★阿修羅♪ > 医療崩壊12 > 184.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
<不老不死に挑む>(1)意識のアップロード 機械の中での「生存」模索(東京新聞)
http://www.asyura2.com/23/iryo12/msg/184.html
投稿者 蒲田の富士山 日時 2024 年 1 月 07 日 15:33:43: OoIP2Z8mrhxx6 ipeTY4LMlXiObY5S
 

ちょっと、読んでしまったけれど、いやな考え方だなあ。

―――以下引用

<不老不死に挑む>(1)意識のアップロード 機械の中での「生存」模索(東京新聞)
2024年1月7日 07時09分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/301160?rct=national

 人生100年時代といわれます。それでもなお老いを遠ざけたい、長生きしたいという人の願いはなくなりません。人はどれぐらい生きられるのでしょうか。望みをかなえる方法はあるのでしょうか。最前線の研究を連載で紹介します。

◆電気回路で脳の働き再現へ
 第1回はいきなり「究極の手段」の登場です。
 東京大の渡辺正峰(まさたか)准教授(脳神経科学)は、人の意識をコンピューターに移し替える、つまりアップロードする方法を提案し研究に取り組んでいます。自らの意識を電気回路に移植できれば、肉体が消え去っても機械の中で、私として「生き」続けられるというわけです。
 電気回路なら部品も更新できます。スリープモードで何万年も眠った後に再起動だってできるでしょう。まさに永遠の生命が得られるというのです。

◆遠くない将来に
 SF小説みたいですが、渡辺さんはそう遠くない将来、実現できると考えます。「脳は少々手が込んだ電気回路にすぎない。電気回路としての脳の働きを機械上で再現すれば、そこにも意識が宿るに違いないと多くの神経科学者は考えている」
 哲学者デービッド・チャーマーズの提案した思考実験があります。脳の神経細胞(ニューロン)を一つずつ半導体デバイスに置き換えるというのです。
 デバイスは個々のニューロンの配線をそっくり再現し、どんな信号を受けてどんな信号を出すかという特性も完全にまねます。残りのニューロンの活動に一切影響しないよう模擬するのです。すると脳は置き換えに気付かないはずです。
 さらに一つ、また一つと置き換えていきます。完全に模擬すれば、ニューロンが最後の一つになっても脳は気付きません。ついに最後の一つを置き換えたとき、脳は半導体デバイスの固まりとなりますが、やはり置き換えに気付かないままでしょう。つまり、半導体の電気回路に元の脳の意識や記憶も宿るはずだ、というわけです。
 これは仮想的な実験で、神経細胞を1個ずつ電気回路に置き換えるのは技術的にもコスト的にも不可能です。そこで渡辺さんは、脳を半分ずつ機械に置き換えて意識を移植する手法を考え出しました。
 着目したのは右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)です。左右の脳は脳梁を通じて情報をやりとりして共同して働きます。この脳梁に情報を読み書きする装置を手術で埋め込み、脳がやりとりする電気信号を受けたり、逆に信号を送ったりしようというのです。
 この装置を通して右脳をスパコンで模擬した左脳の回路とつなぎ、左脳をスパコンの右脳回路につなぎます。うまく模擬できていれば、生体の脳と機械の脳で統合された意識が生まれるはずです。スパコンと接続したまま記憶などを思い起こせば、機械側の脳に人の記憶や個性を移せると渡辺さんは考えます。

◆死を回避
 スパコンに接続した状態で脳の持ち主が死亡すると、人の脳活動は止まります。しかし機械の脳は動き続けて意識を保ったままです。そこで人と機械の接続を切り、機械同士の左脳と右脳をつなげば、人の脳の意識を受け継いだ機械の脳ができるというわけです。その人の意識は途絶えることなくコンピューターに移ります。つまり死を回避できるのです。
 スパコンの右脳と左脳はどのようにつくるのでしょう。まず脳のニューロン同士のつながりを正確に模擬します。脳の標本を数マイクロメートル単位(マイクロは100万分の1)で薄くスライスして顕微鏡でつながりを読み、ニューロンのネットワークをスパコン内に再構成します。ショウジョウバエの脳はすでに再現されているといいます。
 ただ、つながりは再現できても、ネットワークのどの回線にどれぐらいの強さの信号が流れるかという「重み」までは正確に読み取れません。重みを再現しないと脳は正常に働きません。そこでスパコン自身に学習させます。基本的には、チャットGPTなど生成AI(人工知能)と同様のディープラーニング(深層学習)の手法で学習させられるだろうと渡辺さんは考えています。

◆デジカメ技術で
 脳梁に埋め込んで情報を読み書きする装置はどうでしょう。渡辺さんは「デジタルカメラのイメージセンサーに使われるCMOSの技術を応用すれば可能」と言います。センサー表面には光を受ける素子が細かく並んでいます。その素子を電極に変え、そこにニューロンをくっつけて電気信号を読み書きするのです。
 素子の間隔は数マイクロメートルですが、0・1マイクロメートルぐらいになれば各ニューロン間の信号を読めるといいます。「今のペースなら10年ほどでできる」。渡辺さんは2023年7月、脳情報の読み書きによる医療デバイスを開発するベンチャー「RUTEN Inc」を米国に共同設立。12月には投資会社からの資金調達も決まり、本格的に開発に乗り出しました。
 デバイスにニューロンをつけて信号をやりとりできるようにするには、まだ工夫が必要ですが、すでにスイスのグループが現在の数マイクロメートル幅の素子上にニューロンをくっつけてネットワークを形成させる実験に成功しているといいます。
 「十分な資金と人手があれば基本的な実験は20年後にも実現できる。まず自分で最初の被験者になって機械の脳に意識が宿っていることを確かめたい」と話します。実現すれば、人類の終焉(しゅうえん)にさえ立ち会えるかもしれません。 (永井理)

◆意識の実感 スパコンで迫る
 渡辺さんがコンピューターに意識を移植する研究を始めた背景には、機械にも意識が宿ることを実際に確かめたい、という願いがあるといいます。それは科学的にも哲学的にも古くから議論が続く大きな課題です。多くの神経科学者は、電気回路にも意識が宿るだろうと考えていますが、証拠を示すのは非常に難しいのです。
 意識は「ほら、これ」と脳の中に見つかるものではないからです。いくら脳を細かく観察しても、複雑につながったニューロンが化学物質を介して電気信号をやりとりする様子が分かるだけ。電気回路も同じ。半導体の回路の中を電子が動いていくのが見えるだけです。どこかに意識が見つかるわけではありません。
 つまり「電気回路が意識を持っているかどうかは、回路そのものになって体験するしかない」というのです。それを実現するのが、スパコンで模擬した脳との接続なのです。
 機械に意識が宿っていることを実感できれば画期的なことです。また、機械の脳なら、いろいろな部分をそぎ落として実験し、意識を生む必要最小限の核心部を突き止めることができるかもしれません。
 コンピューターへの意識のアップロードは、意識の本質と、それを生み出す原理に迫る手段でもあるのです。

―――――――――――――――
<左脳と右脳の意識> 人間の左脳と右脳は、それぞれ単独で独立に意識を持つことが分かっています。現在も重度のてんかんの治療法として、脳梁を切断して左脳と右脳を分離する手術が行われています。この手術を受けた人は、左脳と右脳が独立に意識を持ち、頭の中に二つの意識が存在する状態になります。それを米のロジャー・スペリー博士が実験的に明らかにして1981年のノーベル生理学・医学賞を受けました。渡辺さんの提案する意識のアップロードは、脳の半球がそれぞれ意識を担えることをうまく利用し、人から電気回路へと意識を受け渡していく方法といえるでしょう。
―――――――――――――――

―――引用終了

昔、「レヴィ・ストロース」の本を飛ばし読みしていたら、自我の否定のようなことが書かれてあって、(私の勘違いかもしれないが)、西洋にはこういう考えがあるのかいね?と、思った。
昔、「いいだ・もも」さんは、雑誌の対談等で、「技術ニヒリズム」という概念を示されたが、「技術ニヒリズム」を放置すると、こういう奇想天外なものが、出てくる。

今の医学もそうだが、科学的というよりも、科学技術的なアプローチに傾きすぎではないか。
医学は、庶民に寄り添う姿勢が無いのならば、町医者で結構だという姿勢が無いのならば、衰退していくのではないか。
医学は、理学や自然科学ではなく、実践の学問である。但し、実践だからと言って、工業技術ではない。

「技術ニヒリズム」に対する、庶民の悲鳴が聞こえてきそうな昨今である。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. [-820] iKQ 2024年1月07日 16:05:43 : jMrxyyBaao : ZVA5aFpKL1BzdjY=[394] 報告

 まあね

 君のDNAを読み取って 1万年後に 再現させれば それは 1万年の命だろう

 ===

 1万年前の 稲の種子を 田んぼにまけば 1万年前の 稲ができるわけだから

 ===

 ただ な〜〜〜  残念なことなんだが〜〜〜

 君のDNAは 1万年後には 無価値(害毒)であるだろう


 今現在でも ほぼ 無価値なのだから


 が〜〜〜はははは〜〜〜

 

[18初期非表示理由]:処理人:混乱したコメント多数により全部処理
2. [-812] iKQ 2024年1月07日 20:17:52 : jMrxyyBaao : ZVA5aFpKL1BzdjY=[402] 報告

 人間のDNAは 今後編集されて 1万年後には 基本は変えないが

 ディテイルは相当 変わるでしょうね〜〜〜

 そして 人間は 150歳くらいまでは 元気で生きられることになる

 ===

 150歳を超えると 人間のパーツは オーバーホールや 交換されて

 さらに どこまで生きることができるのか??

 う〜〜〜む

 

[18初期非表示理由]:処理人:混乱したコメント多数により全部処理
3. 蒲田の富士山[2111] ipeTY4LMlXiObY5S 2024年1月08日 05:55:49 : jbQL4NHOcc : YjBSNlRWS1hlV00=[8] 報告
なんだい、コメント1個だけかあ。

記事内容は、面白いけれど、私の解説が良くなかったかも。
悪い癖で、なんかまた格調高くしようと思ってずっこけてしまったような。

めげずに、ガンバロー。

4. [-807] iKQ 2024年1月08日 08:00:00 : jMrxyyBaao : ZVA5aFpKL1BzdjY=[407] 報告

 まあね 君の記事より コメントの方が 面白いだろうね〜〜


 が〜〜〜はははは〜〜〜


 長い 記事は 読んでいないけどね〜〜

 
 良い タイトルをつけなさいよ〜〜

 

 

[18初期非表示理由]:処理人:混乱したコメント多数により全部処理
5. [-802] iKQ 2024年1月08日 09:31:07 : jMrxyyBaao : ZVA5aFpKL1BzdjY=[412] 報告

 ま〜〜 君では

 良いタイトルは つけられないだろう     あきらめなさい


 が〜〜〜はははは〜〜〜

 

[18初期非表示理由]:処理人:混乱したコメント多数により全部処理
6. 抗菌屋[15] jVKL24mu 2024年1月08日 11:17:17 : KmPS7mGdlk : SkozYWtZckVQbGs=[34] 報告
 
 
格調高くとか言ってる時点でダメだなw

能登の被災地の上を空飛ぶ車で遊覧しながら
やっぱり来るぞ! 万博! とか言ってる輩と
同じ匂いがするからなw


この手の技術がダメだと言ってるわけじゃないよ
この手の技術は、キモイ匂いのする奴らに
ヤラセちゃダメだってこと
 
 

7. 蒲田の富士山[2113] ipeTY4LMlXiObY5S 2024年1月08日 14:39:17 : jbQL4NHOcc : YjBSNlRWS1hlV00=[10] 報告
この手の技術を否定しよう。
8. PVT[77] gm@CdYJz 2024年1月08日 20:51:24 : oAZvbuk8Yk : RGUwaVBuSlFQOFE=[465] 報告
トイレの蓋開閉や水洗タイマーのAIとして採用してあげよう

みたいな事になるんじゃないのか?

9. 蒲田の富士山[2141] ipeTY4LMlXiObY5S 2024年1月21日 18:25:04 : k8ADbiJK5k : aHpnVi5vMVdORzI=[16] 報告
<■86行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<不老不死に挑む>(2)人工冬眠 「省エネ」で老化遅れる?(東京新聞)
2024年1月14日 07時57分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/302734

 人生100年時代といわれます。それでもなお老いを遠ざけたい、長生きしたいという人の願いはなくなりません。人はどれぐらい生きられるのでしょうか。望みをかなえる方法はあるのでしょうか。最前線の研究を連載で紹介します。

◆マウスで成功、研究活発化
 クマやリスなど一部の動物は、厳しい冬を乗り越えるために冬眠します。冬眠を人工的につくり出す技術が「人工冬眠」です。冬眠している間は体温や心拍数が低下。代謝も落ち、エネルギー消費を極限まで抑えられます。体が感じる「時間の流れ」がゆっくりとなり、老化が遅れ、寿命が延びる可能性があります。近年、マウスの人工冬眠に成功し、研究が活発化しています。 (榊原智康)
 1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」では、宇宙船を操る飛行士以外の科学者たちは人工冬眠しながら木星に向かっていました。そのほかにも「エイリアン」や「パッセンジャー」など多くのSF映画では、人工冬眠して数十年から数百年単位の宇宙飛行を行う場面がよく描かれています。

◆Q神経
 SFの中の「夢の技術」と思われた人工冬眠ですが、20年に大きく研究が進展しました。筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の桜井武教授と理化学研究所の砂川玄志郎チームリーダー=写真、理化学研究所提供=らのチームが、マウスを冬眠に似た状態(冬眠様状態)に導く脳の神経回路を見つけたと英科学誌ネイチャーに発表しました。
 マウスは本来冬眠しませんが、脳の視床下部にある「Q神経」と名付けた細胞群を刺激して興奮させると、体温が室温近くまでに低下し、代謝の働きを示す酸素消費量も1〜2割になりました。通常の冬眠では代謝は正常時の1〜25%程度に低下することから、マウスは冬眠様状態になったと結論づけました。
 「冬眠研究は動物の観察が中心だったが、遺伝子操作しやすいマウスで冬眠様状態をつくり出せるようになり、近代的な研究分野に変貌を遂げた」と砂川さんは説明します。これを機に、この分野に新たに参入する研究者が増えているといいます。
 大型哺乳類のクマのほか、小型哺乳類ではシマリス、ハムスター、コウモリなど、さらに小型霊長類ではキツネザルやスローロリスが冬眠します。人間は冬眠しませんが、マウスで見つかったQ神経は人間を含め、哺乳類全般にあるとみられます。また、人類の祖先は氷河期を生き残ってきました。桜井さんは「人間も冬眠する能力を持っているはずだ」と話します。

◆救命医療に応用
 冬眠すると、体内に取り込まれる酸素量は減りますが、脳や臓器は損傷せず、筋肉もほぼ衰えません。心筋梗塞になったり、大量出血したりして体内の酸素が不足する事態に陥った際に、冬眠状態にできれば脳や臓器の損傷を抑えられ、治療までの時間を稼ぐことができます。桜井さんらは、人工冬眠を最初に利用する場として救急救命医療を想定しています。
 人工冬眠を引き起こす薬のもととなる化合物を見つけることが、まず第一の目標です。安全性を確認するなどし、40年までに人を短時間、人工冬眠させられるようにしたいといいます。
 その先、冬眠時間を延ばしていけば、SFで描かれる宇宙探査での活用が現実味を帯びてきます。桜井さんは既に宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同研究を進めています。国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にマウスを運び、宇宙でも冬眠様状態にできるか確かめることにしています。

◆限界を超える
 人間の最長寿の公式記録は、1997年に死去したフランス人女性で122歳。平均寿命は延び続けているのに最長寿記録は更新されていません。生物学的には120歳ぐらいが寿命の限界という説が主流になっています。
 人工冬眠によって寿命の限界を超えられるのでしょうか。「生まれてから死ぬまでの期間を寿命と定義すれば、超えられると思う」と砂川さん。ただ、「冬眠している間は意識がない。その間を差し引けば、実質的な年齢(積算年齢)の限界は変わらないのでは」と指摘します。
 もともと80年生きられる人が、50年間人工冬眠した場合を考えます。冬眠中は老化が進まないと仮定すれば、130年生きる計算になります。しかし、砂川さんは「冬眠中も栄養を使うので、その間に多少は老化するのでは」とし、単純な足し算にはならないとみます。
 一方、冬眠中は免疫機能が落ち、がんになりやすくなります。しかし、細胞分裂の速度も落ちているため、がんの進行自体は通常より遅くなります。このがんの問題も含め、身体的な影響をしっかり評価していくことが、実用化に向けた大きな課題となります。
 老化との関係について、筑波大や理研はそれぞれマウス実験を進めています。筑波大では、2日間冬眠様状態にした後、1日起きて過ごすサイクルで飼育しています。人工冬眠することで寿命はどうなるか、「しばらくすると結果がわかる」(桜井さん)といいます。
 砂川さんは、人工冬眠が実用化されると、社会が大きく変わると強調。冬眠中はどういった場合なら起こしてよいかなど、ルール作りをあらかじめ進めておくべきだと訴えています。

―――――――――――――――
<冬眠> 哺乳類は、37度前後の体温を保つ恒温性を持っています。しかし、一部の動物は、冬や飢餓などの危機的な状況になると、自らの代謝を下げ、通常では臓器に障害が生じるはずの低温にまで体温を下げることができます。この低代謝状態を「休眠」と呼び、季節性の休眠が「冬眠」です。マウスは冬眠しませんが、飢餓などにさらされると「日内休眠」(24時間以内の休眠)をします。冬眠については、長く研究が続けられていますが、その仕組みはほとんど解明されていません。人間は冬眠しませんが、雪山の遭難者の中には体温が下がっていながら生存していたケースが報告されています。人間も何らかのスイッチが入れば、冬眠のような低代謝状態になるとの見方があります。
―――――――――――――――

10. 蒲田の富士山[2142] ipeTY4LMlXiObY5S 2024年1月21日 18:34:12 : k8ADbiJK5k : aHpnVi5vMVdORzI=[17] 報告
<■84行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<不老不死に挑む>(3)「老化細胞」の除去 慢性炎症抑え 若さ保つ(東京新聞)
2024年1月21日 07時55分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/304195

 人生100年時代といわれます。それでもなお老いを遠ざけたい、長生きしたいという人の願いはなくなりません。人はどれぐらい生きられるのでしょうか。望みをかなえる方法はあるのでしょうか。最前線の研究を連載で紹介します。

◆健康寿命を100歳目標に
 人間は生きている限り、老いからは逃れられない−。そんな常識が、覆るかもしれません。老化の鍵を握るのは、年を取るとともに体内にたまる「老化細胞」です。「慢性炎症」を引き起こして体にさまざまな不具合をもたらす老化細胞を除去し、炎症を抑えて若さを保つ。こんな戦略で、老化そのものを防ぎ、健康寿命を延ばそうという研究が、大きな進展を見せています。 (榊原智康)
 老化細胞は、細胞の中のDNAが傷つくことなどにより、分裂せずに増殖をやめてしまった細胞です。高齢者だけでなく、若者や赤ちゃんにも存在します。体にとっては不要な細胞なので、異物を排除する免疫の働きで取り除かれていきますが、一部は残り続け、年を取るほどたまっていきます。
 炎症を誘発する物質を出すため、老化細胞の周りには、慢性炎症を引き起こす細胞が出てきます。慢性炎症は老化の原因と考えられ、動脈硬化や慢性腎臓病など加齢に伴って増える病気を発症させることが分かってきました。

◆筋力が復活
 東京大医科学研究所所長の中西真教授(分子腫瘍学)=写真=らの研究チームは2021年、老化細胞を効率よく除去する方法を見つけ、マウス実験で加齢現象の改善を確認したと、米科学誌サイエンスに発表しました。老化細胞が生き残るには「GLS1(グルタミナーゼ1)」という酵素が重要な役割を果たしていることを発見。この酵素の働きの邪魔をする「GLS1阻害剤」を投与すると、老化細胞が減少しました。
 マウスの体力の変化を調べるため、棒につかまっていられる時間を比較。若いマウスは200秒つかまっていられました。老齢マウスは30秒に短くなりましたが、阻害剤を投与すると100秒まで延びました。
 つまり筋力が復活したのです。人に当てはめると、70歳相当だった体の機能が40歳相当に改善したのと同じといえるそうです。阻害剤を投与したマウスは、動脈硬化や糖尿病などの症状も緩和されたといいます。
 一方、がんについても慢性炎症が一因になっているとの指摘があり、米国では、がんの治療薬としてGLS1阻害剤を人に投与する臨床試験が進んでいます。中西さんは、この阻害剤を加齢に伴う病気の治療薬としても実用化したいと考えています。「まずは、慢性腎臓病や肺線維症といった治療法がない病気の進行を食い止める形の薬として生み出したい」

◆ノーベル賞の薬
 中西さんらのチームは22年、老化細胞の除去に関して二つめの大きな成果を英科学誌ネイチャーに発表しました。老化細胞は免疫の働きで取り除かれるはずなのに、なぜ一部は残り続けるのかという謎がありました。チームは、がん細胞が免疫の攻撃から逃れるために細胞の表面に出している「PD−L1」というたんぱく質に着目しました。
 老齢マウスを使った実験で、約10%の老化細胞の表面にPD−L1ができていることを確認。この老化細胞の割合は年齢を重ねるほど増えていくことが分かりました。
 PD−L1は、免疫細胞の一つであるT細胞の表面のたんぱく質「PD−1」にくっつき、免疫の攻撃を受けないようにブレーキをかけます。京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授は、PD−1を発見し、このブレーキを外す物質(抗PD−1抗体)をがん治療薬「オプジーボ」として実用化につなげ、18年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
 老齢マウスに抗PD−1抗体を投与すると、肝臓や腎臓などで老化細胞が減少し、筋力も回復しました。中西さんによると、オプジーボをより早期のがん患者に投与した際の効果を調べる臨床試験が計画されており、臓器の機能の改善具合も一緒に調べることを検討しているといいます。

◆究極の予防医学
 現在、人間の寿命について生物学的には120歳ぐらいが限界との説が有力になっています。
 「生活習慣の変化などにより、平均寿命は延び、老化の速度は随分遅くなった。70年前の60歳と、今の60歳の老化度はかなり違う。一方、長寿の記録は昔から今まで変わっていない。最大寿命は、生活習慣によらない別のもので決まっているのでは」。中西さんは、老化細胞の除去技術が実用化されても、その限界は超えられないとみます。
 老化細胞の除去技術で目指すのは、介護を受けずに日常生活を送れる期間を示す健康寿命の延伸だといいます。中西さんは、老化は病気ではなく、「未病」(まだ発病はしてはいないが、健康な状態から遠のきつつある状態)だと指摘。「老化への介入は『究極の予防医学』といえる。この技術を実用化し、40年までに健康寿命を100歳まで延ばしたい」と話します。

―――――――――――――――
<GLS1> アミノ酸の一種であるグルタミンをグルタミン酸に変える酵素。反応の過程で、アルカリ性のアンモニアをたくさんつくり出す特徴があります。老化細胞では、細胞小器官の「リソソーム」の膜に傷がつき、内部の酸性物質がしみ出してきます。細胞全体が酸性になると、細胞は死んでしまうはずですが、老化細胞はGLS1を活性化し、アンモニアを使って細胞内を中和します。GLS1の働きを邪魔する物質を投与すると、老化細胞内が酸性のままとなり、生き延びることができなくなります。
―――――――――――――――

―――――――――――――――
<オプジーボ> 免疫の力を利用したがん治療薬。国内では、本庶佑氏と共同で関連特許を取得した小野薬品工業が2014年に発売し、皮膚や肺などのがん治療に使われています。このタイプの薬は「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれ、
―――――――――――――――

11. 蒲田の富士山[2157] ipeTY4LMlXiObY5S 2024年1月28日 10:32:34 : 4mWDceGEaY : TDh1UXZWU255MEU=[15] 報告
<■76行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<不老不死に挑む>(4)動物から探る抗老化法 目指せ「ピンピンコロリ」 寿命がマウスの10倍!ハダカデバネズミの特殊な生態(東京新聞)
2024年1月28日 07時40分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/305718?rct=national

 大きな出っ歯に、しわしわで毛のないピンク色の肌−。見た目そのままの名前がつけられたハダカデバネズミ。外見のインパクトが強いですが、がんになりにくく、老化しにくいうえ、同じぐらいの体格のマウスより寿命が10倍長いという驚くべき特性があります。ハダカデバネズミの研究に取り組む熊本大の三浦恭子教授(長寿生物医科学)は、この長寿動物の体の仕組みをヒントに「人の健康寿命を延ばす研究につなげたい」と語ります。 (小沢慧一)

◆トンネル暮らし
 ハダカデバネズミは東アフリカに生息しているネズミの仲間のげっ歯類です。体長は平均10センチ程度で、体重は約40グラム。サバンナの地下に長い場合は全長3キロにも及ぶトンネル状の巣穴を掘って暮らします。
 巣穴は寝室やトイレが分かれており、地上に出ることはほとんどありません。無酸素状態でも18分生き延びられるといいます。巣穴を掘るスコップの代わりに前歯が発達。暗く、高温多湿な地下暮らしでは不要な視覚や体毛は退化しています。
 哺乳類には珍しく、ハチやアリのように女王をトップとする階級社会を営む「真社会性」を持つことで知られます。最大300匹で群れを構成します。1匹の雌(女王)だけが子を産み、1〜3匹の雄(王)のみが繁殖に関わります。女王や王が繁殖や子育て、巣の見回りを行うのに対し、その他の「ワーカー」と呼ばれる雌や雄はトンネルを掘ったり、食料を運んだりと役割分担しながら生活しています。
 特殊な生態を持つハダカデバネズミですが、科学者たちは、その長寿命に関心を寄せています。体の大きな動物ほど長生きすることが知られています。ハダカデバネズミは体重から推定される寿命の5倍以上も生きるとされ、最高齢は飼育下で37年の記録があります。一方、マウスの寿命は3年ほどです。いかに特殊な存在なのかがわかります。
 しかも、生活習慣病をほとんど発症しません。熊本大がまとめた資料によると、がんの発症率は日本人65・5%(男性)、マウス55・1%(雄)に対し、ハダカデバネズミは1%未満です。アルツハイマー病やパーキンソン病、糖尿病などにもなりにくいとの報告もあります。年を重ねても、心臓の機能や身体の活動量が衰えるなどの老化の兆候は見られず、死亡率も上昇しないといいます。

◆老化細胞を除去
 老化しにくい秘密は何か。日本で唯一、研究用にハダカデバネズミを飼育している熊本大の三浦さんらは、老化細胞を除去する仕組みが備わっていることを突き止めました。
 老化細胞とは、細胞の中のDNAが傷つくことなどによって分裂せずに増殖をやめてしまった細胞です。年を重ねるごとに体内に蓄積され、炎症を起こすタンパク質を作り、がんなどの病気の発症を促進させるといった「悪さ」をします。
 鍵となったのは神経伝達物質の「セロトニン」の代謝でした。代謝とは、生体内で起こる合成反応や分解反応などの化学反応のことをいいます。ハダカデバネズミはふだんセロトニンを体内にためています。正常だった細胞が老化細胞になると、セロトニンが代謝酵素によって分解され、DNAなどに傷をつける過酸化水素(活性酸素の一種)を発生させます。
 これまでの研究で、ハダカデバネズミの細胞は、マウスに比べ、過酸化水素に弱いことが分かっていました。老化細胞になると代謝酵素の働きが活性化し、セロトニンが分解されて過酸化水素が作られる−。この過程を経て、老化細胞を自ら取り除くハダカデバネズミ特有の「細胞死」を引き起こしていることがわかりました。
 現在の老化研究は、老化細胞を人工的に除去しようというものが主流になってきています。一方で老化細胞にもさまざまな種類があり、中には傷を治したり、体内の状態を一定に保ったりという役割があることも知られています。除去による副作用の可能性も考えられており、どのような「抗老化」のアプローチが適切かは議論の途中です。
 三浦さんは「ハダカデバネズミは進化によって自然に老化細胞を除去する手段を身に付けた。このメカニズムをまねることで、人も体への負担なく老化を防ぐことができるのでは」と話します。

◆健康寿命
 健康寿命の延伸に挑む三浦さんに、どんな社会を目指しているのかを聞くと、こんな答えが返ってきました。「死なないことが幸せかどうかは、わからない。社会のためには世代交代も必要だし、私は不老不死を推奨したいわけではない」
 医療技術の進歩や公的医療保険制度の充実などの要因で、日本の平均寿命は世界トップクラスとなっています。しかし、日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命の平均とは、約10歳の差があります。つまり、ほとんどの人が10年の介護を受ける必要があるというのが現状です。その間、介護する家族らの負担、本人の尊厳の維持、医療・介護費の増加など問題は多くあります。
 三浦さんは「ハダカデバネズミは寿命の寸前まで元気で『ピンピンコロリ』という形で死んでいきます。この特性の秘密を解き明かすことは、私たちが直面している問題の解決に役立つ可能性がある」と力を込めました。 =おわり

▲上へ      ★阿修羅♪ > 医療崩壊12掲示板 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★事前登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 医療崩壊12掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
医療崩壊12掲示板  
次へ