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No. 1834 BRICSに”分割統治”戦略を試みる米国
投稿日時: 2023年6月24日
US Attempts ‘Divide & Conquer’ Strategy Against BRICS
by Pepe Escobar
今月初めシンガポールで開催された「アジア最高峰の防衛サミット」と称される、やや大げさなイベントであるシャングリラ・ダイアログ(アジア安全保障会議)の傍らで、少なくとも表面的にはとんでもないことが起こった。
24カ国の諜報部長が事実上、半秘密に会談したのだが、結局、このイベントの内容がきちんとリークされたのである(欧米の報道では「非公式」な会談とされている)。
24カ国のうち、本命は米国と他のファイブ・アイズ諸国、それにBRICSの2カ国である中国とインドである。
それ以外の人たちは、はっきりしたことは言えないか、匿名を希望している。おそらく”取り巻き “であることが理由であろう。
重要なのは、BRICSの主要メンバーであるロシアの代表がいないことだった。
ロイターは、この秘密ではない会合に関する情報は5つの異なる(匿名の)情報源から得たとしている。東南アジアの外交官は、ファイブ・アイズ、中国、インド、シンガポールの出席を独自に確認したが、それだけだった。この会合の事実上のスポンサーはシンガポールの国防省である。
このリークをもう少し詳しく調べると、ますます不思議なことがわかってくる。多くの情報源が互いに裏付けを取りながら、事実上、公式なレベルで、スピンが協調的に行われたことを示唆している。もしこれが本当に秘密であるなら、過去のように、すべての関係者の唇は都合よく封印され、漏れることはなかったはずである。では、なぜ漏れたのであろう?
ワシントンの「分割統治」戦略
歴史的にみても、このようなスパイ対スパイの会議は準備に時間がかかる。特に24カ国が参加し、超大国のライバルである米国と中国が登場する会議だ。そのために、数え切れないほどの有能なシェルパが文書を修正し、非常に複雑なロジスティクスと超安全な環境、そしてあらゆる介入を網羅した極めて詳細な台本が必要になる。
それらすべては、数か月にわたって詳細に議論されたはずであり、同時にシャングリラ・ダイアログの大きなアジェンダをまとめる作業が行われていたはずだ。そしてその間に、一切の情報が漏れ出ることはなかった。
そして、会議の後に漏れた情報は、単に会議が行われたことだけだった。参加した特定の関係者のみが完全にリークされたが、その内容についてはまったく何もなかった。
ファイブ・アイズが、欧米の安全保障上の不安や手続きについて中国と公然と話し合うというのは、信じられないことである。結局のところ北京の指導部は、ファイブ・アイズとクワッドやAUKUSなどの封じ込め機構を従えて、米英が中国に対する完全なハイブリッド戦争に従事していることを完全に認識している。
漏洩の主な理由は、米国シンクタンクランドが紡いでいるものを見れば一目瞭然である。米国は、ロシアに内緒で中国やインドと安全保障について話し合った。つまり、米国はBRICSと上海協力機構(SCO)を内部から弱体化させようとしているのである。
これは純粋に希望的観測に過ぎない。なぜなら誰も話し合いの中身について何も知らないからだ。問題の核心部分は意図的に漏らされていない。
この漏洩がBRICSを弱体化させるために仕組まれたものであることを示すには、少なくとも欧米の公共の領域、すなわちいつもの容疑者である米国シンクタンクから提供されなければならないだろう。元CIAの分析官であるレイ・マクガバンが「MICIMATT(軍産・議会・情報・メディア・学術・シンクタンク複合体)」と命名したように、シンクタンクはその中に組み込まれている。
ユーラシア・グループの議長はそのすべてを詳細に説明した。「アメリカの外交政策は、地政学的な舞台でブラジル、インド、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコといった6つのいわゆる“スイングステート”を誘惑、強要、制服するために基本的にハイブリッド戦争の技術の全てを展開する必要がある」
このうち3カ国はBRICSのメンバーであり(ブラジル、インド、南アフリカ)、残りの3カ国(インドネシア、サウジアラビア、トルコ)は、8月に南アフリカで開催予定のBRICSサミットですでに議論され、始まろうとしているBRICS+という必然的拡大の有力候補であることは偶然ではない。
アメリカの戦術は相変わらず予測できる。古典的な「分割統治」、広報活動や広大な第5旅団を通じてBRICSを内部から弱体化させる試み、そしてすべてがうまくいかなければ、カラー革命や政権交代を試みる。
最近、これらの戦術はトルコとサウジアラビアで惨めに失敗し、主要なRICsトリオ(ロシア、インド、中国)内の災いを誘発するという点でも失敗しつつある。
高まる米国の絶望的な兆候
この情報漏洩はまたしてもシャドウ・プレーである。戦争の一環であり、現在進行中の戦争に関連している。この「秘密」作戦はキエフがカホフスカヤ・ダムを爆撃する許可をいつもの容疑者から受ける直前に行われたことは、非常に興味深く、事実上のウクライナの「反攻」の始まりと関係していたのだ。
米国の国家情報長官(DNI)であるアブリル・ヘインズと北京のカウンターパートであるチェン・ウィシンが同じテーブルでこの件について話し合うというのはいかにも非現実的だ。
より現実的なシナリオは、中国とインドが同じテーブルで難航している国境問題について話し合うことだろう。
しかし、そのためにシンガポールに行く必要はない。両者が加盟するSCOの枠組みで、ロシアが仲介役を務めればよい。
政治分析を装った米国シンクタンクランドやMICIMATTの話は予想通り推測の域を出ていない。彼らは中国がロシアとの包括的な戦略的パートナーシップを捨てて、本当に重要な超大国である米国と安全保障について話し合っていたと思い込んでいる。
またもやナンセンスな話である。中国とロシアの安全保障上の問題は最高レベルで議論される。例えば、中国のLi Shangfu国防相は最近モスクワを訪問した際、プーチンと個人的に会っている。
会談の内容に関する情報がなくても、ウクライナを指し示すリーク情報をすべて考慮するのは妥当なことだ。
アメリカの諜報機関のシナリオだとこのようになるだろう:我々には、ひどく、すぐに、出口戦略が必要だ。だから中国の諜報機関を使って、ロシアに戦場をそのまま凍結するよう説得してもらおう、ある種の停戦だ。そうすれば、キエフを再武装させ、後でもう一度やり直すことができる。
この数カ月間、ロシアと中国のハイレベルな交流を見てきた人なら、これはまたしてもナンセンスであることがわかる。北京には平和のための12項目の計画があるかもしれない、そしてモスクワはそれを尊重している。しかし、米国とNATOの傲慢さによってもたらされた事実は大きなゲームチェンジャーを引き起こした。
そして、本当に根本的な問題がある。ロシアがいつ、どのようにドニエプル川を渡る決断をするのかということだ。その後に初めて、モスクワは「和平」の可能性について、自国の条件の下でのみ議論しようとするだろう。
同時に、モスクワも北京も、ウクライナにおける米国NATOの対ロシア代理戦争が、現在進行中の「発表された戦争」のクロニクルに組み込まれたリハーサルであることを十分に認識している。本番は、次は台湾を口実にした対中国である。
中国が地政学的に不安定な立場にあると感じているために、中国の情報機関がファイブ・アイズの気まぐれに喜んで従うと信じることはばかげている。しかしそれもまた米国シンクタンクランドのスピンに組み込まれているのである。
台湾をウクライナのように利用し、北京に道教的な忍耐力を失わせようとしているのは米国なのに、「中国は台湾をめぐって戦争をすると脅している」と連日連夜ワシントンDCが押し付けているシナリオと同じくらいばかばかしい話だ。
結局のところ、このスパイ対スパイの物語で本当に目立ったものは何だったのだろうか?あまりない。ただ、米国の必死さの一端が再び漂っていること以外は。
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https://www.zerohedge.com/geopolitical/escobar-us-attempts-divide-conquer-strategy-against-brics
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