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パレスチナ問題も仲介? 中国の積極外交/出川展恒・nhk
2023年06月19日 (月)
出川 展恒 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/484750.html
中国の習近平国家主席が、長らく中断したままのイスラエルとパレスチナの和平交渉について、積極的な仲介を行う意向を示しました。
中東情勢担当の出川解説委員です。
Q1:
中国は、パレスチナ問題の仲介にも乗り出したのですね。
A1:
はい。習近平国家主席は、先週、中国を訪問したパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長と会談しました。そして、パレスチナの独立国家を樹立し、イスラエルと平和共存させる、いわゆる「2国家共存」の解決案を支持すると述べました。そのうえで、8年前から中断したままの両者の和平交渉を再開するため、大規模な国際会議を開催するなど、積極的な役割を果たす意向を伝えました。
アッバス議長は、これを歓迎し、両者は、今後幅広い分野で協力する「戦略的パートナーシップ」の樹立を宣言しました。
Q2:
背景には何があるのでしょうか。
A2:
世界各地の紛争解決に乗り出した中国の外交方針と、中東におけるアメリカの影響力低下があります。
イスラエルとパレスチナの和平交渉は、これまで主にアメリカが仲介役を務めてきましたが、トランプ前政権が、極端なイスラエル寄りの姿勢をとったため、パレスチナ側が猛反発し、和平交渉は頓挫しました。バイデン政権に交代した後も、積極的に仲介する様子は見られません。
これに対し、中国の習近平政権は、先にサウジアラビアとイランの関係正常化を仲介して自信を深め、「中東問題の核心」と位置づけるパレスチナ問題の仲介にも乗り出したと言えます。
Q3:
中国の仲介、うまく行くでしょうか。
A3:
ことはそう簡単ではなく、和平の実現は期待できません。
まず、建国以来、アメリカの強力な後ろ盾を得てきたイスラエルが、パレスチナ側の主張に理解を示す中国の仲介を受け入れるとは思えません。とくに、今のネタニヤフ連立政権は、占領地の返還やパレスチナ国家の樹立を頑なに拒む、極右勢力が主要なポストを握っているため、和平交渉の再開さえ困難だと思います。
それでも、中国の仲介努力が、国際社会の関心を再びパレスチナ問題に向けさせ、国際支援の拡大に結びつけられれば、意味のある挑戦と言えるのかもしれません。
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