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日本版CDC設立で感染症対策は改善されるのか? “感染症ムラ”の解体が急務 どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325431
2023/07/03 日刊ゲンダイ
日本の問題は感染研への依存度が高いこと(感染研の脇田隆字所長)/(C)日刊ゲンダイ
5月31日、米国に倣い日本版CDCを新設する法律が成立した。
国立感染症研究所(感染研)と国立国際医療研究センター(NCGM)を統合し、新たな特殊法人を設立するという。果たして、こんなことで日本の感染症対策は改善されるのだろうか。私は、そうは思わない。
確かに、感染症領域での日本の研究力は弱い。コロナ論文数は、主要先進7カ国(G7)では最低で、トルコと同レベルだ。ただ、それは、政府系研究機関が弱かったためではない。昨年6月25日時点、感染研は295報のコロナ論文を発表しており、米国や中国と比べると見劣りするものの、他の先進国の政府系研究機関よりは多い。
日本の問題は、感染研への依存度が高いことだ。感染研から発表した論文数は、全体の4.5%を占め、単一組織としてはG7と中国の9つの政府系機関の中で最も多い。
この状況は、感染研以外の研究機関からの発表が少ないことを意味する。日本で最も論文発表が多いのは東京大学の663報だが、英国のオックスフォード大学2843報、米国のペンシルベニア大学2287報、中国の香港大学2600報とは比べものにならない。主要先進国や中国では、感染症研究の主体は大学だ。
大学からの発表が多いのは、コロナ対策が古典的な公衆衛生や感染症研究にとどまらず、臨床医学、免疫学からゲノム医学、さらに情報工学など幅広い分野の専門家の協力が必要になっているからだ。
専門家の中で、特に重要なのは、情報工学者だ。英国の政府最高科学顧問は、数理生物学を専門とするアンジェラ・マクリーン・オックスフォード大学教授だし、昨年2月、部下に対するパワハラで辞任したが、バイデン政権の首席科学顧問で、科学技術政策局局長を務めたエリック・ランダーも数学者だった。
日本は、このような世界的趨勢に反している。コロナ対策の政府専門家会議のメンバーの大半が臨床医だ。政府で、コロナ流行のモデル研究を進めた西浦博・京都大学教授など、その象徴だ。
医系技官が仕切るのが間違い
こうなるのは、厚労省の医療・公衆衛生政策を仕切るのが、医師免許を有する医系技官だからだ。戦後のGHQの「改革」で、医学部を卒業しているという理由で、公務員試験を免除される。慶大卒業生が仕切るコネ社会で、その中の一人で、WHO西太平洋地域事務局長を務めた人物は、昨年、人種差別発言を繰り返し解任された。
政府専門家から、感染研やNCGMの人事まで医系技官が仕切るのだから、うまくいくはずがない。コロナ禍でNCGMなど複数の組織の職員が収賄罪で逮捕されるなど腐敗が蔓延している。
感染研やNCGMを強化することが国民のためになるのだろうか。医系技官を中核とした感染症ムラを解体すべきである。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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