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「中国だけが笑っている」G7の外交的敗北で主体性ゼロの日本はどこまでも堕ちていく/ダイヤモンド・オンライン
小倉健一 によるストーリー ? 1 時間前
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%8C%E7%AC%91%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-g7%E3%81%AE%E5%A4%96%E4%BA%A4%E7%9A%84%E6%95%97%E5%8C%97%E3%81%A7%E4%B8%BB%E4%BD%93%E6%80%A7%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%82%82%E5%A0%95%E3%81%A1%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8F/ar-AA1c3j00?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=18ddb6bcd6dc44cdab94400bb57e4a13&ei=10
G7(主要7カ国)広島サミットが5月21日に閉幕し、主要メディアが行った世論調査では、議長として岸田文雄首相を評価する声が多数だという結果が報じられている。しかし広島サミットの結果は、世界の主要国が中国にすがりつかんばかりの声明を出し、それを日本がまとめたという「外交的敗北」以外の何物でもない。中国だけが笑みを浮かべる状況を自ら作り出してしまったといっても過言ではない。(イトモス研究所所長 小倉健一)
G7広島サミットでの
「岸田外交」に疑問符
5月21日に幕を閉じた主要7カ国首脳会議(G7サミット)。被爆地の広島県を舞台にG7各国や招待国の首脳らが討議し、5月20日には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がフランスの政府専用機で来日し、議論に加わった。中国とロシアを除く、世界を代表する国が集まったわけで、解散総選挙がうわさされる岸田文雄首相にとって、国内への絶好のアピールの場となったことだろう。
他方、米国の債務上限問題があり、G7に続いてオーストラリアで開催される予定だった日米豪印4カ国の枠組み、クアッドの首脳会談は中止となり、G7の日程の中でごく短期間で行われることとなった。
結束できたという演出は、G7全ての国が望むところなので当然の結果と言えるが、日本が安倍政権当時のように主体的な独自外交を目指していたかどうかは非常に疑問符がつく。この辺りを見ていこう。
「中国封じ込め」の位置付けである
クアッドは“不発”に終わる
G7の顔触れは、イタリア、米国、英国、カナダ、ドイツ、フランス、そして日本だ。ヨーロッパ勢が7カ国中5カ国を占める。今のヨーロッパ各国にとって「外交」といえば、ウクライナ戦争である。彼らはウクライナの味方ではあるものの、とにかくウクライナ戦争を早期に終結させたいという強い意志を持っている。
しかし、米国と日本は違う。米国はウクライナの最大の支援者であり、ウクライナ戦争を早く終わらせたいという気持ちもあるだろうが、頭の半分には「対中国」がある。米国内にとってみれば、経済的なライバルである中国の封じ込めをどうするかの方が大事であろう。
日本は、「安倍外交と比べ、米国とは少し距離を置いた自主外交をしなくなった」とロシアから失望はされているものの、事実上、ウクライナに対して平和的な支援しか行っておらず、ロシアからの非難は軍事援助をする国と比べてトーンが一つ下がっている。サハリンを含め、日本の権益は多くロシア国内に残っている。そして、最大のライバルであり、軍事的脅威でもある中国問題を前に進めたいという思惑を持っている。
こういった前提があるからこそ、G7の後に大々的にオーストラリアで開催される予定だったが「50分」に縮小して広島で行われたクアッドは、大きな意味を持つとされていた。米国とオーストラリア、日本という中国に強い懸念を持つ3カ国に、さらにインドを加えて、中国の封じ込めが共通の利益となるという枠組みだ。
インドは、中国を心の中では封じ込めたいとしているものの、中国とは国境を接していて、軍事的緊張を高めたくないという思惑をもっている。他の日米豪は、このインドに中国封じ込めの輪に加わってほしいと願い、あの手この手を用いて籠絡(ろうらく)しようとしているのが現状だ。
国際社会へ送るシグナルとしては、「G7は対ロシア」「クアッドは対中国」だったのである。しかしクアッドの方は、たった50分では実質的な議論はできなかったであろう。首脳会合後に発表されている会議の内容も、「会合で4人の首脳は、東シナ海・南シナ海への進出を強める中国を念頭に、インド太平洋における力や威圧による一方的な現状の試みに深刻な懸念を表明し、強く反対していくことで一致しました」とNHKニュース(5月21日)で報じられているものの、外務省のホームページ(HP)で「日米豪印首脳会合共同声明」の全文を確認したら「中国」という文言が入っていなかった。残念な部分だろう。
G7共同声明に含まれていた
「中国へのラブレター」
対するG7の共同声明には、気になる部分がいくつかあった。これも全文が掲載されている外務省HPから引用したい。チベット新疆ウイグル、香港などの人権状況への懸念、東シナ海、台湾海峡での軍事的緊張への懸念を表明しつつも、中国の手を借りて、経済発展、そして何よりも大事なウクライナ戦争の早期終結を願う文言が並んでいる。
「我々は、中国に率直に関与し、我々の懸念を中国に直接表明することの重要性を認識しつつ、中国と建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある」
「我々の政策方針は、中国を害することを目的としておらず、中国の経済的進歩及び発展を妨げようともしていない」
「我々は、中国に対し、ロシアが軍事的侵略を停止し、即時に、完全に、かつ無条件に軍隊をウクライナから撤退させるよう圧力をかけることを求める。我々は、中国に対し、ウクライナとの直接対話を通じることも含め、領土一体性及び国連憲章の原則及び目的に基づく包括的、公正かつ永続的な平和を支持するよう促す」
三つ目の引用については、特に今回加わった部分でもあり、中国へのラブレターにも似たメッセージとなっている。ロシアと仲が良いものの、そこまで肩入れせず、ウクライナとも良好な関係を続ける中国に何とか仲裁に入ってもらえないものかという、すがるような思いが込められているのだろう。
しかし、ちょっと待ってほしい。経済的にも軍事的にも日本の最大のライバルは中国なのである。世界は仲良くなった方がいい、隣人同士手を結んだ方がいいというのは一般論であり、中国に西側諸国がお願いをするような現在の状況は、日本軽視、そして無視につながりかねない危険な状態であることは確認されるべきだろう。
中国に土下座せんばかりの共同声明は「外交的敗北」
安倍外交の全てが成功していたとは思えないが、少なくとも世界中の国々が(ドナルド・トランプ前米大統領につながりたいという動機があったにせよ)日本に助けを求めてきた時代から大きく後退しているのは疑いようもない事実だ。
岸田外交には、自主性がまるでない。空気だけ読んで片方につくだけでは、誰からも相手にされなくなってしまう。特にフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、中国との関係改善に意欲的で、4月の訪中時に欧米メディアが行ったインタビューに対して、以下のような発言をし、波紋を呼んだ。
「欧州は台湾問題に関して米中対立に巻き込まれてはならず、戦略的自律性を維持しなければならない」「われわれ欧州は台湾問題に関し、米国に追随したり中国の過剰反応に巻き込まれたりしてはならない」「われわれの危機でないものに関わることは欧州に対して仕掛けられたワナであり、それにはまることがあってはならない」「欧州は戦略的自律性を高めなければならない」
私は、中国がウクライナの仲裁に入るのは妨害せよ、などと言っているわけではない。勝手にやらせておけばいいし、そもそもこれまでのところ、まともに中国が本腰を入れてロシアのウラジーミル・プーチン大統領やゼレンスキー大統領を説得しているようには思えない。そんな状況で、日本まで中国に頼る意味はない、ということだ。
岸田首相は日本が独自外交などできないと達観して考えているかもしれないが、例えば、G20の議長国であるインドのナレンドラ・モディ首相と、G7の議長国である日本が、連携して仲裁に入るのは可能だろう。ロシアにとってみれば、天然ガスを買ってくれるインドを無視することはできないし、G7の中で日本はかつての安倍外交のように独自外交を展開してくれるのではないかという期待が大きいはずだ。
いずれにしろ、世界が中国に土下座せんばかりの声明を日本がまとめるというのは、外交的敗北以外の何物でもない。ウクライナ戦争が始まって、日本は西側諸国に追随するだけの外交となった。追随するだけなのだから失敗もないが、日本のプレゼンスは、各国へする莫大な援助額と反比例するように落ちていく。
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