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小児科と精神科は相性がいい 広がり始めた「オンライン診療」の大きなメリット どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321319
2023/04/11 日刊ゲンダイ
コロナ禍でオンライン診療は急速に普及(C)共同通信社
「オンライン診療って、本当に便利ですね」
患者から、このように言われることが増えた。昨年4月、厚労省が規制を緩和したからだ。従来、生活習慣病の再診で、30分以内で通院可能な患者に限定されていたオンライン診療が、どんな患者にもできるようになった。
私が診療するナビタスクリニック新宿もオンライン診療を実施している。iPadのアプリを通じて、画面越しに患者さんの声を聞き、表情を観察するのだが、ほとんどの場合、これで十分だ。薬は、クリニックに隣接する薬局から郵送するか、患者が指定する調剤薬局に処方箋をFAXで送付し、取りに行ってもらう。こうやって、家や職場に居ながら、診療を受けることができる。
オンライン診療をやってみて感じるのは、利用者の多くが若いことだ。仕事や家庭で多忙な若年世代は、医療機関にかかる時間がない。彼らにとって便利なのだろう。
実は、オンライン診療の効能は、これだけではない。医療機関受診の心理的な障壁が下がることも大きい。最も恩恵を被るのは精神科患者だ。対面診療を嫌がる患者もオンラインなら診療を受ける。コロナ禍で、米国を中心に精神科患者の利用が急増した。そして、精神科医療が急速に進歩した。幻覚剤LSDの心的外傷後ストレス障害(PTSD)への応用など、想像もつかなかった治療が開発されている。2021年末、米サイエンス誌は、同年の重大ニュースに取り上げている。
小児科もオンライン診療との相性がいい。子どもは医療機関が嫌いだし、連れ出すのは、保護者にとっても大変だ。さらに、医療機関に連れて行けば、待合で他の感染症にかかるかもしれない。オンラインで診察してもらえるならありがたい。
この傾向はナビタスクリニックでも顕著だ。ナビタスクリニック川崎の場合、2020年にオンライン診療を利用した人の63%は小児科患者だった。
精神科同様、コロナ禍で小児科のオンライン診療は急速に普及した。1月、米スタンフォード大学の医師たちは、12〜18歳の診療の43%がオンラインだったと「家庭医学会誌」に報告しているし、2月、トルコの研究者は、245人の保護者にインタビューし、70%の人がオンライン診療が可能なら、対面よりもオンライン診療を希望したと報告している。高学歴層、医療機関から遠い所に住んでいる人で、その傾向が強かったらしい。
ITの活用はオンライン診療に限った話ではない。筆者は、自分が主治医を務めるかかりつけの患者さんにはLINEやFacebookのメッセンジャーでもつながり、気になることがあれば連絡を取り合うことにしている。対面診療だけではできない密接なコミュニケーションが可能になる。患者中心に医療のあり方が変わりつつある。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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