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日経平均株価史上最高値更新のなぜ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2024/02/post-e9f34f.html
2024年2月22日 植草一秀の『知られざる真実』
日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新した。
2月22日の日経平均株価終値は39,098円。
1989年12月28日の終値38,915円を34年ぶりに上回った。
昨年の年初、大発会での日経平均株価安値は25,661円だった。
昨年年初に上梓した
『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)
https://x.gd/8MnQp
帯に「日経平均3万6000円突破も!」と明記した。
この予測を真に受ける者は皆無だったが、1年経過した本年1月15日に日経平均株価は36000円を突破した。
本年初に上梓した
『資本主義の断末魔』(ビジネス社)
https://x.gd/xIij4
帯に「2024年、ついに日経平均史上最高値を更新か!」と明記した。
昨年は年前半に株価が急騰。
6月に37,700円水準に上昇した。
上掲書は私が執筆する市場分析レポート
『金利・為替・株価特報』=TRIレポート
https://uekusa-tri.co.jp/report-guide/
の年次版で、月2回発行の『金利・為替・株価特報』では、昨年5月中旬以降、日経平均株価のボックス相場への移行を予測した。
そのボックス相場が昨年末まで持続した。
昨年末の『金利・為替・株価特報』で日経平均株価がボックス相場を上方に抜け、「雲外蒼天相場」に移行すると予測した。
本年の年明けとともに予測通りにボックス相場を上に抜け、2月22日に史上最高値を更新した。
予測通りの展開である。
年次版TRIレポートで帯に数字を明記して日経平均株価急騰を予測したのは2013年、2017年、2023年、2024年の4回。
このすべてで完全的中している。
2016年初に上梓した
『日本経済復活の条件』(ビジネス社)
https://x.gd/KppKQ
では、中国経済、中国株式市場の底入れを予測した。
中国株価が暴落した局面で、圧倒的多数の専門家が中国経済崩壊を予測していた。
拙著は中国経済底入れ実現を予測した。
実際に中国株価は2016年2月を大底に反転上昇した。
2017年版TRIレポート(2016年11月刊行)
『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』(ビジネス社)
https://x.gd/nbTnb
帯に「日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ!」と明記した。
16年11月米大統領選でトランプが勝利すればドルとNYダウは暴落するとされていた。
大統領選直後に上梓した同書で、トランプ当選で米国株価が急騰すると予測し、その通りの現実が生じた。
昨年初来の日経平均株価の急騰と史上最高値更新を予測してきた立場からは、想定通りの日経平均株価史上最高値更新が生じたものと言える。
この株価上昇を「バブル」とみなす見解があるが正しくない。
現在の日本株価はバブルではない。
他方、日経平均株価の史上最高値更新を日本経済の良好さの表れとする見解があるが、これも正しくない。
逆に、日経平均株価急騰は日本経済の歪(いびつ)さを象徴するものだ。
株価上昇の基本背景は企業利益の拡大である。
企業利益の水準から判断して日本株価が割高と言えない。
だが、日本経済は成長していない。
景気後退局面に移行した状況だ。
不況なのに株価が上昇するのは、経済活動の果実の分配において、労働分配が圧縮され、企業収益が拡大しているからなのだ。
労働者=庶民=一般市民の犠牲の上に企業利益拡大が生じ、その結果としての株価上昇である。
政府が正しい経済政策を実行すれば株価は下落する。
政府が間違った経済政策を実行しているから株価が上昇している。
株価上昇の解説においては、この点を間違えてはならない。
以下にその詳細を解説する。
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