http://www.asyura2.com/23/iryo12/msg/184.html
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ちょっと、読んでしまったけれど、いやな考え方だなあ。
―――以下引用
<不老不死に挑む>(1)意識のアップロード 機械の中での「生存」模索(東京新聞)
2024年1月7日 07時09分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/301160?rct=national
人生100年時代といわれます。それでもなお老いを遠ざけたい、長生きしたいという人の願いはなくなりません。人はどれぐらい生きられるのでしょうか。望みをかなえる方法はあるのでしょうか。最前線の研究を連載で紹介します。
◆電気回路で脳の働き再現へ
第1回はいきなり「究極の手段」の登場です。
東京大の渡辺正峰(まさたか)准教授(脳神経科学)は、人の意識をコンピューターに移し替える、つまりアップロードする方法を提案し研究に取り組んでいます。自らの意識を電気回路に移植できれば、肉体が消え去っても機械の中で、私として「生き」続けられるというわけです。
電気回路なら部品も更新できます。スリープモードで何万年も眠った後に再起動だってできるでしょう。まさに永遠の生命が得られるというのです。
◆遠くない将来に
SF小説みたいですが、渡辺さんはそう遠くない将来、実現できると考えます。「脳は少々手が込んだ電気回路にすぎない。電気回路としての脳の働きを機械上で再現すれば、そこにも意識が宿るに違いないと多くの神経科学者は考えている」
哲学者デービッド・チャーマーズの提案した思考実験があります。脳の神経細胞(ニューロン)を一つずつ半導体デバイスに置き換えるというのです。
デバイスは個々のニューロンの配線をそっくり再現し、どんな信号を受けてどんな信号を出すかという特性も完全にまねます。残りのニューロンの活動に一切影響しないよう模擬するのです。すると脳は置き換えに気付かないはずです。
さらに一つ、また一つと置き換えていきます。完全に模擬すれば、ニューロンが最後の一つになっても脳は気付きません。ついに最後の一つを置き換えたとき、脳は半導体デバイスの固まりとなりますが、やはり置き換えに気付かないままでしょう。つまり、半導体の電気回路に元の脳の意識や記憶も宿るはずだ、というわけです。
これは仮想的な実験で、神経細胞を1個ずつ電気回路に置き換えるのは技術的にもコスト的にも不可能です。そこで渡辺さんは、脳を半分ずつ機械に置き換えて意識を移植する手法を考え出しました。
着目したのは右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)です。左右の脳は脳梁を通じて情報をやりとりして共同して働きます。この脳梁に情報を読み書きする装置を手術で埋め込み、脳がやりとりする電気信号を受けたり、逆に信号を送ったりしようというのです。
この装置を通して右脳をスパコンで模擬した左脳の回路とつなぎ、左脳をスパコンの右脳回路につなぎます。うまく模擬できていれば、生体の脳と機械の脳で統合された意識が生まれるはずです。スパコンと接続したまま記憶などを思い起こせば、機械側の脳に人の記憶や個性を移せると渡辺さんは考えます。
◆死を回避
スパコンに接続した状態で脳の持ち主が死亡すると、人の脳活動は止まります。しかし機械の脳は動き続けて意識を保ったままです。そこで人と機械の接続を切り、機械同士の左脳と右脳をつなげば、人の脳の意識を受け継いだ機械の脳ができるというわけです。その人の意識は途絶えることなくコンピューターに移ります。つまり死を回避できるのです。
スパコンの右脳と左脳はどのようにつくるのでしょう。まず脳のニューロン同士のつながりを正確に模擬します。脳の標本を数マイクロメートル単位(マイクロは100万分の1)で薄くスライスして顕微鏡でつながりを読み、ニューロンのネットワークをスパコン内に再構成します。ショウジョウバエの脳はすでに再現されているといいます。
ただ、つながりは再現できても、ネットワークのどの回線にどれぐらいの強さの信号が流れるかという「重み」までは正確に読み取れません。重みを再現しないと脳は正常に働きません。そこでスパコン自身に学習させます。基本的には、チャットGPTなど生成AI(人工知能)と同様のディープラーニング(深層学習)の手法で学習させられるだろうと渡辺さんは考えています。
◆デジカメ技術で
脳梁に埋め込んで情報を読み書きする装置はどうでしょう。渡辺さんは「デジタルカメラのイメージセンサーに使われるCMOSの技術を応用すれば可能」と言います。センサー表面には光を受ける素子が細かく並んでいます。その素子を電極に変え、そこにニューロンをくっつけて電気信号を読み書きするのです。
素子の間隔は数マイクロメートルですが、0・1マイクロメートルぐらいになれば各ニューロン間の信号を読めるといいます。「今のペースなら10年ほどでできる」。渡辺さんは2023年7月、脳情報の読み書きによる医療デバイスを開発するベンチャー「RUTEN Inc」を米国に共同設立。12月には投資会社からの資金調達も決まり、本格的に開発に乗り出しました。
デバイスにニューロンをつけて信号をやりとりできるようにするには、まだ工夫が必要ですが、すでにスイスのグループが現在の数マイクロメートル幅の素子上にニューロンをくっつけてネットワークを形成させる実験に成功しているといいます。
「十分な資金と人手があれば基本的な実験は20年後にも実現できる。まず自分で最初の被験者になって機械の脳に意識が宿っていることを確かめたい」と話します。実現すれば、人類の終焉(しゅうえん)にさえ立ち会えるかもしれません。 (永井理)
◆意識の実感 スパコンで迫る
渡辺さんがコンピューターに意識を移植する研究を始めた背景には、機械にも意識が宿ることを実際に確かめたい、という願いがあるといいます。それは科学的にも哲学的にも古くから議論が続く大きな課題です。多くの神経科学者は、電気回路にも意識が宿るだろうと考えていますが、証拠を示すのは非常に難しいのです。
意識は「ほら、これ」と脳の中に見つかるものではないからです。いくら脳を細かく観察しても、複雑につながったニューロンが化学物質を介して電気信号をやりとりする様子が分かるだけ。電気回路も同じ。半導体の回路の中を電子が動いていくのが見えるだけです。どこかに意識が見つかるわけではありません。
つまり「電気回路が意識を持っているかどうかは、回路そのものになって体験するしかない」というのです。それを実現するのが、スパコンで模擬した脳との接続なのです。
機械に意識が宿っていることを実感できれば画期的なことです。また、機械の脳なら、いろいろな部分をそぎ落として実験し、意識を生む必要最小限の核心部を突き止めることができるかもしれません。
コンピューターへの意識のアップロードは、意識の本質と、それを生み出す原理に迫る手段でもあるのです。
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<左脳と右脳の意識> 人間の左脳と右脳は、それぞれ単独で独立に意識を持つことが分かっています。現在も重度のてんかんの治療法として、脳梁を切断して左脳と右脳を分離する手術が行われています。この手術を受けた人は、左脳と右脳が独立に意識を持ち、頭の中に二つの意識が存在する状態になります。それを米のロジャー・スペリー博士が実験的に明らかにして1981年のノーベル生理学・医学賞を受けました。渡辺さんの提案する意識のアップロードは、脳の半球がそれぞれ意識を担えることをうまく利用し、人から電気回路へと意識を受け渡していく方法といえるでしょう。
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―――引用終了
昔、「レヴィ・ストロース」の本を飛ばし読みしていたら、自我の否定のようなことが書かれてあって、(私の勘違いかもしれないが)、西洋にはこういう考えがあるのかいね?と、思った。
昔、「いいだ・もも」さんは、雑誌の対談等で、「技術ニヒリズム」という概念を示されたが、「技術ニヒリズム」を放置すると、こういう奇想天外なものが、出てくる。
今の医学もそうだが、科学的というよりも、科学技術的なアプローチに傾きすぎではないか。
医学は、庶民に寄り添う姿勢が無いのならば、町医者で結構だという姿勢が無いのならば、衰退していくのではないか。
医学は、理学や自然科学ではなく、実践の学問である。但し、実践だからと言って、工業技術ではない。
「技術ニヒリズム」に対する、庶民の悲鳴が聞こえてきそうな昨今である。
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