を攻撃、約8年間で住民1万4000人が殺されたとも言われている。そして昨年年明け後、ドンバスの近くへウクライナ軍が集結、大規模な攻勢があると見られていた。
アゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリや岩塩の採掘場があるソレダルには、ソ連時代、核戦争に備えて地下施設が建設されていた。それらを利用してアメリカ/NATO/ウクライナ軍は2014年から8年かけてドンバスの周辺に要塞線を築いていた。その内側へロシア軍を誘い込み、動けなくした上で別の部隊にクリミアを攻撃させようとしていたとも推測されている。
そうした攻勢を予期したドンバスの反クーデター派はロシアに支援を要請、女性や子どもをロシアへ避難させた。それを国際刑事裁判所は強制移住だと主張、アメリカ下院の外交委員会でも反ロシア宣伝が繰り広げられたわけだ。
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